2話 「悪夢のはじまり」
8月1日、6人はいつも通りの当たり前の毎日を過ごしていた。
その夜夕食を食べているとき、最初に異変に気が付いたのは茜だった。
「ねえみんな あれ何?」
茜が指を指していたのは窓の外から見える灯りだった。廃教会は町から離れたところにあるためいつもは町の灯りなどは見えず真っ暗なのだが、今日は数十個の灯りがふらふらと浮いていた。
「お おい あれ なんか近づいてきてないか!?」
翔が言った。
「う 嘘 なんで!?」
奏が叫んだ。
「みんな落ち着いて!」
シスターがみんなを落ち着かせようとするが、そんなことでは落ち着かなかった。30秒ほどで数十個の灯り…いやもうそれは火球と呼んでもよかった。
さらにその周りには人らしき影はなく、火球が意思を持って飛んできているようだった。全員が火球を認識した瞬間、火球が教会の窓を割って侵入してきた。
「キャアアァァァ!」
渚、茜、奏が叫び、
「うわあぁぁぁぁ!」
雄、翔が謎の火球に怯え、
数分間いつもは平和でほのぼのとした教会の中が、一瞬にして阿鼻叫喚の地獄となってしっまた。
そしてなぜか急に全員の意識がふっと途絶えた……
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雄が目を覚ますとそこは窓もドアもない真っ白な空間だった。
雄視点
「痛てて ここはどこだ?」
どうやら頭を打ったようだ。なんでこんな部屋にいるんだ?たしか俺はみんなと夕食を食べてて…はっ!みんなは大丈夫か?雄はとりあえず隣で倒れていた渚に声をかけた。
「おい!渚 大丈夫か!?」
「ん~ 雄ここは?」
渚にけがはないようだ。よかった。
「わからない。それよりもまずみんなだ」
「俺たちは大丈夫だ 雄」
翔たちももう目を覚ましていた。
「で、ここはいったいどこなんだ?」
「ソノシツモンニハココヲデラレタラオシエテアゲルヨ。」
「「「「「えっ!?」」」」」
そこにはさっきまでいなかったかわいらしいクマの着ぐるみが立っていた……
2話目にして初めての後書きですが「家族ごっこ」いかがでしょうか?
初めて書いた小説ですが、これからも読んでいただけると幸いです。