表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/69

007 スキルロール

 


 “ふふふ。ははは。ふははは!”



 《……》



 コホン。あまりの嬉しさについ内心高笑いをしてしまった。何故か、自意識のないはずの【大図書館ダンタリオン】から冷たい目で見られているかのような感覚がするが、まあ勘違いだろう。



 ちなみに我が高笑いをしていた理由だが、それはついにBランクに達することができたからだ。Bランクというのは、ランクで言えば、ちょうど中間地点だ。しかし、【大図書館ダンタリオン】によればBランクの力を持っていれば、この世界——【ユグドラシル】では中々の強さなのだそうだ。慢心には気をつけなければならないが、一先ずは安心である。



 それにもうひとつ。なんと! 我は骨ではない肉体を手に入れたのだ! 若干腐ってはいるので一部骨が見えてしまっているが、今までずっと骨の姿だった我からすれば些細なことだ。また、ボロボロながら服も手に入れた。これは進化した際にいつの間にか着ていたものだ。いつかの王笏と同じだな。



 まずは進化後のステータスを確認してみよう。スキルが増えているかもしれんしな。



 “ステータス”



 ==========================================

 ==========================================

 〈名前〉なし

 〈種族〉グール

 〈階級ランク〉B

 〈称号〉なし


 〈レベル〉1/40

 〈体力〉270/270

 〈魔力〉259/259


 〈究極スキル〉

 ▷なし


 〈ユニークスキル〉

 ▷【大図書館ダンタリオン


 〈スキル〉

 ▷【暗視】【下位アンデッド召喚】【中位アンデッド召喚】(NEW)【毒爪】(NEW)【身体強化】(NEW)

 ==========================================

 ==========================================



 スキルが増えておるな。【中位アンデッド召喚】と【毒爪】、【身体強化】の三つか。【下位アンデッド召喚】がEランクからDランクの魔物を召喚できたことを考えると、【中位アンデッド召喚】はその上、つまりCランクの魔物まで召喚できるということだろう。さすがにBランクの魔物は中位ではないだろうからな。



 二つ目の【毒爪】は名前から察するに、我の爪から毒を分泌できるようになるのだろう。中々に使えそうなスキルだ。ただ、この迷宮ダンジョン——【亡者の峡谷】では使えんな。アンデッドに毒は効かんからな。



 三つ目の【身体強化】は文字通り身体能力が強化されるのであろうな。だが、これは単純ではあるが非常に有用だと思われる。



 さて、ステータスの確認が終わったことであるし、次の階層へ向か……うん? アレは何だ? 宝箱か? 何故あんなところに?



 “【大図書館ダンタリオン】よ。あの宝箱は何だ?”



 《解。アレは迷宮ダンジョンにてボスモンスターを倒すと、ごく稀に現れる宝箱です。中身の物は大変珍しく、貴重。そして有用なものが多いので、手に入れておくことを推奨します》



 ふむ。そうとなれば話は早い。宝箱を開けて中身を手に入れるまでだ。



 我は宝箱に近寄る。その宝箱は精緻な装飾が施された芸術品のような様相だ。中々の、いや、かなりの職人技であるな。



 我はそんな宝箱の蓋に手をかけ上に押し開ける。



 ——ギギィィィ。



 立て付けの悪い扉のような音を立てながら蓋が開いた。そして、宝箱の中を覗いてみると中には丸められた古い羊皮紙がひとつポツンと置いてあった。



 我は巻物を手に取る。巻物を破かないように慎重に開いてみると、中には魔法陣が描かれていた。



 “これは何だ?”



 《解。それはスキルロールです。魔法陣に魔力を注ぐことでスキルを取得できます。取得できるスキルはランダムであり、入手するまで分かりません。スキルロールの使用は一度だけに限られます》



 魔力を? とりあえずやってみるか。しかし、スキルはランダムか。まぁ悪いようにはならんだろう。



 我は魔法陣に手を触れて魔力を注ぐ。すると、魔法陣が光り出し、そして消えた。直後、“世界の声”が聞こえてきた。



 《スキルロールによりユニークスキル【無限収納インベントリ】を習得しました》



 なるほど。こういう風になるのか。それにしても【無限収納インベントリ】か。やはり名前通り収納できるのであろうな。一応聞いておくとしよう。



 “【無限収納インベントリ】とは何だ?”



 《解。【無限収納インベントリ】とは無限にものを出し入れできるスキルのことです。容量には制限がなく、収納された物は入れた時点での状態が維持されます。収納したい物に手を置いて“収納”と唱えることで生き物以外は収納することが可能です》



 ほう。それは便利だな。つまりは今まで邪魔だから置いてきたようなものを持ち運べるということか。それは上々。もう一度ステータスを確認してみるとするか。



 “ステータス”



 ==========================================

 ==========================================

 〈名前〉なし

 〈種族〉グール

 〈階級ランク〉B

 〈称号〉なし


 〈レベル〉1/40

 〈体力〉270/270

 〈魔力〉259/259


 〈究極スキル〉

 ▷なし


 〈ユニークスキル〉

 ▷【大図書館ダンタリオン】【無限収納インベントリ


 〈スキル〉

 ▷【暗視】【下位アンデッド召喚】【中位アンデッド召喚】【毒爪】【身体強化】

 ==========================================

 ==========================================



 ユニークスキルの欄に【無限収納インベントリ】とあるな。



 何はともあれ、これは非常に良いものを手に入れたのではなかろうか?



 とりあえず、今回のボス戦で出たスケルトンナイトの剣と鎧、スケルトンメイジの杖とマント、そしてスケルトンキングの王笏は【無限収納インベントリ】に収納しておこう。いずれ何かに使えるかもしれんしな。



 あと、ついでにスキルロールが入っていた宝箱も収納しておく。いつか、集めた宝はこの宝箱に入れるとしよう。



 我はすべての物を収納した後、次の階層へと続く階段を降りることにした。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