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木島礼子

木島礼子について言うことがあるとすれば

それは謎である

その存在が

一体どういう効果をもたらし

何に影響するのか

それが果たして

さっぱり分からないのである


①「幽霊部員による幽霊部発足」

豌豆 奏

世の中には色々な部活があれど

こんな誰のためにもならない部を発足する人間は居ないだろう

と言うのも

世の中というものは

自分に必要ないものには

実に排除的な面がある

それは即ち

この部に対して

実に風当たりが強いことが予想されるのだ

しかしだ

どうしてそんな部を作ろうかという話になったのかというなれば

それは実にめんどくさいのだが

誰の意思でもないことになるのだ

それはつまりどう言うことかと言えば

私自身あまり言うに及ばないことであり

はなす必要性の有無を見いだすことは実に不可能きわまりないことこの上何もない

しかしあえて一言で言うのであれば

上の命令

そんなところである

元々は文芸部だった部室に

麻雀やら、オセロやらはさみ将棋やら、マンハッタン、やら、やらやら

もうよく分からないゲームというか・・そう言うものが詰め込められている

いちがいには言えないが

そのほとんどが

誰かの私物ではなく

それそうおうの部活の部品なのだから驚くことはある

そして唯一一人しぶとくいること自体が幻のような

最後の文芸部部員

私事

豌豆 奏は

その暑苦しい

まるでどこかの倉庫か何かのような場所の奥深く

果たしてどうしてこれほど狭い部室が

ここまで異様な道順を踏まなければいけないのかというような

そんな奥深くに

年代物のワープロ

さらには

それを乗っけている普通の木の机

それと同じようなイス

&クッション

がある

つまりそれが私の定位置であり

本来私の所属している部室にも関わらず

この奥深くのせいで

私の存在を忘れている人間が居るから困るものだ

しかし

それでもまだこの部室で小説を書き続けることができたその時まではまだよかったのだ

それは私が三年になろうか

ならないかという微妙な時期

私達になるのか

その部室に

一人の男がやってきた

その名を葡萄と言った

果たしてそれが偽名かどうかその時は私も計りかねた

しかし

その男かまるでまっくつ

のようなこの部室にはいってくるなり

「この部室の部長にお目見えしたい」

そう言ったそうだ

私と同学年にして

始めて寄生部になったオセロ部会長 長薯 知がその受け答えをすることにより

久しぶりに私という場所に人間がやってきたのである

その男は

この異様な場所にもかまわず

ずけずけと歩いてはいってくる

まるでジャングルのようなその備品たちを踏むことなく

それは、私の前に来ると

「この部室をかけて私と勝負していただきたい」

そんなことを言ったのだ


部活法第一条

その部活の名にある勝負で

もし負けた場合

その部はその勝った人間の好きにしてよい


男は分厚い校則百科を私に見せつけてこう言った

私達のような

弱小部であっても

その脅威は知っている

毎年

一番良い部室&部費&部員&マネージャーをかけて

様々なバトルというか戦いが繰り広げられている

その一番は

陸上部&バスケ部&野球と言うところであろう

彼らはもう少しでそっちに行っていたかも知れないような人間の集まりであり

その練習内容に

他所なりとも違いはあれど

その根本的な

運動神経は

基本的に変わることはない

するとスゴいことに

野球部でありながら

短距離選手を相手に百メートルを勝ってしまったり

高跳び選手が

次々とダンクシュートを繰り広げたり

実にその激戦は、毎年他校の生徒をも観戦にこさせるほどの激戦となり

うちの高校では

野球部のはずなのに

野球の練習をせず

陸上の練習をしたり

バスケ部のはずが

野球の練習ばかりしたり

陸上部にはずが

バスケばかりしたりと

実に名前とは裏腹なのであり

そしてやっかいなことに

この下克上とも

道場破りとも

まさしく

領土を奪う戦争とも言えるこの異法は

毎月一回をその部の人間一人を限度に

いつでも申し込むことができる

もちろん

部活の人間でなくても良い

過去には

帰宅部でありながら

陸上野球バスケ剣道弓道長刀ビリヤード体操柔道空手トレイルランニング

などの体育科から

書道美術演劇影絵ボーリング将棋植物などの文化科まで

そのほとんどを私中に納めたと言う

恐ろしい奴まで居る

そしてその伝説について語るなら

もう一つある伝説というものが

唯一その部活王朝の帰宅部に入らなかった部活がある

それがなにを隠そう

どうしてだかこの部活

文芸部なのである

中には

余りに小さすぎて

勝負する気にもならなかったと言うが

私は違うと思う

うちをのぞいて

すべてが負けているにも関わらず

どうしてその時期

うちともう一つ

奴の部しかなかったのか

そうかんがえると

うちの部の初代は凄かったのではないかと思われるが

その資料は

その時代

うちともう一つの王国だけがいたことしか残っていない

しかし

事実である

そして

三年ぶりにこの法則が今目の前で適用されようとしていた

この部を狙うものは少ない

まず

この部室に利用価値がない

また

この部の人間は

部の競技であれば

ピカイチであるが

それ以外は虫けら以下と賞されるほどの

部員達である

そのせいで

もしその競技を申し込んでも

勝負すらならないことが多々ある

と言うか全て歯が立っていない

つまり

この部というか

この部室の有意はそこにある

まるでヤドカリが貝にこもるように

アブラムシが蟻に密を与える代わりに守って貰うように

クマノミがイソギンチャクに隠れるように

この部は

私という弱小者では

実に歯が立たない相手の相手をする代わりに

ほかの部活に

部室を提供して

その代わりに

この悪法を使い

やってくる人間を倒して貰うという作戦なのだ

この法則は

私の前の代から使われている

と言うのも

前の部長が

話が余りにメルヘンすぎて

実に危ない立場だと理解していた

その結果

彼女の人脈を使い

この方法が他所なりとも作られ

私の代で

まるで江戸時代

ペリーに押し切られるように

私はこの部を

他の部活に半ば受け渡し

この有様だと言うことだ

人によってはこのむほう地帯を

「魔の魔窟」などと呼ぶ

現に

先生がいちどこの場所の視察に来て

三日間さまよったという

歴史を持つが

何とか助け出すが取り潰さないという条件付きで

私達はその教師を助けたことがある

そんな場所である

その場所に

一人の生徒がきた

その人間は

うちの青みがかった黒い制服を

真夏だというのに

首もと間で閉め

さらには

被るものなど殆ど居ない

同じく

青黒い帽子を被っている

その髪はあっさりとサッパリと切られ

どこまでも白く

そして背が高い

ただでさえ狭いこの部室の天井さえも

もう届きそうである

「勝負はあなたの文芸即ち小説で良いでしょう」

「ちょっと待ってください」

「何ですか、他の部の人間は先ほど全て倒させていただきました」

「なに」

それは予想外である

わけあって、だったり、大体競うことに興味がなかったり

その競技自体に興味がなかったり

人嫌いだったり

何でここにいるのか分からない

迷ったまま出て行かない奴だったり

そんな人間達であるが

戦えば

全国クラスの連中ばかりだ

その連中を

「貴様何者だ」

私は手に持った

下書き用の鉛筆を奴に突きつけて思わず言った

しかし

奴はそれを軽くで手下にずらして

制すと

「ただの幽霊部員です」

私はその名前を聞いたときゾクリとした

(幽霊部員)

通称幽霊クラブ

他校ではその名称は、名前だけその部活に入ってはいるが

部活に出ない人間のことを指す

しかし

この学校ではその名前は別の意味を持つ

幽霊部員

それは

この学校で密かに成立している

恐ろしき組織体である

どんな部活であれ

その部活の助っ人になれば

その部活を

全国までも導くという

チート敵存在

しかし

あまりのその要求額が高いせいで

それを手にする部活は

百年に一度とも言われ

過去にそれを頼んだ人間は

三十年前に

とある大金持ちの息子が

甲子園に行ったらしいが詳細は不明であり

その歴史まで抹消されている

そんなまことしやかに噂されている

幽霊クラブであるが

そんな影の支配者ではないにしても

そんな組織側が何でもない部になにようがあって

まさか、この部を取りに・・

しかし

その幽霊部には規則があり

悪魔でも依頼で動くわけであり

その部が自分で動くことはない

と言うようなものである

となると

誰かが大金をはたいて・・・

そんなわけないか

そう思うが

目の前にはまるで顔色の悪い影法師のような美少年とも言えるのかどうかはしらないが

そんな人間がいる

現に、その他の寄生部が倒されている事実から

それが偽物であることは薄い

それほどの良く分からない雰囲気を奴からは感じた

「それで葡萄さんでしたっけ」

「ええ」

「ちなみにうちに校にあなたはいましたっけ・・どうも

物覚えが悪い方で

あなたを見たことは今までないのです」

「いえ、先週から」

「先週・・」

私は驚きを隠せない

はたして

一週間前後で

いきなり幽霊クラブという

まるで伝説上のようなクラブの活動を任せられるものだろうか

「いえ、あなたは今私を疑っているようだが

私は抜け員です」

その男はとんでもないことを言った

(抜け員)

