エピローグ/二
派手に決めてやったぜ。
ブリッジン・フォ・ニュウ。
スノウ・インカネーション。
フラッシュ・バック・ロックンロール。
そしてその後に演奏したのは、一週間で作り上げた、國丸ユウリ作詞作曲のオリジナル・ナンバ、ブラフ・ガール。
本当は四曲の予定だったけれど、なんだか知らない内に一曲出来ちゃって、それをロックンロール・バンドの友達の三人に聞かせたら、ぜひやろうってことになって、急遽仕上げて演奏した。学園祭実行委員長のコナツにも内緒にしていた。
フィナーレにうってつけだったでしょ?
ブラフ・ガールは私のテーマソング。
誰のものでもない、私だけのものだ。
それを歌っている間。
叫んでいる間。
私はファンタジィの中にいた。
汗だくになって何かを成し遂げたような気がした。
私だけの歌を皆が共有しようとしている気がした。
そこには悦楽的で柔らかくて優しい何かが隠されているような気がした。
私は最上の笑顔でその何かに手を伸ばそうとして。
しかし、ふと気付き。
止めた。
私は白いテレキャスタを掻き鳴らしながら見上げた。
ステージの天井に灯る水銀灯。
その刺激的な燃えるような眩しさの向こうに、確かな輪郭を見付ける。
声が走った。
シスタ、ファウンダウト・ザ・トワイライト・ビュウ!
幻聴?
違う。
聞こえたんだから。
空の方から聞こえたんだ。
聞こえてまだ響いている。
誰かが叫んだ。
そこに誰かがいて。
誰かが私のことを呼んでいる。
その声に誘われるようにして私は。
弦を強く掻き鳴らす。
攻撃的に叫ぶ。
「シスタ、ファウンダウト・ザ・トワイライト・ビュウ!」
これでラスト。
さらに派手に決めてやる。
あの天球儀のように燃やしてやる。
コナツが日曜日に天球儀を破壊して、あのときの記憶がフラッシュ・バックした。
思えばまさにあのときに私は業火紅蓮少女になったのだ。
フラッシュ・バック!
強い炎を取り戻したようだった。
それに炎上しながら私は今に決着を付けるつもり。
いいえ、すでに私はあのときにあらゆることに決着を付けたのだ。
今はただそれを引用すればいい。
掬い出し今に跳び込ませる。
そうすれば煌めくでしょう。
回り始めるでしょう。
新しい風を見つけたの。
業火紅蓮少女ブラフ。




