『成通、速記を終えた白河院の御前にて膝を立つること』速記談1077
白河院が夕食の折、大納言藤原成通卿が、陪膳を仰せつかった。夕食の後、院はしばらく速記の練習をなさっていたため、成通卿は、お済みになるまでお待ちしていたのだが、脚気の症状が出て、足が痛くなったため、片膝を立てて控えていた。すると速記の練習を終えられた院が、かつて宇治関白藤原頼通殿に言われたのだが、人前において立て膝をするというのは、何につけても興ざめになるものなのだ、とおっしゃると、そのお言葉を聞き終わらないうちに、成通卿は、逃げるように退出してしまったという。
教訓:もとはといえば、院が速記の練習をお始めになったのが原因である。