世に言う抜け忍のような存在であり

そのつながりが強ければ強いほど

その愛情は

正反対の方向へと向かう

そして奴は

その口でしっかりとこう言った

「抜け員」と

つまり

こいつは不味いことになったという意味だ

「面白くないことになってきたな」

「うるさい長薯」

私はその胴長顔長の男に言う

「しかし、抜け員とは、実に古風な話だ

早めにおまえ首を洗っておいた方が良いかもしれんぞ」

もし奴に私が負けた場合

私というもとここの主に

何らかの危険が迫らないとも限らない

特に部活がその主権を変えるとき

一週間の期限がある

つまり

その一週間のうちに

あの悪評ばかり噂される

伝説のクラブ幽霊クラブがここにこないとも限らない

一時政府も御用達とか言うあのクラブである

たとえ噂であろうと

そんな噂が流れる時点で

何らかのことが起きるくらいの実力はあると思われ

そして今現在その人間がここにいるのだ

もはやその危険は実に危ない

どうすれば

そうかんがえていると

奴は口を開いた

まるでその青紫色の唇は

ちびまる子ちゃんの長沢君を連想させたが

その顔は美少年風であるのかも知れない

「どうでしょう、どこか出版社に現行を持ち込んで

そこで先に出版が決まった方が」

「なにを」

こいつなにを言っているのだろう

もしそんなことが可能であれば

私はとっくの昔に連載なりなんなりをしているはずであるが

今もこうしてクーラー一つ無い壊れかけのレディオならぬ

ラジオでもない

昭和風の扇風機を一つ回しているような場所である

模試となりの校長室の空気を

僅かに失敬しなければ

すぐさまここは地獄とかし

死亡者が出ることは目に見えている

そんな

そんな場所で未だにムクムクと

一人小説を書いているのである

そんなこと・・

「つまり自信がないと

不戦勝でも良いのですよ」

その言葉に

私ならず

周りのいろいろの少数クラブの連中が

息をのむのが分かる

よっぽどわたしの小説に期待がないと見ているのであろう

・・・言い返す言葉が何一つ無い

「それならどうです、ちょうどとなりに校長室がある

そのとなりの校長に、その小説を見せ合うというのは」

「無理だ」

「・・・」

「小説というのは好みがある」

「つまり人に評価されない・・いや、見せられないようなそんな話を」

「・・・・」

「・・・・それではどうでしょう、あなたが一人先生を選ぶ

幸いこのクラブには顧問が居ない自立型部活

これで、それ以外という話はなくなったが

つまり

一人先生を選んできそう

これでどうです」

私は奴の顔を見た

相変わらずなにを考えているのか分からない

そんな無表情

私は奴に言う

「教頭の河童で」


河童

本名

河童丘 通

その後十は過ぎるというおやじは

実に細身でありながら

その頭には

まるで河童のような

禿であり

禿なのである

そしてこの教頭と言うのが

なにを隠そう

実に実に

アンダーグラウンドなのである

そして私の小説というのが

いわゆる

ダーーークを引き立てるための

超お笑いなのである

即ち

感情を揺さぶるためには

モラルを殴り捨てた

本当にきちがいな小説なのである

それ故に

この部室でその小説を理解するものは居ず

また

理解されることなど殆ど所か一度でさえないのである

それゆえ私としては

その他の寄生部を半ば作っていたのであるが

今現実になったとき

私は一昨々日

教頭を隣町の古本屋で見かけたときまでさかのぼらなければならない

そのとき私は古い雑誌を読みあさっていた

「時蜩」

三十年前の推理小説と節句を載せている奇っ怪きわまりない雑誌なのであるが

そんなものを読んでいるとき

なかなか珍しく

この異様な者だけを集める

「奇々怪々書店」に

なにやら別の客が居るようで

奥の方で動く者を見つけた

ここは雑誌の方も気になるが

こんな寂れたおやじのやっている

道楽というよりか

嫌がらせに近いような

そんな本の中に埋もれたい人間に

私は興味を持った

途中まで読みかけの雑誌を近くの本棚に置き

目の悪い目を眼鏡越しにこらすと

そこにいたのは

真夏だというのに

厚いコートを着ている人間であった

どういう原理か知らないが

この奇々怪々書店は

冷房設備が見えないにも関わらず

その場所は霊気でもあるんじゃないかと言うほどに寒い

私はその居ことが分かっているので

いつものように

半袖に毛布を立ちながら被って

読んでいたのであるが

その人物は

茶色のコート

同じような帽子

上から下まで一色のコーディネートに加え

黒いサングラスに白いマスク

この本の中の異様な登場人物と言えなくもない風貌だ

私はその人間に気が付かれることの無いように

先ほどおいた本を再度本の中にいれ

別の雑誌を手に取った

私はそれでもその雑誌を半ば

本来の目的としてその異様な人物に目を光らせた

その人物が居る場所は

昔私も一度読んでいたところで

たしか、アンダーグラウンドとか言われるマンガがおかれていたように思う

それは

ねこぢるにはじまり駕籠慎太郎なんかもあったように思えるが

なぜか男が読んでいた本は

果たしてその本棚にあったのかはしらないが

ますむらひろしのアンダルシア姫だった

その作品は

ますむら作品の中では唯一

本当の意味でと私は思うが

完結された作品に思う

これは希であり

彼の中には

終わるという言葉がないように思えたが

私はその作品を読んで

おもわずなぜか泣いてしまいそうになった

初めてのマンガでもある

その悲しさというのは

果たしてその分類ではないような気がするが

そんなものを読んでいるが

私はそのとき違和感を覚えた

彼が読んでいるそのカバーが

どうも本より大きい気がするのだ

しかしそれが世に言う

偽造本であることはすぐに分かる

(偽造本)

