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離婚の理由  作者: 大楠晴子
第1章 愛梨
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冬眠中のグリズリー

「何?その景気の悪い顔」

「そんなデリカシーに欠けたこと言うのは、平原さんくらいだな」

「チワワに噛まれたくらい、なんてことないでしょ?自業自得なとこあるし?」

 綾音はいつになく険のある声で智哉を睨み付ける。

「自業自得か……、俺はもう誰とも付き合っちゃいけないってことか?」

「違うわよ。中途半端なことするからでしょ?チワワは完全に被害者よ」

「……中途半端?はっきり言えよ」

「アイツは弱くて、黙ってられない。そう言ったのは、西口先生じゃなかった?」

 綾音は智哉の目の前に立ち、挑むように見上げる。

「……新山が何を言ったんだ?」

「……先生の離婚を聞いたときに、やっぱりまだ待ってるんだってぼそっと言ってた。……忘れられない人がいるのに、誰かと付き合うなんて、失礼にもほどがあるわ。ましてや丸野なんて、真っ直ぐで正直でバカだから、気付いたら、問い詰めないではいられないのよ。だから、言ったのよ。どうして丸野なのって。……私の考えすぎ、先生の気持ちも変わってる、そう考えてみたけど……」ふうとわざとらしくため息をつく。


「……済んだ話しだ」

「頭ではわかってても、心はついてこないのよ?済んでないから、丸野は聞かずにはいられなかったんでしょ?」

「……携帯を洗濯機に投げ入れるぐらいの気合いがいるのか?」

「相変わらず、嫌なこと言うわ。でも、かなりしつこいみたいだから、もっと気合いいるんじゃない?鍋で煮るくらい?衣を付けて、油で揚げないとダメかもよ?」

 クマはクマらしくずっと冬眠してれば?吐き捨てるように言い、立ち去る綾音の背中を見送る。


 外科病棟の小さな窓に風が吹き付け、ガタッとなる。その窓から見える曇天は低く重い、街路樹はすっかり葉を落とし、細い枝が風に揺れている。

 まだ、冬は始まったばかりだ。



お付き合いいただきまして、

ありがとうございます( ´∀`)


他のシリーズでちょこちょこ登場する二人が

付き合ったらどうなるかしら?

そんな大楠の思いつきで書き始めました。


西口先生、ダメすぎやし……。

丸野、やっぱりイライラするし……。


わたしの愛がたりないわ(´д`|||)

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