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秘密の糸  作者: 南山阿須那
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秘密の恋

第1話彼女

私達はずっと繋がっている。

それはまるで一本の糸のように。

これからもずっと、ずっと…。

繋がっている。

そう思っていた。

だけどあの日の出会いを境に、

私達は皆、

決して許されない恋をし、

そして

生活が一変した。

秘密の恋をし、

"秘密の糸“を結んでしまった…。

「晋ちゃん突然どうしたの?」

「俺、円花がずっと好きだった、付き合って欲しい。」

「えっ?」

晋ちゃんの突然の告白に私は驚いた。

「嘘…。」

「ずっとずっと言いたかった。

けど、中々言い出せなかった。

…遅くなってごめん。」

「う、ううん」

まさか、晋ちゃんに告白されるなんて

思ってもいなかった…。

「初めは円花の事、本当の妹のように見てた。

本当の兄貴のように俺を慕ってくれて、

それだけで満足だった。」

一人っ子の私を、いつも本当のお兄ちゃんのように面倒を見てくれた晋ちゃん。

私はそんな、晋ちゃんが大好きだった。

「円花が引っ越していなくなってからわ俺はいつしかお前の事ばかり考えた。」

「晋ちゃん…。」

私はお父さんの転勤でこの町を出ることになってしまった。 

「円花がまたこの町に帰って来てくれて、本当に嬉しかった。

そして高校生になった円花と再会した時、

大人になった姿を見てから、

どんどん俺は円花のことを気になり始めた。

そして気付いたんだ、円花の事好きだって事に…。」

「晋ちゃん…。」

私は涙をポロポロ流した。

「円花」

晋ちゃんが私の涙を指で拭ってくれた。

「引っ越しが決まった日、冷たくして本当ごめんな…。

今更言っても遅いけど、俺突然の事でどうしたらいいか分からなかったんだ…。

もう会えないのに冷たくするなんて最低だよな、

本当にごめん…。」

そう言って晋ちゃんは頭を下げた。

「ううん、話してくれてありがとう、私ずっと晋ちゃんに嫌われてるって思ってた…。」

「嫌いなわけないだろ、ずっと昔から一緒にいたのに。」

「そうだね。」

「円花」

晋ちゃんが真っ直ぐな目で私を見る。

「ずっと好きでした、俺と付き合って下さい。」

「…はい、よろしくお願いします。」

「よろしくな、円花。」

こうして私達は、今日から恋人同士になった。

私にとって初めての彼氏となった。


彼の名前は須藤晋一すどうしんいち

22歳大学2年生

この町に引っ越して来てから、

家が近所で仲良くなった。

晋ちゃんと初めて出会ったのは幼稚園の時、

当時よく行ってた公園で晋ちゃんと出会って、

そこから少しずつ仲良くなった。

よく一緒に遊んで貰っていた。


私の名前は三田倉円花みたくらまどか

19歳大学1年生

19年間誰とも付き合った事がなかった。

晋ちゃんが初めての彼氏となった。

幼稚園の時は本当のお兄ちゃんのように接してくれる晋ちゃんが大好きだった。

小学校高学年から、私は恋愛感情で晋ちゃんを好きになった。

だけどすでに、晋ちゃんには彼女がいた。 

だから、私はずっと妹のような存在だった。

それが今、奇跡が起きた。

「円花!」

「え?」

「俺、サークルあるから行くな、今日は来てくれてありがとな、じゃあな。」

「あ、うんまたね。」

そして晋ちゃんは立ち去った。

私もゼミに戻った。

「あれ?円花どこ行ってたの〜??何か嬉しそう〜」

彼女の名前は、村田舞由香むらたまゆか

19歳

同じゼミだ。

常に男子にモテモテ、

恋愛のカリスマ的存在。

「何かあったの?」

この子は新川美菜あらかわみな

19歳

同じゼミで一番最初に仲良くなった。

おっとりした性格で誰にも優しい。

「何何〜???」

この子は武藤盟加むとうめいか

19歳