中身が、周りから非常に軽蔑されやすい本を読むとき

そのカバーを入れ替えることに使う

中には高いほんとなかみを入れ替える輩もいるが

軽蔑すべき犯罪者たちである

しかし

私は気になる

この本屋の全てが全てとまでは行かないが

しかし

おおかたが有害以上の有害と書店である

この「奇々怪々書店」であるが

それほどまでして何をかくすのだろう

この場所にいる時点でもはや確定しているとでも言うべきもののはずである

まさかそれが気が付かないとも言えまい

しかしどうなのだ

私は気になる心をぐっと抑え

そのまま店主の「黒猫柳」の方へと寄る

本来ならこの犯罪者まがいの古書店の亭主になんぞ会いたくもないのであるが

しかし

気になるということは実に体に悪い

私は奴の前に行く

そして改めてこの社会不適応者を見た

それは黒猫のまるでチャイナ少年のようなでかい被り物をして

緑の腐りそうな座布団に正座している

「店長」

「・・なんだ珍しく買うのか」

私はその皮肉を後ろに流して改めて言う

「あいつどう思う」

目配せで後ろを指すが

このお面、果たしてどこから見えているのか実に疑問であるが

依然間違いを装ってお茶をぶっかけようとしているおばあさんの

攻撃を

見事にかわして十万円相当の本を買わせた履歴を私は目撃している

きっとどこかに見える穴があるのだろうが

あの事件のとき不可解なのは

おばあさんは前ではなく後ろからおそったのであるが

案外なかには

後ろも見える画面が設置されたハイテク使用なのか

どちらにしても私はその奇っ怪な人物を見ていう

しかし奴は見ているのかいないのか判断のしようがない被り物の頭所か体を微動にもせず

「さあ、普通のキャクじゃないのか」

ととんでもないことをいとも簡単にサラッと言った

「・・どっどこが」

「この店に名にもおかしなことはないだろ」

その主人は、さも普通に感情のみえない被り物の中からそんなことを言った

もしかしたらこの人物は外見をマネキンで

中からは小型マイクでどこからか喋っているのではないかと思うほど動かないことからそんなことを思う

「さあ、仕事のじゃまだ

用がそれだけなら本でも読んでたまには買え」

そう言ったまままた動かず正座している

いったいどこをどうはたらしているというのか

私は頼りにならない亭主を置いて

そのままもとのいちに移動するも

先ほどと同じものを読んでいるようだと

うしろから僅かに見える表紙で判断する

しかし

そのとき見たその中身は

少なくとも想像していたマンガ類ではなく

文字の書かれている書物であった

と言うことは

何を読んでいるのだろう

もし卑猥文書の類であるとするなれば

それそうおうの対処だと言えよう

しかし

大の大人が変装してまですることとは思えない

思えないが起こることもあるだろう

しかし

しかしなのだ

だからといって

それだけに頼る推理と言うには浅はかな理論ではあるまい

秘湯出たら重患が得る

ではなく

一つ考えたら

十考えろ

それは先輩の名言だと言われているが

しかし

直感こそが本の人間だと思っている私にしてみれば

それは居に反する考えであるも

他にやることは山あれど

今はこれがおもしろそうだと最重要に考えた私は

本を読まずに

極力読むフリをして

その男を見た

その男の格好は先ほど気が付いたものであったが

しかし

どうも何かおかしな気がする

はたしてそれがどこから来るのか分からない

分からないがその違和感は確実に私の何かに危険信号を発生させている気がした

しかし何がおかしいと思っているのだろう

私は少し近寄って観察を始めた

そこであることに気が付いたのだ

この男

と思っていた者の目は

どうやら女ではないかと思うのである

その男の表情は

抜けるような

いや病的なまでの白さであり

それとは対照的な髭が生えているにも関わらず

その目は女の目に思える

しかしどうしてそこまで

確かにこの場所は

木が基調とされていて

いつ虫食いのせいで陥没してもおかしくないような古さがあり

それほどまでに古くさく

まるで

魔王やモンスターが巣くって居そうな場所であり

もし保健所がいたずらで通報されれば

間違いなく戦力を総動員して

あの黒猫を駆除してしまうだろう

それほどのおどろしさがある

そんな中にアーマード装備のように変装することで

この中にはいることにしているというのでであれば

さもありなんだ

ありなんだが

何でそこまでするのだろう

はたして

ここで素直に聞いてしまえば

それもまたそれで良いのかもしれないが

しかしなのだ

そうしないというのもまた一興というもの

私という存在は

この一つの物で

何かしらのアイディアが浮かぶかもしれない

それなら少しぐらい考えてみる物もおもしろいのかもしれないが

果たしてどうなのだろう

男にまで変装する意味

そんな物があるのか

「ねえ、これどういうことでしょうか」

私は待たしても座ったまま背を伸ばしているようなそれに聞いた

「私は忙しいのですがね」

それは何もせずに

置物のように直立不動に背を伸ばして正座しているが

何が忙しいというのだろうか

「あの人女の人なのに何で髭をつけて変装しているのでしょうか」

「そう言う趣味では」

身も蓋もない返答が

すぐに帰ってくる

その差

0・23秒ほど

私は少しあきれながらも

男に聞く

「女性がそこまでしてここに来る意味って」

黒猫は黙ってこちらを見ているような気がするが

悪魔でも気でしかないのは

その被り物のせいで

分からないのだ

しかし言いたいことに気が付く

(女性はお前だろ・・それとも女性ではないと)

