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感染者のことは  作者: 獅子師詩史
第二章
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次なる者

「さみーな」


「……おにいが居るから。 わたしもさむい」


「仕方ないだろ制御できねえんだもん。 んで、この街はどうだ? どんくらい居る?」


 獅子女たちが暮らす街。 その一角に二人の感染者は居た。 一人は男、そして一人は幼い女だ。 共に防寒着を着ており、男の足元は凍りついている。


「……たくさん。 大漁?」


「っつうことは当たりか。 いやぁ長い長い旅だったぜ、とっととあいつらに連絡しねえとな。 (ひびき)、これに集まりが起きてる感染者の場所書き起こしといてくれ。 確か十人程度の規模だろ? 五、六人集まってるなら怪しいな」


「……りょかい。 それでおにいどうするの、見つけて」


「決まってんだろ? ご挨拶だよ、ご挨拶。 遠路遥々、この龍宮寺(りゅうぐうじ)真也(しんや)様が会いに来てやったんだ。 ちょいと派手な挨拶くらいが良いだろうよ」


「……また勝手なことして。 ハヤトさんに怒られる」


「おま、怒られるって俺一応あいつより立場上なんすけど? まぁいいじゃん、別にぶち殺そうって勢いなわけじゃないんだし、ちょいと遊ぶくらいのもんさ」


 龍宮寺真也は街を見据える。 降り積もった雪は、彼の故郷を思い出させるかのような景色だ。 その景色を眺めながら、両手を広げ、冬の寒気を目一杯肺へと押し込めた。


「楽しみだねぇ、神人の家。 どんな奴らがいんのか、すげえ楽しみだ」


 冬は、まだ終わらない。

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