第9話 刃
「あっあ、あ、、あいッ、ててて…」
俺は顔面を地面に埋めていた。まさか次元門の繋がった先が地面と近い距離にあったとは、誰が想像しただろうか。もっと丁寧に扱ってほしいものだそう思っい体を起こす。
「ここは…いったい?」
俺は当たりを見渡した。そこに見えてくるのは木々や草花だった。多分と言うか確実にここは森だろう。全く以て状況が悪い、異世界についた場所がよりにもよって森とは、皮肉なものだ。
森は下手に動けば迷う、それに森から抜け出すことができず、彷徨い続け挙句の果てには死ぬそれが関の山だろう。
(さてどうしたものか?)
俺は更に当たりを見渡す、すると茂みになにかの物陰が見えた。
「あれは、いったい?」
俺は、不思議に思いながらも茂みに近づく。茂みを掻き分けそこに見えたものは。
剣だった。いかにもRPGで出てもおかしくないような剣、いわゆる聖剣が台座に刺さっていた。
「す、すげぇぇ…」
それはまさに圧巻だった。木漏れ日に照らされ光り輝く刃、金色に輝く鐔。古き時代より眠りし剣が、まるで俺が来るのを待っていたように、光を放つ。
(こんな森に、剣が刺さってんだ俺はやっぱり異世界に来ちまったらしいな)
真琴は剣に魅了されながらも、内心では自分が惨めに思えていた。
だがそんな惨めさは好奇心により一掃された。
「やっぱりこれって…抜いた方がいいのか?」
真琴は、少し戸惑った、自分がこんな大層な剣を抜いていいのだろうか。だが内心は抜きたくてウズウズしていた。しかし真琴の理性は爆発寸前、剣を抜きたい一心だった。そしてついに…
「もう我慢できねぇぇ!こうなったら抜いてやる!!」
そう叫ぶと剣の柄を片手でつかみ、引き抜こうとする…が
「ふ…ぬ、ぬ…ぬぬ!」
剣は全く抜ける気配がなかった。片手がダメならと、今度は柄を両手で握り引き抜こうとするもびくともしなかった。だがそれが返って真琴に火をつけてしまったのだ。
(こうなったら意地でもこの剣を抜いてやる)
もはやガムシャラだった。自分の持てる力を全て注ぎ、剣を我がものとせんと引き抜こうとしたのだ。
「ふッ、うぉおおおお!」
雄叫びを上げ渾身の力で剣を抜こうとする。すると急に軽くなったを感じた。それと同時に"パキン"と言う不快な音をたてた。その時真琴は察した自分の行為が行き過ぎてしまったことを…
「お、折れた…折れた…嘘ォォォ」
真琴の叫びが森に響き渡る。信じられなかった、まさか聖剣とあろうものがこんないとも容易く折れてしまうとは、全く以て予想していなかった。
真琴は途轍もない罪悪感と残念感に心が包まれた。
「俺はなんてことをしでかしてしまったんだ…」
地面にうずくまり懺悔唱える。そして自分に言い聞かせる。
(やってしまったものはしょうがない、それにこんな所でくよくよしてたら。元の世界に帰ることもできない)