私は見たことのない素顔の黒猫を頭の隅から蹴り出して考える


女性


変装


偽造本


コート


いくら考えても分からない

そろそろ寒くなってきたせいで

指先の感覚が薄い

果たして半袖のこの黒猫は

ジーと座っているだけで

寒くないのか

それとも私は実は

妄想の中で

マネキンに話しているのだろうか

どちらにしても

私はしばらく考えている中で

一つのことが起こった

「あの、すいません、これください」

女性は、十冊くらいの同じ表紙の本をカウンターに載せる

しかし

そのとっちらかっている場所に

僅かしか載せる場所はなく

縦一列に

なかなかの異様な本の塔を

直立に建設した

しかしながら

同じと言っても同じの分類は

その作者の同じという意味であり

全てがシリーズ物である

そしてそれは先ほどの

アンダルシア姫

ではなく

黒蠧第黒夜と言う

全三十六巻に分かれた

地獄の話であり

別に六十三巻あるが

これは作者が手筆途中で謎の死を遂げ

同じくして家が火事になる

その全てが幻の未発表策となっている

結果

それまでに何とか編集者が

渡して貰った途中までの

三十六かんぶんを

まとめて出版したのが

黒蠧であり

その中で

主人公があび地獄地獄に堕ちている経過を記したのが

黒夜編であり

この辺りからますますこの本にようさがにじみ出るわけであり

しかし

良くこんな訳の分からない物を買うものだと

私は彼女を一種

仲間を見るような目で見ていたが

これでは行けないと

その彼女が出て行くであろう

僅かな時間

必死で

その正体を見抜こうとしたが

そのとき私は別に妙案を思いつく

といえども

先ほど少しぐらいその考えは浮かんでは僅かな風のように消えていたが

さいあく彼女の後を付ければ

何かしら分かるのではなかろうか

そんなことを今現実的に頭に思い浮かぶ

しかしである

私はそんなことを考えているが

彼女は値段を言われて

鞄から財布を出す

そこで気が付くのであるが

その彼女が出した財布という物が

実に女物とはかけ離れた

どちらかと言えば

男が使うような

茶色い革の製品であった

・・・どういう事だ

確かにそれは女物ではないように見えるし

男物だとしても女性が使っては行けないことはない

そなると・・・そのままなのか

私はそれをただ見ているしかない

「ありがとうございました」

黒猫はあいそうなく平然という

彼女は縛り

荷崩れしない本を紙袋の中に入れられた物を持つと

そのままくらい店内から出ていこうとする

「あれは果たして彼女の物だと思うか」

黒猫にしては珍しく関そうとも言える疑問を言う

私はその問いに対して

疑問をぶつけた

「夫のとか」

「旦那か」

「でもどうしてだと思う」

「分かってるのだろ 豌豆」

その黒猫はそう言った

しかし

私はそれに答えることなく彼女の後でも追おうとも思うが

黒猫の手元にあった

伝票を見てやめることにした

「・・・河童」

「っえ・・何て」

「いや教頭の奥さんだと」

「そうか、教頭の」

「知ってるのか」

「いやしらんが、そうなのだろ・・買わない客」

「うるさい」

「なんだと、出入り禁止にするぞ」

「それでどうだと思う」

私は、話の流れを変えるべく話を変える

「・・買いにくいから奥さんに、さらに奥さんもここにきたと誰かにばれるのが不味いから

変装を・・そんなとこか」

「そんなところですか」

結局私は

その日少し用事を済ませた後

その奇っ怪な図書店を後にしたのである


「それで何が言いたいんだよ豌豆」

「呼び捨てにするな長薯」

「君だってそうじゃないか・・しかし、その流れからだと

その買った本って言うのが

中身が入れ替えてあったとか」

「いやその後深夜まで調べたがなかった」

「どれだけ本があるんだよ」

「・・まあ同じくらいの大きさを調べただけだから

ざっと千冊くらいか」

「・・・・良く分かったな」

「まあ、その時代の本にしては珍しい大きさだったからな

それくらいの数で済んだ」

そんなとき長薯が疑問を言う

「しかし、そのラーメン姫だとか何かは

どうしてそんな偽造本みたいなことしたんだ」

「それが分からない

しかしもしかしたら」

「もしかしたら何なんだ」

「ねえ、偽造する時ってどう言うとき

たとえば変装するときとか」

「・・・何かばれたくないときとか

人に言いにくいような物」

「まあそんなところね」

「はあ・・ありがとうございます」

「しかしだよ、そうなると私が考えたのは

盗みだと」

「盗み」

長薯が少し声を上げる

「そうだ、しかし声を落とせ」

「しかしどうして」

「さあ」

「さあって」

「・・・しかしどうしませう」

「なんだよ、せう、って」

「だって勝てると思う」

「お前自分で言って置いて」

「だって、変な本屋に、いるくらいだからさ

私の書くものを好く可能性だってなきにしろあらずじゃないかと」

「何が、あらずだよ・・・これで、この部室負われたら僕はもう、しろ黒させられなくなっちゃうじゃないか」

