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第三話

Side:刹那


新たに桂花が軍師に任命された。軍師不在は悩みの種であったので喜ばしい限りだ。


今までは俺と秋蘭で献策してきたのだが本業ではないので良策ばかりとはいかなかった。

もっとも華琳なら世間で騒がれている、どの軍師よりも知略で勝っているだろう。しかし一人で出来ることには限界があるので軍師は必要だった。


秋蘭から筍イクのことを聞かされた時、俺は以前俺お抱えの間者からの報告を思い出した。


南皮には目立った功績こそ上げていないが、有能な者は多くいる。名門だけあって人材は豊富だ。羨ましい。


埋もれている人材を引き抜けないかと思い調べさせていたのだ。


報告書に出てきた名前に筍イクがいたのを思い出し、もしやと思った。予想は大当たり。まだ判断するには情報が少ないが、予想以上の知謀の持ち主であろう。華琳の覇業にまた一歩前進した。







斥候が行軍中の大人数の集団を発見したらしい。斥候を増やしもう少し詳しく探らせる。


斥候が報告のために戻ってきた。


「報告を」


「はっ!行軍中の前方集団は、百人ほど。旗が無いため所属は不明ですが、恰好がまちまちなところから、何処かの野盗か山賊だと思われます」


「……様子をみるべきかしら」


「偵察隊を出しましょう。曹進様、護衛に夏侯惇をつけますので指揮を執っていただけますか?」


「構わんよ」


偵察ね。仕官してそうそう俺を使うなんてやはり度胸がある。


「異議あり!なぜ刹那様が偵察などやらねばならん。春蘭だけで十分だろうが」


煉華が桂花に異議を申し立てる。俺としては別に構わないのだけどな。


「駄目に決まっているでしょう!偵察なのよ、ちゃんと状況を判断できて、的確な指示を出せる人じゃないといけないの」


「確かにこの面子では刹那様が最適かも知れないな」


「戦闘になっても春蘭ちゃんがいるので大丈夫ですしね。いざとなれば己が命を捨ててでも刹那様を守ってくれますよ。でなければ……」


桂花に続き、秋蘭と紅が発言する。紅、最後なんて言ったんだ?聞き取れなかった。


「刹那様ではなく秋蘭でもかまわんだろう!どうしても刹那様に行かせるのなら護衛は私がする」


煉華の奴やけに粘るな。言っていることも一理あるのだが。その選択肢は俺も考えてはいた。

しかし今回の討伐で桂花の腕前を見ようと決めたので、特に不安がなければやりたいようにやらせることにした。


「煉華!私では刹那様の護衛として不安だと言っているのか!?」


「その通りだ!敵と見ればすぐに突撃するような馬鹿に刹那様を任せられるか!!」


「お前だって似たようなものだろうが!!」


「私はちゃんと状況を確認して、適切な場所に突撃しているのだ!ただの突撃馬鹿のお前と一緒にするな!!」


「なんだと!!」


「事実だろうが!!」


やれやれまた始まったか。喧嘩じゃれあいの多い奴らである。似た者同士、気が合うと思うのだがな。実際、戦闘になると巧みな連携をとり驚かされる。


煉華はなにかあると必ず俺に付いてくるがそんなに俺は頼りないのかねぇ?


「煉華、そこまでだ。俺が承諾した時点で話は決まっている」


「……刹那様がそう言われるのであれば」


俺が言ったのでしぶしぶ承知したようだ。やれやれ戻ったら食事に連れて行ってご機嫌を取っておくかな。なぜか華琳達も食事、もしくは買い物に連れていくと機嫌が良くなる。但し二人きりでという条件が付くのだが、なぜだろうか?






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