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第六十四話

Side:華琳


昨晩、作戦は順調に進行中との連絡が蛟のものにより報告された。


周りの子は兄さん自身が敵のど真ん中に行くのには流石に反対した。


だが、黒蛇を中心とした蛟、焔、瑠璃が付いているのだ。


そしてなにより‘あの’月詠(公孫真)が付いているのだ。


まず間違いはないだろう。


私達は都の南に陣を敷いている。


張遼、高順の二人の部隊が南の門から出てくる手はずになっている。


二人のことは春蘭や煉華達に任せておけば問題ないはずだ。


北から公孫賛を攻めさせ、都侵入の一番乗りを与える。


蛟のものが内から門を開けることにより可能だ。


しかし門は突破できても中の守備には人数を集めておくので、進行は止まる。


公孫賛に遅れ、袁紹が侵入。


そのまま十常侍達を始末してもらい、この戦いは終わる。


勿論、十常侍達の逃げる方角は制限し、操作する。


兄さん達は十常侍の闇の部隊と周瑜の致死軍との夜通しの戦闘が予測される。


本物の董卓と賈詡は咲夜が信用できる少数の部下と共に逃げる手はずになっている。


こちらも凪の指揮のもと、精鋭の歩兵部隊を先行させ、向かいに行かせる。


呂布は出撃はせず、丁原の住んでいる離れを中心に陣を組み、待機する。


兄さんが大まかな流れを考え、私と桂花で組んだ作戦だ。


失敗させる訳にはいかない。


この作戦は今後の私達の未来がかかっているといっても、過言ではないんだから。



「しかし本当に大丈夫なのでしょうか?この作戦、あまりにも刹那様と蛟の者達をあてにし過ぎていませんか?」


桂花が心配そうに聞いて来る。


「桂花、私には決して怒らしてはいけない人が二人いるわ」


「怒らしてはいけない?刹那様ですか?」


「違うわ。兄さんは‘怒らせたくない’人よ。兄さんを怒らせるようなことはしたくないないからね」


「それでは誰なんですか?」


「兄さんの従者の長子、そして蛟の指揮者。公孫真よ」


「公孫真。名前だけは聞いています」


彼女は兄さんの為ならなんでもする。


口では決して言えないような汚れ役もなんなくやってのける。


実力も相当なものだ。


彼女達、闇の部隊の戦いは普通の戦いとは違う。


相手が気がつかないうちに殺すのが基本だ。


目の前にいるにもかかわらず、まるでそこには本当は何もいないのでは思えるほどだ。


そういった者達は正面からの切りあいは苦手としている。


しかし彼女は別だ。


おそらく正面からの切りあいでも春蘭と互角。いや下手をすればそれ以上の実力をもっているかもしれない。


まさに存在自体が反則のような人間だ。


私は彼女のことは何も知らない。


何故、彼女が兄さんの為にそこまで尽くすのかは教えてもらえてない。


兄さんと他の従者の三人。あとは兄さんの伯父様ぐらいしか知らないだろう。


勿論、私には彼女に命令することはできない。


彼女は兄さんにとって切り札だ。




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