「良いんじゃない、そんな不健康なことしなくて良くなる」

「ぜっん、ぜんよくない、良くない、よくない、よくない、ぜっん、ぜんぜん・・」

私はその恐怖にもにた彼を手で制して

「まあ神のみぞ知るって、ところで」

かくして私はこの無謀な挑戦に負けることになる


「先生」

僕は教頭先生の帰り際を狙って

先ほど部活で聴集したことを先生に聞く

「あなた万引きした物を奥さんに帰させましたね」

「・・」

その黒目がちの目がどこかうつろに何かをみる

それが何を見ているか分からないが

僕は続けた

「あなたは奥さんに何もかも縛られている

それは財布まで

その中であなたは」

「もういい」

教頭は怒鳴る

しかしその声は誰かに言っているようではなく

誰でもない誰か

もしかしたら自分自身に言っているのかもしれない

この時僕の勝負は終わったと言ってもいい

それはもちろん

完全なる勝機という意味でだ


「まっ・・負けた」

間の抜けた声

「まあ・・いわずんばってことか」

長薯がそう言って豌豆を慰めるというか追い詰めた

「それでは今日から

みなさんは幽霊部部員になっていただきます

もし反逆意思があるのでしたら

部活の受理が完了する一週間後から一ヶ月後に

私の元へ着てください・・まあむだだと・・・

それでは一週間後を楽しみにしています

あっ・・あと、この部屋の物は全て自宅へ持って行ってください

もしあったら

・・・後は知りませんよ」

そう言って葡萄は青白い顔をさせたまま帰って行く

私達部員は

そのときから幽霊部なる

どうでもいい

いつ潰れるかも知れない

蝋燭のような

幽霊のような部員になったのだった


その部活が始まった

一週間後

夏井休みという一大イベントと言われている時期も同時期に同じような動き当たり前のように近づいてきたが

この部室の連中は

別段夏休みだからと言って

騒ぐような心の元気な奴はいないらしく

毎日変わらずに腐っている

そう

今年もそうなると思っていた

今年こそ

今年こそ

それこそ怨念のように毎年この部室のこの場所で思うが

今年もけっきょくと

心のどこかでどこか安堵とも

諦めとも

悔しさにもにた複雑な心の元過ごしていたのだが

そんなときにまず起きた事件

部活解散だ

その名の通り解散させられ

その部活全ての人間は

別の部へと生まれ変わる

そのとき

反対したければ

いつでも一ヶ月以降なら

解散させる権利が与えられる

しかし

されどそれは一ヶ月後であり

今私達が直面している問題は

それもあるのであるが

それ以前に

この部を一週間で片づけろと言うのだ

もし普通の学校の備品を全て集めてこの部屋に全部を収納したような

そんな恐ろしいこのお部屋を

一週間

それは実に何かい極まりない問題であり

この複雑怪奇に絡まった

私物の魔窟をどうしろと言うのだ

それでさえ問題だというのに

この場所は

長年積み重なってできた

昭和初期に市役所のような

化石でも出てきそうな場所なのである

その歴史というかゴミを

自分一人の一存で決定して良いのか

そしてそれをおくばしょがない今の現時点で

そうなると必然的にその場所は自宅となるが

とてもゴミを置く気にれない

そんなことでまずいちにちめが過ぎ去る

二日目

このままでは歴史を全て壊されて跡形もなくされてしまう

そう思った部長同士が集まり

久方ぶりに

文芸部及び寄生部による

部長室会会議がもようされた

ちなみにこの部室は

初代が、帰宅部王から

貰ったという

由緒正しき部であり

その前は物置だったという

どうせならもっと良いところにと思うが

相当変わっていたらしい初代にそれをゆうのはおかしいのかも知れないし

だいたいぶ室があるだけましなのだ

それにしてもこの集まったメンツ

所々いたかどうか分からない者までいるが

仕方がない

私は開口一番

こうきりだした

「どうしましょう」

かくしてその会議は

普段では見ることもできない

白熱した論議になり

予想では今日もこんな感じで先延ばしになると思われたが

しかし

その予想に反して

たった一時間でその会議は打ち切りと実質なった

と言うのも

あいつ

葡萄が来たのであり

そして

みなさんがその優柔不断で

多くの者を失いかねないと思い

私は、あなた方に一つの提案をしに参りました

そう言ってその白い指を一本突きだして上を指すが

たぶんそれは一つと言う意味と、注目とか言う意味なのであり

少なくとも上を見ろと言うものでは

そう思ったが

どうやらその意味は第3の理由かも知れない

「断捨離部」


(断捨離部)

その名の通り

捨てる部であり

その起源は古く

元は、生徒会主催のボランティア部が

このかたちに右往左往ありかたちどったと言う

元もとゴミ拾い

社会福祉

募金集め

等々のもようしものの時

主権を握って行動にで

普段も同じような事をしていたという

有名なのが

「ドクターピエロ部」

(ドクターピエロ部)