同じゼミで読モをしていてあまり大学には来ない。

少しケバめで、

サバサバした性格ではっきり言う性格。

私達は皆、性格は違うけど、仲が良かった。

私は、三人に報告をした。

「…実は、晋ちゃんに告白されて、付き合う事になりました…。」

「え!?」

皆が一斉に驚く。

「晋ちゃんって確か円花の幼馴染の晋一さんだよね?」

「うん、そうだよ!」

「そっか、良かったね円花」

美菜が言った。

「ありがとう!」

「え、今日からついにカレカノって事!?やったじゃん円花!おめでとう〜!!」

舞由香と盟加が言った。

「ありがとう、3人とも〜!」

「ついに円花もリア充かあ〜!!むちゃ嬉しい〜!」

「舞由香、嬉しそうだね。」

そう言って、美菜が笑った。

「だって嬉しいんだもん〜!これから楽しい事も辛いことも待ってるよ〜!!円花〜!」

「そっか!頑張るね!あ、ねえ皆の彼氏ってどんな人なの?」

皆に彼氏がいるのは知っていたけど、具体的な事を私は知らなかった。

「ウチの彼氏はまあーチャラいわ、出会ったのは高校の時。

夜遊びしてたらナンパされて、で、遊ぶようになってノリで付き合った。」

と盟加が言った。

「ノリって笑さすがだね!」

三人とも笑った。

「あたしも高校ん時!高校の友達があたしの今彼と中学の時友達だったんだ〜!

で、あたしの高校の文化祭に、今彼が来てて、その時友達に紹介されて〜、

そっからあたしがむちゃアタックして、で今も付き合ってる笑」

「さすが舞由香〜!」

三人とも関心していた。

「私も高校生の時、行ってたアルバイトで、私の指導係をしてくれた人がいて、告白されて付き合う事になったの。」

「美菜、そうなの!?」

意外で三人ともびっくりしていた。

「いいなあ…皆高校生からいたんだ…。」

私は、皆と距離を感じてしまった。

「大丈夫だって!人それぞれだし関係ないって!今日から彼氏が出来たんだから自信持って!」

「舞由香ありがとう!」

「また、色々教えてね〜!円花〜!」

「うん!」

「恋愛のアドバイスならたくさんしてあげるから~♡」

「ありがとう!」

ゼミから出ようとした時、

「円花!」

声がした。

振り返ると、晋ちゃんが立っていた。

「晋ちゃん!」

その時

「あ、じゃあ私達はこれで~」

皆が逃げるように帰る中、

舞由香が[頑張れ]と口パクをしてきた。

(舞由香ったら〜)

「あ、悪い…話し中だった?」

「ううん、大丈夫だよ、サークルは?」

「今日は早めに終わったんだ、だからその…一緒に帰らないか?」

そう言った晋ちゃんの顔は少し赤かった。

「え!?」

私は、突然のことでびっくりしてしまった。

「あ、嫌だった?」

「う、ううん。」

「じゃあ、帰ろ。」

「う、うん。」

こうして私達は一緒に帰ることになった。

私は後を追うように付いて行った。

そんな私に晋ちゃんが気付き、

「ん」

手を出してきた。

「え?」

「円花は俺の彼女だろ?」

そう言って晋ちゃんが手を伸ばした。

「あ、そ、そうだよね。」

私は緊張しながらも手を握った。

握った手が、さらに私を緊張させた。

小さい頃、手を繋いだことは何度かあった。

けどあの頃とは全く違う…。

その時、晋ちゃんが口を開いた。

「…なんかさ」

「え?」

「こうやって手を繋いで歩いたのって小学生の時を思い出すよな。」

「…そ、そうだね。」

一気に、懐かしさと恥ずかしさが込み上げてきた。

あの頃は、手を繋いでいた事に、深い意味なんてなかった。

だけどこうして、《恋人》と言う意味で今、手を繋ぐのは恥ずかしい…。けど、嬉しい…。

そんな気持ちだった。

「円花、明日何か予定ある?」

「予定?ないよー」

「じゃあ…、明日遊びに行かないか?」

そしてまた晋ちゃんの顔が赤くなった。

「え!そ、それってデート!?」

「そうゆう事になるな、嫌?」

晋ちゃんが甘える様な目で私を見つめてきた。

(…うっ、その表情はズルいよー…。)

