表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/53

エピローグ…或いは蛇足


 漁をする小さな船。


 漁師の親子が、仕掛けた網を引いている。少年が引き上げた網の中にきらりと光るものを見つけた。好奇心に駆られ手に取ってみるとそれは小さな小瓶。


 どうやら中に紙が入っている。


 少年は、きっと誰かが出した手紙かなと、ロマンチックな気持ちになり瓶のふたを開け取り出してみた。


 所々、彼には難しく、よくわからなかったが中に書かれていたのは……。



 『


  毒殺 少年

  撲殺 外科医

  絞殺 女

  磔殺 カメラマン

  電殺 青年

  刺殺 執事

  斬殺 老婆

  擲殺 マジシャン

  銃殺 メイド

  消滅 ホスト

  自殺 探偵


   あの島で起きた本当のことを、まだ君は知らない。

   勝利者は誰か。


   …………

    …………


     怪盗キマイラ。


  』



 手紙を手に持ちながら、水平線の彼方にわずかに見える孤島に目が行く。


 しばらく少年が、いろいろ思いを馳せながらボーっとしていると、父親にどやされた。


 「おい、何してる。手が止まってるぞ」


 「怪盗って何? 父さん」


 「はぁ? 何の話だ?」


 少年の手元を見て。


 「そんなくだらんもんに、気ぃ取られていると大事なものを盗まれるぞ! 銭を稼ぐ貴重な時間をな!」


 彼はその言葉に軽く頷くと、手紙を丸めて瓶に戻した。


 もう一度しっかりとふたを閉めて。


 力いっぱい思いっきり遠くへ投げる。


 小瓶は大海原の波にのまれ、すぐに見えなくなる。



 やがてそれ自体では浮かぶこともできず、深い深い海に沈んでいく。


 深く深く暗く。もう誰も目にすることはない。



 ー終わりー



ありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