とは

病院に行き

その場で遊びに行けない子供たちにピエロに扮して

パントマイム

お茶目な行動

マジック

ジャグリングなどの芸を披露するもので

元々はボランティア部の一環だった物が

枝分かれして一つの部になったのだ

それと同じように

断捨離部も

元は

道に落ちたものの清掃から

その関連で

ため込まれた

通称「アカズの第三体育倉庫」を、整備しろと頼まれ

そのことを切っ掛けに

この部が結成されたと言うが

世に言う

「第三体いいく倉庫」とは

元は防空壕がその地下に作られていたのであるが

時代とともに忘れられ

近年になり

その場所が欠落

始めこそその場所をさいこうじする予定であったが

いつの間にか

流に流れ

誰ともなく

使わなくなった備品を

その深い穴に投げ込むようになる

それがこの倉庫のことの始まりであり

この部は

何度と無くこの穴に挑んできたが

その都度彼らの前には

呪いかと言うほどの

災難疫病が降りかかり

ただでさえ困難なその清掃を

確たる物にしていた

そして戦うことはや二十数年

今年ついに最後のゴミを捨てることに成功したのは聞くに新しいが

しかし

その部はこの時一つの問題を抱えていた

長年による

壮絶な苦悩の戦い

幾度と無く乗り越えてきたそれに次こそは破れないようにと

度重なる練習の強化

そのせいで

彼らは病的なまでの潔癖性であり

絶えず綺麗にする物はないか

捨てる物はないかと

探し求めている

まさに生きる綺麗ゾンビなのであり

この部が襲われないのは

部活協定で

こと理無く他の部活に干渉することは禁じられているからであり

それはつまり

こちらが掃除拒否すれば

それは罰せられる対象となるのだ

もしやぶって掃除をすれば

その

そう

あの断捨離部に

この男は頼んだというのか

私の頬を鳥肌が逆立ち

冷や汗が流れ

目眩がするのを感じる

なんてこった

とんでもない鬼を呼んだものだ

・・・

そこで私は気が付かなかったが

あることに気が付いた

「ちょっとまったーー」

私がいきなりドンヨリムードのぶしつないで叫んだので皆何かとこちらをみるが

私は気にせず

自信をこれでもかと持って言う

奴に指を突き指して

「部活法第三状、五ノ項目

部活の勝負に負けた部は

一週間のうちに

その部を勝った者に受け渡す

ただしその一週間は

前部の物である」

その問いに対して

葡萄はがたがたとふるえ

許しをこうかと思われたが

平然と真っ白い顔を浮かべ

どちらかと言えば

私をどことなくあざけ笑っている気さえするが

至って無表情であり

一言

「一週間後に頼みましたので

それまでには・・・少なくとも救済処置はありませんので」

そう言ってでいったのである」

かくして

「鬼ぃー」

だとか

「人でなしぃー」

だとか言う声が挙がるも

結果的にそんな時間はないと

各自それぞれ

心を鬼にしても

断捨離を

開始せねばなら無かったのである

残り時間はあと7725分であった

私達は文化祭だろうが試合だろうが

これほど頑張ったことはこの度までなかっただろう

私達は基本

やりたくなったらやる

これを基準に行動している

その行動に反した押しつけに

私達の怒りは沸々ともえさかったが

上から聞こえる

「掃除させろー」

だとか

「汚いところはどこだー」

と言う

掃除ゾンビ達の声は

私達を勝手に行動させるのには

十二分だったと言っても良い


かくして土日返上の上

深夜にも及んだ

その戦いは

その予定日に

ついに完結となるが

その話は実に地味に苦しいので

また今度に語ることにしようかと思うが

(今度語る場合

殆どは語らないと同じ意味になることが多数の事例から見て取れる)

