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012 レベル上げ

 


 吸血鬼ヴァンパイアに進化を遂げてから二ヶ月が経過した。我はその間に、新しいスキルと無魔法を体得することができた。



 今では、スキルはおよそ使いこなせるようになり、無魔法も結界魔法と身体強化魔法をある程度マスターしている。



 これはひとえに【大図書館ダンタリオン】のおかげだ。【大図書館ダンタリオン】は世界中の書物等を網羅しているので、各魔法の極意や秘伝についても我は容易に知ることができる。その結果、わずか二ヶ月という短い期間で結界魔法や身体強化魔法を習得できたのだ。



 ほかの無魔法については緊急的に必要なわけではないので、しばらく後に習得しようと思う。



 さて、そんな我が現在何をしているのかと言えば、それはレベル上げだ。この迷宮ダンジョン——【亡者の峡谷】は【大図書館ダンタリオン】の予測によれば第六十階層まであるらしい。よって、次のボス戦は普段の階層ボスではなく、迷宮ダンジョンボスが相手となる。



 迷宮ダンジョンボスは普段の階層ボスとは格が違うらしく、相当なレベル上げを行ってからでないと勝てないらしい。しかも、我が現在攻略中のこの迷宮ダンジョンは攻略難度が世界屈指であり、迷宮ダンジョンボスの実力は相当なものだと予想される。



 そして、これまた【大図書館ダンタリオン】の予測によれば、今までのボスの傾向から、迷宮ダンジョンボスはスケルトンドレイクの上位種——スケルトンドラゴンではないか? とのことだ。



 スケルトンドラゴンとは特Sランクに分類される魔物だ。かの魔物は知性こそ低いが、その実力は世界最強種たる龍種に肩を並べる存在で、アンデッド系統でも最強クラスを誇る。放出系魔法には絶対耐性をもち、攻撃力は特Sランクトップクラス。おまけに闇魔法まで操る正真正銘の化け物だ。



 我の現在のレベルは69。スケルトンドラゴンに相対するにはかなり心もとない。というか、戦えばおそらく負けるだろう。万全を期すためには進化をし、そこから更にレベルをかなり上げておく必要がある。



 そんなわけで、今は進化を目指して、レベルを上げている最中だ。



 っと、そんな理由で魔物えものを探していると早速魔物(えもの)が現れた。アレはデュラハンだったか?



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 種族:デュラハン

 ランク:A

 ▷リビングアーマーの上位種。全身に黒鎧を纏い、大剣を持った魔物。強い膂力が特徴で“首なし馬”限定の召喚魔法を扱う。

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 ふむ、やはりデュラハンか。



 実はこの二ヶ月でスキルや魔法以外にも出来るようになったことがある。それは【大図書館ダンタリオン】とリンクすることで会話を介さずとも魔物を知ることができる、魔物限定の擬似鑑定だ。



 一応、この世界には【鑑定】や、その上位スキルの【絶対鑑定】というものがあるみたいだが、残念ながら我は持っていないからな。



 今では、魔物の姿を見て”知りたい”と思うだけで魔物の簡単な情報が頭に浮かぶようになっている。この能力は非常に便利なため、かなり重宝している。便宜上、何かしらの名をつけたいので、この能力はこれから“魔物鑑定”と呼ぶことにする。



 ちなみに、現在、魔物の情報を得ている書物の題名は『魔物大全』という。まぁ、我にとって使える書物ならどうでもよいが……。



 では、早速戦うとしよう。



 我はすでに手に持っていた血剣ブラッドソードに火魔法を纏わせ、火の魔法剣にする。



 そして、デュラハンに近づいて袈裟斬りに振り下ろす。



 ——ジュッ!



 終わりである。デュラハンは本来、村や小さな街レベルなら壊滅させてしまうレベルなのだが、Sランクである我にとっては最早、単なる雑魚でしかない。



 おっ。ちょうどレベルが上がったようであるな。久しぶりにステータスを確認してみるとしよう。



 “ステータス”



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 〈名前〉なし

 〈種族〉吸血鬼ヴァンパイア

 〈階級ランク〉S

 〈称号〉なし


 〈レベル〉70/85

 〈体力〉1375/1375

 〈魔力〉1285/1285


 〈究極スキル〉

 ▷なし


 〈ユニークスキル〉

 ▷【大図書館ダンタリオン】【無限収納インベントリ


 〈スキル〉

 ▷【暗視】【下位アンデッド召喚】【中位アンデッド召喚】【上位アンデッド召喚】【猛毒爪】【高速再生】【眷属化】【吸血】【身体強化】【服生成】【血液操作】【飛翔】【変身(狼)】【威圧】


 〈魔法適性〉

 ▷火・風・地・氷・闇・無

 ==========================================

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 これは上々。さて、あと15レベル上げるためにも魔物を狩りまくるとしようではないか!



 というわけで、我は魔物狩りに精を出し、レベルを上げていくことにしたのである。



 ♦︎♦︎♦︎



 そして、時を重ねること三ヶ月。我は

 進化を遂げ、第六十階層のボス部屋の石扉前にいた。



 ちなみに我の現在のステータスはこのようになっている。



 ==========================================

 ==========================================

 〈名前〉なし

 〈種族〉吸血鬼公ヴァンパイアロード

 〈階級ランク〉特S

 〈称号〉なし


 〈レベル〉60/115

 〈体力〉2020/2020

 〈魔力〉1885/1885

 

 〈究極スキル〉

 ▷なし


 〈ユニークスキル〉

 ▷【大図書館ダンタリオン】【無限収納インベントリ


 〈スキル〉

 ▷【暗視】【下位アンデッド召喚】【中位アンデッド召喚】【上位アンデッド召喚】【猛毒爪】【超速再生】【眷属化】【吸血】【身体強化】【服生成】【血液操作】【飛翔】【変身(狼)】【威圧】【天候操作】【物理ベクトル操作】


 〈魔法適性〉

 ▷火・風・地・氷・光・闇・無・回復

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 新しいスキルの詳細は以下の通りだ。



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 ⚫︎【超速再生】…【高速再生】の上位版。部位欠損ですら数秒で再生する。


 ⚫︎【天候操作】…風や雨などの自然現象を操ることができる。ただし、その範囲は限られる。


 ⚫︎【物理ベクトル操作】…一定以下の強さの力の向きを変えることができる。ただし、直接攻撃の力の向きは変えられない。

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 見て分かる通り、新しいこの三つのスキルははっきり言ってヤバイ。とんでもなく強い良スキルだ。今、我がこれらを使いこなせているかは微妙だが、今後は集中的に鍛えていきたいと思っている。



 そして、ステータスについてだが、こちらは中々に良いステータスだと思う。これならいくら迷宮ダンジョンボスが相手であろうともおくれをとることはないだろう。



 本当はもう少しレベルを上げたかったのだが、最近魔物をいくら倒しても、レベルがほとんど上がらなくなっているのだ。



 というわけで、この度迷宮(ダンジョン)ボスに挑戦することと相成った。



 我は石扉を前にして今までの魔生を振り返った。だが、浮かんでくるのは戦いばかり。我は仕方がなかったとは言え“戦っている記憶しかないな”と内心自嘲する。だからこそ、もし迷宮ダンジョンを出れたら戦い以外の経験も多く積んでいこうと決意した。



 そして、我はボス部屋の石扉を開くのであった。



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