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プロローグ
プロローグ
「ごめんな、ごめんな、雄。」
当時1歳になったばかりの雄は実の父親に教会の前で捨てられた。
その教会は捨て子を拾って育てているシスターがいたので、父親も最後の情けとして道端ではなく、教会の前に捨てたのだと今では思う。しかし当時の雄では、泣きながら父親の去っていく姿を見ていることしかできなかった。その後神城という姓のシスターに拾われ12歳となった神城雄は、同じくシスターに拾われた3つ年上の義兄の翔と1つ年下の義妹の渚と3つ年下の奏と茜、それとシスターの6人で今は廃教会となったところで貧しいながらも仲睦まじく暮らしていた。