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013 VSスケルトンドラゴン

 


 石扉を押し開いた我の視界に飛び込んできたのは巨大な空間と、そして——



 ——巨大な骨の龍だった。



 コレがスケルトンドラゴンか……。我はその大きさに少し圧倒されながらも一応“魔物鑑定”で確認する。



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 種族:スケルトンドラゴン

 ランク:特S

 ▷スケルトンドレイクの上位種。大きさと骨の体が特徴。放出系魔法に対する絶対耐性を有する。物理攻撃力は特Sランクトップクラスで闇魔法も使用する。闇魔法はデバフを扱うので戦闘の際には光魔法など何らかの解呪手段が必須。

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 やはり、目の前の巨大な骨の龍の名はスケルトンドラゴンであった。



 というか、スケルトンドラゴンはデバフを使えるのか……。吸血鬼公ヴァンパイアロードに進化しておいて本当に良かった。吸血鬼ヴァンパイアの時は光魔法が使えなかったからな。



 まぁ、極論を言ってしまえば攻撃を食らわなければいい話なのだが、勝負に絶対はないし、不確定要素は減らしておきたいと思うのは知性ある者の性であろう。



 我は内心安堵の息を吐いた後、改めてスケルトンドラゴンに相対し、両手の血剣ブラッドソードに闇の魔法剣を展開した後、戦闘態勢をとる。



 スケルトンドラゴンはこちらをジッと見据えた後、咆哮をあげた。



 ——Gugaaaaaa!!!!!!



 その咆哮はスケルトンドレイクとは比べるまでもない、迫力と大きさであった。大気を震わし、発生した風で地にある土を巻き上げる。



 もし、その咆哮をまともに受ければ、覇気に圧倒されて動けなくなる者もいるだろう。



 しかし、所詮は咆哮。今更そんなもので怯む我ではない。



 我は【身体強化】のスキルを発動し、無魔法の身体強化魔法もかける。そしてスケルトンドラゴンに接近した。



 我は前回のボス戦——スケルトンドレイク戦では今回と同じように接近し、完全に対処されてしまった。しかし今回。我は進化を遂げ、レベルも可能な限り上げている。その上、スキルの【身体強化】と魔法の身体強化魔法を併用している。



 この違いというのはやはり非常に大きかったようだ。



 スケルトンドラゴンは我のスピードについてこれず、我の一撃をまともに受けた。



 ——ガギンッ!



 我の二本の闇の魔法剣はスケルトンドラゴンの胸骨の二本を半分近くまで斬り裂いた。



 血剣ブラッドソードはやはり、今まで使っていたスケルトンナイトの剣より全てにおいて優れている。それは無論、斬れ味もだ。



 前回のスケルトンドレイク戦ではスケルトンナイトの剣に闇魔法を纏わせて闇の魔法剣としたのだが、それでは骨の表面しか傷つけることができなかった。しかし、今回は骨を半分近くまで斬り裂くことができた。



 それはもちろん、我が血剣ブラッドソードを使えるようになったことだけが理由ではない。むしろ、一番の理由は全体的な身体能力が上昇したからだ。



 我は再び両手の剣を振るう。



 我はすでに闇の魔法剣を解除し、火の魔法剣を展開している。闇の魔法剣で傷つけることができたなら火の魔法剣で斬り裂くことは容易だろうと判断したからだ。



 そして、両手の剣をスケルトンドラゴンの胸骨目掛けて振り下ろす。



 ——ズバンッ!



 スケルトンドラゴンの胸骨はアッサリと切断された。



 ——Gugaaaaaa!!!!!!



 スケルトンドラゴンはそれを見て、顔に怒りを浮かべながら咆哮をあげた。そして、我に向かってデバフ効果が付与された数百の【ダークボール】を放ってきた。



 我はそれを見て、スキル【物理ベクトル操作】を発動する。すると、我に向かってきた【ダークボール】は我を捉えることなく、地面や壁に当たって消滅した。



 スケルトンドラゴンはそれを見て、憤慨している……ように見える。いや、足を踏みしめて地団駄を踏んでいるのを見ると、案外本当に憤慨しているのかもしれない。



 我はスケルトンドラゴンに向かって駆け出す。



 スケルトンドラゴンはそれを見て、闇魔法を纏わせた尻尾を横薙ぎに振るい攻撃してきた。何時もなら飛んで避けるところだが、今の体勢では無理そうだ。なら、受け止めるまで——。



 我は血剣ブラッドソードをクロスさせて尻尾を受ける。



 ——ガギンッ!



「ッ!」



 しかし、やはりというか、我は吹っ飛ばされ壁に叩きつけられた。



「ガハッ!」



 肺から空気が漏れ、壁にぶつかった背と頭が痛む。だが、ダメージ自体はそこまで大きくはない。精々体力が600から700ほど削られただけだろう。



 我は地面に着地する。直後、付与されたデバフ効果が我の体を蝕み始めた。どうやら、少し体にも尻尾をくらっていたようだ。だがしかし、我は今光魔法が使えるため、デバフ効果など意味はない。



「【ピュリフィケーション】」



 発動した光魔法の効果は絶大だった。我を蝕んでいたデバフ効果は早々に消え去っていく。



 我は、デバフ効果が完全に消えたのを確認すると、今度は速さを出しつつも慎重に(・・・)スケルトンドラゴンへと近づいていった。先ほどの失敗はスピードを出し過ぎたことが原因だったからだ。



 スケルトンドラゴンは味を占めたのか、またもや同じ尻尾攻撃を繰り出してくる。無論、闇魔法を纏わせて、だ。



「舐めよって……」



 我は【飛翔】を発動させ、空中へと舞い上がる。スケルトンドラゴンはまさか我が飛べるとは思っていなかったのか、一瞬動きを止めた。だが、そんな一瞬の隙が上位者同士の戦闘では物を言う。



 我はその隙を見逃さずに肉薄し、両手の剣を袈裟斬りに振り下ろす。



 我が振り下ろした剣はスケルトンドラゴンの首の骨を容易に斬り裂き、そして——



 ——切断した。



 ——ドズゥゥゥーン!!!!!!



 生命活動が停止したスケルトンドラゴンの体は大きな地響きを立てながら地面へと倒れ伏す。



 直後、“世界の声”が聞こえてきた。



 《迷宮ダンジョンボス——スケルトンドラゴン討伐を確認。それに伴い【亡者の峡谷】のクリアを認定。攻略者名前なし(ネームレス)に称号“迷宮ダンジョン攻略者”とスキル【迷宮創造ダンジョンクリエイト】を贈与します》



 新しいスキル? 【迷宮創造ダンジョンクリエイト】? これは自分で迷宮ダンジョンを作ることができるということか? もし、そうであるなら暇潰しの際の丁度いい玩具となるかもしれんな。まぁ、どちらにせよ、暫く使う予定はないが……。



 まあ、何はともあれ、我はこうして迷宮ダンジョンボス——スケルトンドラゴンを倒し、迷宮ダンジョン攻略者となったのであった。



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