招かれざる客 その弍
どうぞ呼んでください!
目の前の光景は、蛮族の方が逆に倒れ込んでいた。その光景に観衆たち、蛮族の仲間、アイリス、この場に居合わせる者達全てが愕然といしていた。
「どうなってんだァ!」
最初に声を上げたのはお仲間さんだった。質問されても答えようがない、自分自身何が何だか分からない。軽いパニック状態だった。
「これを……俺が? 一体全体どうなってんだよ…」
真琴は腑抜けた様子で壁にもたれ掛かり頭を抱える。するとアイリスから喝を入れられる。
「貴方しっかりしなさい!この状況を打破するんでしょ? そこで考え込んでる暇はないわ!」
まさにその通りだ、考えてたって何にも始まらない、蛮族達はやられた仲間を見て動揺しているようだし。今なら何とかなるかも、もしかしたらさっきみたいなまぐれが起こるかも。
真琴は立ち上がり、身振り手振りで剣を構える。蛮族達は真琴が戦線復帰した事に気づいているが、まだ理解が追いついていないようで動揺している。
真琴、アイリスそれぞれ蛮族を相手する。蛮族は動揺のせいか、剣が鈍っていた。その好きをアイリスは見逃さず、的確に攻撃を当てていく。一方真琴は、攻撃を当てようとしても、蛮族の方が逆に攻撃を避け逃げわまる。
「ちょこまかちょこまか、逃げるなよ」
「誰がてめぇなんかの言うこと効くかよ」
真琴は蛮族の言い回しが挑発だと知らず斬り掛かる。
「こんのォ! おりゃー!」
渾身の一撃は空を切る。蛮族はこのタイミングを狙っていた。真琴が見せた大きな隙に蛮族が牙をむいた。
「掛かったなアホがァ!仲間の仇だ、血反吐はいて、のたうち回りな!」
(まッ…まずいこのままじゃ……!)
真琴は咄嗟に後ろえバックしその刃折れの剣で蛮族の攻撃を、何とか受け止めた。その時、不思議な事が起こった。真琴の剣と、蛮族の剣がぶつかり合った時、真琴の刃折れの剣が微量の光を帯、受け止め蛮族の剣を粉々に砕き蛮族を吹き飛ばした。
真琴は理解した。さっきの蛮族といい、今の蛮族といい、攻撃を受け止めた時に感覚はなかった。俺の力なのか、この剣の力なのか分からないけど今の状況下なら使う以外に手はない。
吹っ飛ばされた蛮族は、胸に深い裂傷を負って死んでいた。
アイリスが相手している蛮族は、残りは自分だけと知りアイリスと距離を置く、そして腰に携えた角笛を吹いたすると森から数体の蛮族が姿を表した。真琴、アイリスがそっちに気が行っているあいだに、窓を突き破り仲間の元へ向かう。
俺とアイリスは観衆をかぎわけ、蛮族たちと交戦する。真琴は何も分からず、ただ切りかかって来る蛮族の攻撃をさっきの容量で防いでいく。すると、さっきと同様刃折れの剣は微量の光を帯、蛮族の武器を粉々に砕き、蛮族達も吹き飛ぶ。そして、どれくらいたったか、蛮族が残り1人となった。
最後には命乞いもしていたが、村人を傷つけた上に、長老とエルフという種族を侮辱した罪は万死値した。最後の一打はやはりアイリスが、決めた。素早い剣戟で、蛮族に隙を与える暇など与えず、倒した。ついに蛮族達を倒したと、思っていたが………?
グゥゥ〜〜〜
「あ、」
なんと、真琴の腹の音が村中に響き渡った。それに思わず観衆達は笑い出す。真琴は顔を赤面で顔を上げることができなかった。そして、そっと真琴近寄る者がこう告げた。
「真琴どの、良くやってくれた。お主のその力、誠に見事じゃった 蛮族達の奇襲で飯を食いそびれて腹の虫ももう限界のようじゃな?」
「まったくその通りです、長老。」
やっぱり恥ずかしい所を見せてしまった、そんな気がしていた。
「皆の者、今日はこの村を守ってくれた客人真琴殿そして、アイリスに感謝を込めて祭りと行こうしゃないか?」
「そいつァいいな!」
「俺もさんせーだ」
「今日は祭りじゃぁーい」
「おおお!!」
観衆達の熱気はすごいものだった。真琴はお祭りムードに昂った村人達に担がれ食堂でたんと飯を食わされ、あれよこれよの質問攻め、何を話していいのかも分からないし、言っても分からないだろうから軽く済ませる程度に話した。
そして、どれくらいたったか酔いつぶれるまで飲んだ村の人達はそれぞれの家に帰っていった。真琴は、やっと終わってくれたかと、少しホットしていた。
この調子でゆっくり、まったり書いていきます。(何か、自分勝手ですいません
m(_ _)m