私はその日

朝日とともに

しんでしまうのではないかというかおを引きずるように

学校に向かった

その日の朝日は実にまぶしく

もし吸血鬼だろうが

九十九神だろうが

それ系のちがもしじぶんに混ざっているのであれば

何らかの少ない感情で

その気分も分かる気がした

そのくらい気持ち悪い気分である

まずにしても

部室の置物達の移動先

また

それを運ぶ移動手段

などなどなどなど

全くもって・・・・

私はようやく長い三・一キロほどの道のりを

決死のけついで到着すると

校門をくぐり

いやな顔を目撃することになる

それはつまり

あの男

葡萄であった

本名

脚長 葡萄

元々転勤族の言えに生まれるも

ここに来たときは

自分一人できたらしい

そこら編はリッチに思えなくもない

実に大変そうでもある

しかしだ

それとこれは全く別問題である

人とは自分のことになれば

余所のことなど気にしない

しょせんはそれほどのものだ

私は奴をにらみつけたが

それをあざけ笑うように

それは無表情にどこかさわやかさをあわせた

病的な白いかおでこう言った

「さて、今日から新たな部活の始まりですね、元部長豌豆」

「うるさい吸血鬼」

すると奴は顔色も変えず

「私としては実に光栄な呼び名ですが

私の名前は」

「知ってるよ」

私は半ばあきれながら

「葡萄だろ脚長葡萄」

「・・それをどこで」

「いや、あんたがこの学校に提出した欄に書いてあった」

「・・・そう言うのは普通見せられないものでは」

「・・・まあうちの部位はそうい人間が多い」

「どうせ、備品を隠す場所を探しているときに

偶然見つけたと言うところですか」

何で知ってるんだこいつ

私は冷や汗が伝う頬を拭いながら奴から目をそらす

「図星ですか・・どうでも良いですが・・部活来てくださいよ

時間は」

「五時だろ」

「ええ」

今朝久しぶりに私宛に誰から手紙が来た

そしてその宛名の欄に

葡萄のシールを見つけてげっそりした

さらに

その葡萄の実が

ドクロだったりするからかなりの悪趣味である

私はカッターナイフでも入ってないか

注意深く振った後で

軽く鉛筆で破くと

中身を取り出す

その中には紙が一枚

そして部活の時間がかかれている

後部の人間

何の因果か

十三人だったが

ここら辺の関係で

もしやつがこの部を乗っ取ったとしたら

実に悔やみきれない怨念である

しかしながら

実質この部の権利は

今日

本日この日をもって

少なくとも

この一ヶ月は

やつ

そう

葡萄の手に渡ってしまうのだ

私はこの怨念敵恨みを

どうしようかとも考えるが

結果的に

あの部にいた意味を考えたとき

果たしてどこら辺に怨念を呼ぶ

この気持ちがあるのかというなれば

そうなってくると

先輩方の気持ちが重要なのかも知れないと

そう思うのであった

しかしだ

問題はそこに私という物を含んだ気持ちがあったかと言えば

それは

代々という歴史にしがみついていたいという気持ちなのか

それとも

それ以前に

受け継ぐという気持ちを売ってしまうような結果になったことに由来するのか

私は悩みながらも

校門をくぐったのであるが

そこには奴の顔を発見したという訳である

「それではさようなら、時間は五時ですよ・・きっちりと」

「・・・」

私は、その幽霊のようにどこかに消えていく

元幽霊クラブ部員の葡萄を見ていた

・・そう言えばあいつ

私はそこで重要なことに気が付いた

奴は確か

抜け員だとか言っていた

それもただの抜け員ではない

あの有名な黒い噂の宝庫の

幽霊クラブである

今までわざと忘れていたのか

それとも

余りにそのときは問題が多かったために

忘れていたのか

それとも

どちらにしても忘れていたような気がするが

私はとりあえず

学校の中に入った

入ったがどっちにしろ問題解決とは至らないのである


時間は刻一刻と過ぎ去る

私はと言うと

どちらでもなく

ただその時間にあらがえず

その流れに河童の川流れ状態のまま

ずるずると

その流れに乗せられて

放課後までながされどうしたわけである


「それでどうなりますかね」

このせまい、ただなにもない部室に

まばらに幽霊部なる部室を立ち上げた

あの忌々しき男のせいで集まる人

そのとき私はやることもなく

なくなってしまった

ただなにもないこの教室を見ていた

そんなとき隣の長薯が言うのである

「それでどうなりますかね」と

全くこっちが聞きたいくらいであるが

しかしながら

その聞くすべは

奴が来るまで見通しがこないのである

まったく

本当にいやになってしまう

正直もうすぐ文集を書くことになっているのだ

それでさえ忙しいのに

ちかじか大きな小説の募集の締め切りがる

それに間に合わせるためにも

先ほどまでしていた

掃除洗濯片づけをしていたこの部室にいるわけにはいかず

