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オトヒメじゃねぇ!突撃?編

作者: 直美

拙い文ですがよろしくお願いします。また、感想もお待ちしてます。こちらの方もよろしくお願いします。

「若、大変でございます」

世話係りの一人が血相をかえて転がるように飛び込んできた。

「なんだ騒々しい、律の前ではしたない」

「はぁー。で、ですが、若様、オ、オト…」

「なーんだ、ハゲヅラってジジイて聞いたけど、単なるチビじゃん」

「お前もチビだぞ」

「ミドリガメ、失礼だぞ! これでも156cmはあるんだからな。あいつはどう見ても、130cmてところだろ」

チビと指差され、なおかつふれられたくない髪と身長について無礼にもつべこべという闖入者に鷹属の若こと、雅隆は怒鳴った。

「無礼者。我を誰だと思うとる、我こそは」

黒髪の少年が近づいてきて、髪を鷲掴みにする。

「ハゲヅラだろ? てか、カッパじゃん!バーコードじゃねぇのな」

頂きを隠していたカツラをぽいっとゴミのように捨て、相方を振り向く。

「賭けはミドリガメの勝ちだな。こりゃ、確かに五十だわ。アッシュグレイに染めて若造りもいいとこだな」

「なにをしよる。我のか、髪を暴きよったわね。許さなくてよ」

頭頂部を両手で隠し、雅隆は少年をにらみつける。

「しかも、おネェかよ! 笑える」

腹を抱え、大声をあげる少年を緑の髪の青年が唇を噛み笑いを堪えながら、注意する。

「オトヒメ、それよりウラシマ様を…」

「なに? オトヒメだと!」

「オトヒメじゃねぇ! 俺は龍神奏だ! どいつもこいつもオトヒメ、オトヒメってうるせぇんだよ」

「えぇい、つべこべうるさいガキね! 律はかえさなくてよ」

雅隆は世話係りに目線で合図した。合図とともに世話係りが少年に飛び掛かろうとしたのを、後ろげりで青年が阻止した。

「おっと、ウラシマ様の前で暴力はいけないな」

部屋の奥にしつらえられた大きな鳥かごから若い女の声がした。

「亀田、助けにきてくれたのね」

女といっても、まだ幼い少女だ。髪は長く腰まであって、つやつやさらさらだ。面立ちは幼いながら美しく、ウラシマ様と呼ばれるより彼女こそオトヒメと呼ばれるべきだろう。

「はい。ウラシマ様、お迎えにあがりました」

亀田は恭しく腰を折った。

「亀田、そちらが龍神家のオトヒメさまね。お待ちしてました。律と申します」

ウラシマこと、律は奏に柔らかな笑みを向けた。

「どうも、奏です」

「こら、律! どこの骨かわからない男共に愛想使わないの。あなたは我だけに微笑んでればいいのよ!」

「ごめんなさい、雅隆さま。でも、あいさつは礼儀ですわ」

「そんなのどうでもよくてよ。あなたは我だけのものなんだから」

だだっ子みたいに、嫉妬をする雅隆に奏は一発お見舞いしてやった。

「ジジイ、きしょすぎ」

「まぁ、オトヒメさま、目上の方に失礼ですわよ」

「ウラシマ様、そんな奴に丁重に接されなくてもよいのですよ。あなた様は監禁されてる身なんですから」

「そうなのだけれど…目上の方だし…」

「犯罪者に礼節の余地なし」奏は痛烈に事実をのべる。

「誰が犯罪者ですって、こんなに律を大切にしてるのに」

「鳥かごで飼うことがか? アホらしい。それって自己満足だけでしょっ。相手の意志なんてお構いなしじゃねぇか」

呆れて奏は亀田を見た。

「なっ、ミドリガメ、こんなジジガキ放って、ちゃちゃっと取り返そうぜ」

「そうだな」

亀田は錠のかかっていなかった鳥かごの扉を開き、律の手を取った。

「さっ、ウラシマ様」

「えぇ」

その姫と王子のような様子を見て、奏はぼやく。

「なんだ、ラブラブじゃん」

「いやー、だめよ! だめ」

いきなり雅隆が亀田を突き飛ばし、律を自分の腕に抱いた。

「他の男にとられるくらいなら、一緒に死んでやるわ」

「はぁっ?」

奏と亀田はすっとんきょんな声をだした。

「オトヒメに律はやらないわ」

「だから、オトヒメじゃねえって…どうするミドリガメ?」

亀田は黙ったままだ。

どうするこのピンチ!

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