「嫌じゃないよ!嫌な訳ないよ!行きます!」

「分かった、じゃあ明日な、もう円花ん家着いたし。」

「あ、本当だ…。」

「じゃあな。」

「うん!送ってくれてありがとう!!」

そして、晋ちゃんは帰って行った。

「私、本当に晋ちゃんの彼女になったんだ…!

まだ信じられない…。

デートかあー!緊張するな…。

こうしちゃいられない!色々と準備しなきゃ!」

そう言って、私はドアを開けた。

「ただいまー!」

「おかえりーもうすぐご飯出来るよー!着替えてらっしゃーい!」

お母さんはキッチンで晩御飯の支度をしていた。

「はーい!」

私は2階に上がり、自分の部屋に入った。

着替えを済ませ、食卓につくと、お父さんが椅子に腰を掛けていた。

「お父さん、お帰りなさい!」

「ただいま、円花。」

「さあ、出来た。」

お母さんが机にご飯を並べた。

「頂きまーす!」

「お父さん、お母さんあのね。」

私は、彼氏が出来た事を報告した。

「どうした?」

「どうしたの?円花。」

「私、彼氏が出来た!」

「何!良かったじゃないか!」

「まあ、良かったじゃない〜!おめでとう!相手は誰なの?」

「晋ちゃんだよ!」

「晋ちゃんって晋一君?」

「うん!」

「貴方晋一君ですって!」

「良かったなあー!円花!

晋一君は真面目だし、

礼儀正しいし、父さんも晋一君なら大歓迎だぞ!大切にして貰いなさい!」

「そうね、お母さんも晋一君なら安心だわ。」

「ありがとうお父さん、お母さん」

「じゃあ、今日はお祝いだな。母さんビールをくれ。」

「そうね、はいはい。」

お母さんは椅子から立ち上がり、ビールを持ってきた。

「じゃあ改めて…円花おめでとう、乾杯!」

「カンパーイ!」

あれから私は、両親に色んな話をした。

そして自分の部屋に戻った時、晋ちゃんからLINEが来ていた。

「晋ちゃんからだー!」

『今日は来てくれてありがとな、

一階に帰れて嬉しかった(^^)

明日楽しみにしてる。』

「晋ちゃん顔文字なんて使うんだ…。」

私は返信をした。

『こちらこそありがとう(^o^)

私も一緒に帰れて嬉しかった(≧▽≦)

明日、楽しみにしてます✽』

一つ一つ、文字を打つことに緊張して、指が震えた。

いつも彼氏からのLINEを来るたびに、

嬉しそうな顔をする舞由香達が羨ましかった。

彼氏が出来たらこんな感じなんだな…。

この町に帰ってきて、晋ちゃんと再会した時まだお互いギクシャクしていたままだった。

連絡先は教えて貰っていたけど、

バイトで忙しいのを知っていたし、

迷惑だと思い、連絡はあまりしなかった。

寂しい部分もあった。

彼女になれたらなー…。

そう思った時もあった。

告白も考えてたけど、

今までの関係を壊してしまう気がしてずっと言えなかった。

だけど

今日告白されて、

一緒に帰って、

デートの約束をして、

そして何より、晋ちゃんから来たこのLINEが恋人になったという証だ。

私は、スマホをギュッと握りしめた。

私は今日から正真正銘の晋ちゃんの"彼女"になったんだ。

  

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