表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/40

第1章第2話『北への出発 ― 氷と運命のルーレット ―』

東京駅から放たれた挑戦者たちは、まるで桜吹雪のように各方面へ散っていった。

北行きの新幹線ホームには、早くも数百人の列。冷気の中、春霞の空が淡く光る。


神原翔は切符を握りしめながら、時刻表を見上げた。

「札幌行き“ノーザン・ブリッジ号”……まるで試されてる気分だな」

隣では葉山玲奈がカップコーヒーをすする。「あんた、旅慣れてへん顔してんで?」

「……理屈で勝てると思ってたけど、どうも違うみたいやな」


自由席には岩永蓮の姿もあった。イヤホンを片耳に、リズムに合わせてノートPCを叩く。

「ルーレットは運、でも運も理屈で掴めるって思ってる。ダンスも人生も同じさ」


一方、南行きの車両には千堂葵と日比野結衣。

鹿児島を目指すチーム戦の一環で、地元の人に聞き込みしながら「人生アクション」ミッションに挑む。

「“見知らぬ町で他人を笑顔にできたらボーナス”……って、これ何の修行?」

「人生のゲームにマニュアルはないのよ」葵が微笑む。


列車の車窓が北へ流れ、函館、そして札幌へ。

その途中、運命のサイコロイベントがアナウンスされる。

“あなたの行先を、ルーレットで決めます”

車内が一斉にざわついた。


スクリーンに名前が次々と映る。

神原翔、岩永蓮、葉山玲奈……そして見知らぬ名も混ざる。

「立花悠人」「小坂みなと」「遠藤マリア」――彼らの顔にも決意の影。


「行先変更、旭川行き!」車掌が叫ぶ。

ルーレットに翻弄される運命の旅路が、再び動き出した。


だがその後方、誰も気づかぬ車両の隅。

ボロスーツ姿の“ワンダーボンビー”がニヤリと笑う。

「フフフ、幸運と不運は紙一重。今夜の宿が、君らの運命を決めるボン♪」


北への旅は、まだ序章にすぎなかった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