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お悩み相談会

「アードルフ様が私のことを何か言ってなかったかしら?…」


お顔を赤らめて俯きつつ小さなお声で囁かれる完璧美少女エリザベトお姉さま。

恋する乙女は可愛いなー、うらやましいぞ、おい!


「王太子殿下がいつも肌身離さず身につけられているロケットをご存知でしょうか?」

「え、ええ。見た気がするわ?」

「そのロケットの中身が気になってお尋ねしたことがあります。

そうしたら「愛する者をここに閉じ込めている」と。」

「え!?」


目を見開くエリザベトお姉さま。


「他ならぬオマエには見せてやろうと仰られまして見せて頂きました。」

「何が入ってたのよ?」

「何かな何かな?」


ヘルカお姉さまとヒルダお姉さまがたまらず先を促す。


「姿絵が。金髪に碧い瞳の少女の姿絵が入っておりました。」

「「キャー!」」


ヘルカ&ヒルダの合唱に真っ赤に染まって両手で顔を覆い固まるエリザベトお姉さま。


「じゃあ、マーティアス様は私のこと、何か言ってなかった?」


今度はヘルカお姉さまの番となったらしい。


「マーティアス様がハンカチを2枚持ち歩いているのはご存じでしたか?」

「いいえ。そんなの初耳よ。それが何?」

「普段使われるのは毎回違うのですが、もう一枚は常に同じものなのです。

それは何のために持っていらっしゃるのかお尋ねしますと、

「コイツは俺のお守りみたいなもんだ。コイツを貰った時から良いことしか起こらねえ。」と。」

「なにそれ?どんなハンカチよ?」

「もう端が擦り切れていて古くなっておりましたが、子どもが初めて刺したような黒猫の刺繍が入っているものでした。

「運命と出会った日にその運命からもらったもんだ。」と」

「「キャー!」」


ヒルダ&エリザベトの合唱も耳に入らないヘルカお姉さまが涙を浮かべながら、


「あのバカ、まだ持ってたなんて…」


と呟いていた。


「えっと、一応…タルヴォ様は私のことをなんと?」


おっとりがたなでヒルダお姉さまがトリを飾る。


「タルヴォ様はよく下町に視察に行かれます。

平民の物価調査とか仰ってよく雑貨類を購入されて持ってこられます。」

「へー、やっぱり真面目なのね〜」


素直に感心されるヒルダお姉さま。


「調査が目的だからと購入された品物は私どもに下げ渡されたりするのですが、必ず女子のアクセサリー幾つかを取り置かれるのです。

それをどうされるのですか?とお尋ねしましたら「ヒルダに似合いそうだからね。」と。」


目を丸くされるヒルダお姉さま。


「いつお渡しするのですか?とお尋ねしたのですが、「いつ渡せるのかな…会うと彼女に見惚れてしまって忘れてしまうんだよ。」と。」

「「キャー!」」


エリザベト&ヘルカの合唱に満面の笑みのヒルダお姉さま。


「「「それにしても…肝心の一言を言ってくれないのよねー!!!」」」


と、嘆息されるお姉さま方。


「言わせてみますか?」


の一言に3人とも身を乗り出す。


「「「どうするの?」」」

「もうすぐ夏休みです。そこで仕掛けましょう。」


マリッカの言葉にフンスと鼻息荒く頷くお姉さま方。

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