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ほんとにコイツでいいのか

ヘレナ・ライホは1回目のアタックで釣れたようだ。

次に図書室へ行くと向こうから話かけてきた。

それから学食でも話かけられた。

さらに廊下でも…なんか生徒会室にいるんですけど…え、さすがに寮は勘弁して。

完全に懐かれちまった。

まずクラスメイトに馴染んでもらってから徐々に打ち解けてもらえればなんて軽く考えてた時期もありました…

猫まっしぐら!じゃねーよ!


問わず語りに話してくれたが、簡単に言えば「馴れ合いはせぬ」ということだったらしい。厨二か。

周囲の人間をすべて敵と見立てて脳内で闘っていたとのこと。

うーん…妖精…うーん…とりあえずアレクセーエフ親子が判断することかな。

サクッと報告すっか。


---


結論から言おう、イーゴリくんは手遅れだった。


「外面如菩薩内心如夜叉。素晴らしいじゃないですか!

妖精ではなく戦乙女とは!私のど真ん中、どストライクです!

是非、ご紹介ください。」


いや、それダメな言葉じゃんとか内心ツッコミつつも「左様ですか、アハハ」みたいに適当に流してお茶会のスケジュールを決めた。

それから例のジャンルの勉強をたんまりしておくことを申し渡した。

ヘレナに人として認められるには必須の基礎知識である。


蓼食う虫も好き好きとはこのことだね!なっ?アレクセーエフの親父さん!


---


「ヘレナ様は婚約されているの?」

「いいえ。私も昔からこのとおりなので、今ではなにも言われなくなりました。」


なにシレッと仲間に加えちゃってんの!私は好きでやってんじゃないわよ!

と心の柔いところを刺されて内心爆怒りのマリッカ。


「そう。では理想の殿方はどのような?」

「ええと、強い人、ですかね。

力だけじゃなくて心とか頭とか財力とか地位とかすべて含めて。」


やっぱ、ヤバいやつじゃん。変わってなかったじゃんコイツ。


「そ、そうなんだ。でもすべて持ってる方ってなかなか難しいわよね?」

「なので、どれか一つでもいいのです。妥協します。私を屈服させられる人が好きです。」


真っ直ぐに妥協とか言っちゃうんだ…

屈服とか…コイツはすげーや。

ま、イーゴリくんには財力があるから…いや親父さんか、でも溺愛してるから同じでいいだろう。

なんか勝機が見えてきた。


ってことは、財力を見せつけるイベントを仕掛けるのがいいのかも…

なーんてね。私は忙しいんだ。我慢我慢。


---


ライホ子爵領は割とアッカネン伯爵領から近く馬車で半刻ほどで来れるとのことで休日にお茶会に来てもらうことになった。

普通のお茶会なんて望んでないことは分かっていたので招待状に彼女が絶対に食いつく一言を書き添えた。


「神々の中で誰が最強か決めましょーや。」


厨二には厨二で対応しないとね。

そこに飛び入りで大商人の子息のイーゴリくんが参加するという筋書きであった。

オーディン推しとトール推しで白熱していたところにポセイドン推しの体でおっかなびっくり飛びこんできたボンボンが…


結論を言うととりあえず認知はしてもらえたらしい。

本人曰くD判定らしいが。

「なんでそこにポセイドン!?信じられない!」から始まる2時間に及ぶ説教…

コテンパンに伸されてんだもの。所詮、付け焼き刃じゃね。

おっと、自分も付け焼き刃だったわ。ごめんねごめんねー

ちなみにマリッカはS判定とのこと。

人生の師みたいなことも言ってた。重い、重いよヘレナ。


一応は教えを乞いたいという体で定期的に会う約束を取りつけたらしい。

なにげにやるじゃん、イーゴリくん。

これでなんとか約束は果たせたことになるのかな。

先は長そうだが頑張れよってことで親父さんに報告してミッションコンプリート!


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