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第1章 第7話『運命の軌道 ― 北陸ゴーストラインの真実 ―』

北陸新幹線「はくたか」の車内。窓の外には雪解けの越後平野が流れ、9,999人から残った数百名が、それぞれの思惑を抱いていた。

通路を挟んで、神原翔は手帳を開きルートを確認していた。「次の中継ポイント、金沢駅。ゴースト推理フェーズは列車内で始まるらしい」

隣では葉山玲奈がカップコーヒーを手に微笑む。「ここで動いたら目立つで。静かに見とこ」

座席後方では岩永蓮が踊るように笑い、唐沢陽介がサイコロを振る真似をしていた。

「出目が悪くても、列車止められへんのが人生ゲームやな」

アナウンスが流れる。「次のイベント、【北陸ゴーストライン】を開始します」

ざわめきが走る。

車両中央に設置されたスクリーンに映し出されたのは、ランダムに選ばれた20名の顔――そこには固定メンバーも、名も知らぬモブも混ざっていた。

「この中に“偽乗客”がいる。正体を見抜けなければ、この列車から降ろされる」

乗客がざわめく。柳瀬裕一(鉄道マニア)は目を光らせ、編集者の田代真琴が手帳を握りしめた。

その間、車両の端に“ワンダーボンビー”がふらりと現れ、軽やかに囁く。「信じるも裏切るも、あなた次第ボン♪」

空気が凍る中、結衣が低くつぶやいた。「データが消えていく……これは、記録上の“死”」

慎が腕時計を確認し、静かに立ち上がる。「誰か、嘘をついている」

視線が交錯する。モブの一人、三島香菜(旅行ブロガー)が小声で言う。「……私、誰かに後ろから触れられたの」

次の瞬間、列車が急ブレーキをかけた。アナウンスが途切れ、非常灯が点く。

暗闇の中で聞こえる声――「次は、消えるのは誰だ?」

雪の北陸を駆け抜ける列車が、今、人生と運命の狭間を走っていた。

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