表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
少女達  作者: 睦月火蓮
第二章 過去
7/10

赤キ盗賊団リーダー

──あれから数年後。ここの生活にもすっかり馴染んだ。


あ、嵐は…自分の記憶探しの旅に出ちゃったんだ。たまに手紙が届くけど。


大雨だった。なんとなく、ふと窓を見たら…


「…女の子?」


外に、赤い格好の女の子が倒れてたんだ。

一緒にいた月夜美と外に出て、その女の子を保護した。


熱が出てて、その上大怪我だったし…とにかく、重傷だった。

名前を聞いてみたら…「ルビー・フレイムバレット」。そう名乗った。


「…!そうだカレンちゃん……」


「カレンちゃん?…その子がどうかしたの?」


話を聞いてみると…

ルビーの話す「カレンちゃん」…「文月火蓮(ふつきかれん)」という子はまだ10歳らしい。

…私より三歳下か。

…ある事件に巻き込まれ、不本意ながら仲間である自分を傷つけてしまった…そう話した。


「…折角笑えるようになれたのに…私のせいで、また……」


「…」


彼女の目には、涙が光っていた。

…本当に心配なんだな。


「…お願い…カレンちゃんを暫く、預かってほしいの…」


「…え?」


「しまったぁあ!!」


…おいこのシリアスブレイカー。なんて時に大声出してるんだ。


「もうこんな時間だ!!ゴメン、ちょっと抜ける!」


…元気な奴だ。


「…えっと…ルビー、どうして火蓮ちゃんを預かってほしいんだ?

  しかもよりによって、今さっき出会ったばかりの見知らぬ私に?」


「……似てるの」


「似てる?」


「……初めて会った時のカレンちゃんと、貴方…よく似てるの」


…?


「…火が消えた、黒い闇に包まれた…悲しい目」


…。


「…私の話、聞いてくれる?」


「…?」


ルビーの話は…ダイアモンド・ファイアの組織ができた話。

…同時に、彼女自身の話だった。


「…私、友達の病気を治したくて…本当は治す方法知ってたけど…その方法は、とても危険で…あの子が耐えられるかどうか…勇気がなかった。

だから、安全に治す方法を探す為に…別の世界に行って、方法を探した。


そのうち…色んな人と出会って、仲間ができて…ダイアモンド・ファイアができた。


でもずっと…自分の目的を、皆に言えなかった。

…皆を利用してるみたいで…何より、怖かった。皆が離れていくんじゃないかって。

だって…皆といると、自分の目的を忘れてしまいそうなほど、楽しかった。

そんな関係が、壊れるのが嫌だった。


……あの日、カレンちゃんと出会って、仲間に迎えた。

それがあの子に対して、助けになるんじゃないかって。

…でもそれが逆に、傷つけて苦しめてしまった…


…私は、皆の前から…あの子の前から逃げた。


…会う、勇気がない。私は結局、弱虫のままなんだ…」


「…ルビー…」


──…ダダダダッ、ダーン!!!


「なんとか終わったーぁ!!」


…月夜美ェー…お前マジでシリアスブレイカーだな…。


「ハイハイ、暗い暗い!

 で、ルビー。そのカレンちゃんどの辺にいる?」


地図をバッサーと机に広げる。


「えっ…と…あ、たぶんここ!」


「…森?」


私がそう言うと、ルビーは顔を横に振った。


「ここ、地図じゃ見えないけど…湖が見えるの。そこ、私がカレンちゃんだけに教えたの」


「ふんふん。よし、分かった行ってくるー!!」


「「えっ」」


止める間もなく、月夜美は能力を使ってさっさと行ってしまった。

…しかも、よーく見るとボイスレコーダー持って。


「…アイツ、ボイスレコーダー持ってたな」


「…」


ガラッと音がしたかと思うと、外からの冷たい空気が流れてきた。

ルビーが窓を開けたからだ…と思う。

雨の音はしないから、もう止んだようだ。


「ちょっ、ルビー」


「…カレンちゃん。お姉さんが二人いるの」


「?」


「…預かってもらうなら、二人にも話を聞いてもらわないとね」


「な、…火蓮ちゃんに会わなくていいのか!?」


「…私には、あの子に会う勇気がないから

 ありがとう、レンゲ」


「ちょっ!?」


ルビーはそのまま窓から飛び降りた。

…ここ13階なんすけど!?


急いで窓に近づいて下をのぞいてみると…ルビーらしき子と、もう一人誰かの姿が見えた。

…言っとくけど、私地獄耳だから無駄に耳いいんだからな!←

微かに名前らしき言葉が…「グラス」。あっちの子の名か。


「…ルビー……ハァ…」


文月火蓮…。10歳か…確か私もそんぐらいの時に此処に来たな…。


私はPCを取り出すと、ある映像を開いた。

合宿所内の映像だ。


「…今は廊下か」


私はヘッドセットを取り出し、声を出した。


「月夜美ー」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