蒼瞳
【桜花-OUKA-】を読んでくださっていた皆さんありがとうございます。
そして初めましての皆さまこの小説を開いていただきありがとうございます。
【霖雨蒼生流の門下生】は自分が初めて執筆した
【桜花-OUKA-】のリニューアル版になります。
小説を執筆していくうえでもっとこうしたかった…ということは冒頭こういうほうが良かったのか?
なんて考えていくうちにこの結論に至りました。
【桜花-OUKA-】を目にしてくれていた皆様がより面白いと感じてくれるものを!
そして【霖雨蒼生流の門下生】から読み始めていただいた方が続きを読みたいと思うものを!
日々努力してまいります。
是非皆様のご意見、ご感想をお待ちしております。
皆様の様々なご意見がzintoの活力です。
「なんなんだこのガキは……」
男は突如現れた少女?いや少年なのだろう
中性的な外見を持つこの少年に恐怖を抱いていた。
男の後方にはどれほどの衝撃だったのだろうか……
放射線状に亀裂の入った壁の下に男が一人倒れている。
こいつもかなりの手練れだったはずだ。
それを一撃で……
男の背中に冷たいものが走る。
正面に構えている日本刀の刃先が僅かに震えているのが自分でもわかった。
こんな感覚を今まで感じたことはない。
こいつは……やばい。
「お前何者だ?どこに雇われてる!!」
声が震えていなかった自分をほめたいところだ。
精一杯の虚栄を張り、声を上げる。
「別に雇われてなんかいない。
そんな物まで持ち出してるんだ。それなりの覚悟はあるんだろう……?」
少年は倒れている男の手元に転がっている銃や俺が構えている日本刀に目をやる。
バシュ!!バシュ!!バシュ!!!
突如、別方向からサイレンサー付きの銃で弾丸が少年に向けて放たれるが、
少年はそれをなんなくかわし
轟音と共に銃を放った男がまた一人……壁に激突して動かなくなった。
ギリギリという音が少年の握り拳から聞こえる
「裏路地で大の男共が女の子をさらおうとしている……
たまたま助けに入った人間に何の躊躇いもなく銃を使う……」
少年の黒い瞳が徐々に変化していく
「容赦はしない……
霖雨蒼生流の名において
お前達を掃滅する」
どこまでも吸い込まれてしまいそうな深い蒼色に変化したその眼は
怒りの感情を露わにし、
眼前の男を鋭く睨みつけるのだった。