火蓮ノ意思
蓮花「…で、話は以上」
まさか先輩がここにいたなんて…
蓮花「火蓮ちゃん。君はどうs「たのもー!」…」
この声はまさか…
月夜美「ねーちょっとー、なんかハイテンションな人とクールな人が来たんだけど」
カレン「…」
蓮花「……ま…一応ここに呼んで」
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「よっ!、久しぶりだな!」
「…姉さんもう少し静かにできない?」
案の定、二人だった。
蓮花「…二人は火蓮ちゃんの姉かな?」
カレン「…」
とりあえず頷いた。
蓮花「私の名は睦月蓮花。ここの管理者の一人だ」
月夜美「十六夜月夜美。僕も管理者の一人なんだ」
「ども、文月花林だ」
「…文月水憐。よろしく」
蓮花「ん。よろしく」
…で、何で私は蓮花さんの膝に?
扱いぬいぐるみなのか?
花林「……しかし、蓮花と火蓮…似てるな」
蓮花「え?そう?」
そっちかよ。膝に座ってることに触れてくれ。
あと何故そんなに打ち解けてるんだ。
水憐「…それで、さっきルビーって子に呼ばれたんだけど。話っていうのは?」
ニコニコしていた蓮花さんの顔が、急に真面目な顔になった。
蓮花「…話。というのは、ルビーに頼まれたことです。
……火蓮ちゃんを、一旦預からせてほしいんです」
花林「…火蓮を?」
水憐「…」
蓮花「私自身、ルビーと火蓮ちゃんに何があったのかは分かりません。でも、ルビーが頼んだなら…
…それに、火蓮ちゃん」
カレン「…?」
蓮花「…君は、どうしたい?」
カレン「…先輩が頼んだのなら…私は、その願いを叶えたい…」
蓮花「…」
花林「…」
水憐「…」
月夜美「…」
…それが、私にできる精一杯の償い。
なんて言葉は胸の奥にしまった。
花林「…分かったよ。お前がそう言うなら、な水憐」
水憐「ええ。…私達がどうこう言っても、結局は火蓮の気持なんだから」
カレン「…姉さん…」
花林「ん…そろそろ戻るか。ウチの生徒副会長怖いしな」
水憐「ええ。確か姉さんと互角くらいだったかしら」
…そんな凄い人がいるんだ。
それは怖い。
花林「…火蓮。失敗したなら、立て直せばいいんだ。お前なら出来るさ」
…え?
花林「それじゃあな!」
水憐「妹のこと、よろしくお願いしますね」
蓮花「…はい」
…二人はそう言って、帰って行った。
蓮花「…優しい、お姉さん達だね…」
カレン「…?」
手に水が落ちてきた。
…泣いてる?
蓮花「……兄ちゃん…マコ兄…」
月夜美「…」
カレン「蓮花…さん…」
…この日から、私はここで暮らすようになった。
でも、「出会い」があるなら…
「別れ」がある。