夏の空と雨の神

依頼を受けて各地を巡り、人々の願いに応えてきた神職の少年・那都（なつ）。
とある地域に「雨乞い」の祈りを託され、暑さの厳しい盛りにその地を訪れる。
そこで彼が出会ったのは、なぜかいつも水を浴びながら過ごす、不思議な雰囲気をまとった少女・紬（つむぎ）だった。

乾ききった大地に恵みをもたらすはずの祈りと、澄んだ瞳をもつ少女との出会い。
二つの存在が交わるとき、空の色も、人々の心も、そして那都自身の在り方さえも、少しずつ変わり始めていく――。

暑い夏の光と水が織りなす、不思議でひとときの巡り逢いの物語。

※全六話