3話 「ルール説明」
「「「「「……」」」」」
「……」
俺たちとクマの着ぐるみ(以降クマ)の間に沈黙が流れる。
「さて、あのしゃべり方は疲れるからこれからは普通にしゃべるよ♪」
クマは最初にしゃべり方について話した。
「は?じゃあなんでさっきはあんなしゃべり方だったんだよ?」
翔が尋ねた。
「なんでってかっこつけるために決まってんじゃん」
「「「「「……」」」」」
「……」
再び俺たちとクマの間に沈黙が流れる。
「まあ冗談はさておき本題に入るよ、僕の名前はクマポン。君たちは今なぜ自分たちがこんなところにいるのか不思議だよね」
自分のことをクマポンと名乗ったクマ(以降クマポン)はやっと本題に入った。(てゆーかクマポンて何だよ。どっかのご当地キャラみてーじゃねーか)
「本当だよ。早く帰らせろよ!」
翔がどなる。
「まあまあ落ち着いて。これから行うゲームをクリアすればちゃんと帰してあげるから」
「ゲーム?」
渚が首をかしげる。
「そうゲーム。君たち5人にはこれから賞金を懸けたゲームをしてもらうよ。これからルール説明するけど、いい?」
「ちょ、ちょっと待ってよ。どうして私たちがそんなゲームに参加しなくちゃいけないの?」
奏が怯えた声で訊く。
「そのことについてもこれから説明するよ。じゃあこんどこそ説明を始めるよ?」
「「「「「……」」」」」
俺たちは何の反応も示さない。
「それはYESと受け取るよ。じゃあルールはこうだよ」
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家族ごっこ
ルール説明
ルールその1 ・このゲームは「家族ごっこ」といい、家族での参加が必須条 件である
ルールその2 ・このゲームは途中退場ができない
ルールその3 ・このゲームに参加を申し込んだ人間は、このゲーム内で参加させられた人間に正体を暴かれないことがこのゲームの最終勝利条件である
ルールその4 ・このゲームに参加させられた人間は、このゲーム内で参加を申し込んだ人間の正体を暴くことがこのゲームの最終勝利条件である
ルールその5 ・これから君たちにはいくつかの簡単なゲームをしてもらうが、そのゲームをクリアするとこのゲームに申し込んだ人間につながるヒントとなる情報が与えられる。このゲームに参加させられた人間はそのゲームをクリアしていき、情報を集めることを目的とする。逆にこのゲームに参加を申し込んだ人間はそのゲームのクリアを正体がばれないように阻止することを目的とする。
ルールその6 ・このゲーム内では暴力行為などは一切禁止されている。もし暴力行為を行った者がいれば、ペナルティーとして5000万円を支払うことになる。
ルールその7 ・このゲームに参加を申し込んだ人間が勝利した場合、参加を申し込んだ人間には賞金10億円が与えられるが、参加させられた人間には1人1億円を支払ってもらう。
ルールその8 ・このゲームに参加させられた人間が勝利した場合、参加させられた人間には1人賞金2億円が与えられるが、参加を申し込んだ人間には5億円を支払ってもらう
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「以上がルールだよ。わかったかな?じゃあ今から1stゲーム会場まで案内するよ。ついてきて」
そう言われても俺たちは一歩も動くことができなかった。
どういうことだ?これは俺たちの中にこのゲームに参加を申し込んだ奴がいるってことなのか。なぜ?賞金が目当てか?でも俺たちは金がなくても楽しく暮らしてたじゃないか。
「あっ!そうそう言い忘れてたけど君たちは君たちの大事なシスターがいないことに気づいていないの?」
「「「「「えっ!?」」」」」
本当だシスターがいない。どうして今まで気が付かなかったんだ?
「嘘でしょ?本当に気づいてなかったの?薄情だね君たちは。まあいいや君たちのシスターは今別の場所で1人でゲームに挑戦しているから心の中だけでも応援していてあげたら?じゃあ最初のゲーム会場に行くよ」
クマポンがそう言うとさっきまで何の変哲もない壁だったところに1つのドアができた。クマポンはその中に入っていく。俺たちもしかたがないのでそのドアを通ることにした。
「さあ着いたよ。といってもドア1つ通っただけだけどね」
そこは先ほどの部屋とあまり変わらない空間だった。1つ違っているところは、部屋の真ん中にマンホールくらいの大きさの穴が2つ開いているくらいだった。
「それでは1st GAMEを始めるよ。1st GAMEは{落とし穴ゲーム}だぁ!」
ルール説明が長くなってしまい申し訳ありませんm(__)m読むのが面倒臭いと思う方もいらっしゃるとは思いますが、ぜひ読んでみて下さい。