早々と家に帰って

創作活動を開始しなければならない

それなのに

この一ヶ月は

私はここにいることになる

それが規定であり

私は今日学校にきていのいちばんに

退部届を出した

これにより一ヶ月後に退部は認められる

つまりここにいなくてもいいのだが

一応は見ておかなければなるまい

というのはあくまで建前でありすくなくとも

私は今ここにいるのは

先輩方にもしきかれた場合

何らかの回答をすることにして

それについてここで偵察と言うことにしているが

実際はネタ切れの小説の

ねた探しに違いはない

私は皆ががやがやと騒いでいる中で

同じくガヤガヤしているがそのうち扉が開きやつがはいってきた

「それではしょくん」

それはそう言うと

プリントを一人に渡した

「これにはすべての怪異による不思議を書いてある

良く読め」

それは命令をしてきた

私は食ってかかろうかとするも

「まあよせ」

と言う長薯の手と

そう言えば

少しおもしろそうだと思い直し

その紙を見る

どこにでもある

A4のプリントを数枚

ホチキスで止めてある

何枚かめくるも

大して変わりはない

私はいよいよそれを読もうとするが

どうも乗り気がしない

なぜかと考えたとき

その男がいっていた内容が

実に意味不明だったことだと気が付く

何だ、怪異の全てって

この場合は不思議なんかの

あの怪異だろうが

そんな物を本当に

この数枚にまとめられるというのか

「なお、余りに長いため

君たちに渡した十三個のプリント

全て呼んでいちとする

読み終わった物は回してくれ」

「・・・」

どうやらそう言うことらしい

そして私はプリントを見ると

かかれている

どうやら幸いなのか

いちばんはじめの奴が配られたらしい

しかし

こうもバラバラに配ったところを見ると

内容はつながっていないのかも知れない

私はさて読み始めるかと

一枚ページをめくると

そこには

黒死館殺人事件も顔負けの

難解な文章の羅列が積み重なり

私は数行読むのに

かなりの時間を費やす

それだけ難しい文章は

私のみならず

この部活の全員の脳内活動を停止さえ

中には保健室に運ばれた者もいる

そんななか

私はこれ以上の被害者を出さないためにも

「部長」と言う

部長

それは部の長であり

実質的な長である

つまりは・・おさである

「これを読む度に、部員が居なくなるようですが

大丈夫なのですか」

「・・・何がだ、これも怪異の一つだと言うことだ、気を付けたまえ」

「な・・どういうことですか」

「そのままだ、よく分からないことこそ、怪異の根本

分かってしまえば、それは怪異ではなく事実だ

まるで大人が夜のトイレに恐怖心を抱かないように

しかし

この文章は

少なくともこのに本ではお目にかからない分類の奇書でありまた

それに類する文章体を使ってある

いわゆる

「デルタ文章からのエニッチ文章の接続第三十六L分」だよ」

とよくわからない言葉を連発したが

ようは

意味が分からないと言うことを教えたということなのだろうか

「違うよ、元部長、これには意味があり

かの有名な、エニッチ文章を説くためによおいられた

現代奇書の大重要課程なほどの文章なんだ

それを僕が少し日本風に解読したわけだが

分かりやすくはないところがまた分かりやすすぎると思わないか」

「・・・それでこの部は何をやるんですか」

「・・それ聞いちゃう」

青白い顔が

何の表情も浮かべていないような顔で

そんなことを言う

「ええ」

私はできるだけ無表情で言う

「・・木島礼子・・君はこれを知っているかい」

それは有名所の怪談話をいった

(木島礼子)

その怪談は誰もが知っているというたぐいの物ではなく

主にここら辺の地域一帯が発信という

ローカル都市伝説の一種であり

その内容というのが

分からないと言うものなのであり

余りに怖すぎるために

誰も語らなくなったとか

知った物は全て死んでしまって

そのせいで名前しか伝わっていないとか

まあどちらにしても

つたわっていない怪談である

「ええ、ここら辺では有名ですから」

「そう、有名だ、だからこそおかしいとは思わないかい」

「何がです」

「世の中には、話の内容が伝わっていない怪談が多数ある

中でも有名所は牛の首、落語にもあって、たしか死人酒屋と言うらしい

、まあ後者の場合は

怖すぎてだれも語らなくなったと言うよりかは

つまらないために

むずかしい話が為に

若者が語らなかったせいで

消えてしまったという噂もあるが

結局のところは分からない」

「・・・でもそれとどういう関係が」

「何でここら一体だけではやってるんだろうね」

「・・え」

男の顔を見るが

至って無表であり

死人じゃないのかと

顔をつねってみたくなる

これでも死冷たかったら

保健所でも呼べばいいのであろうか

私の脳内で

ゾンビと化した葡萄を

市の職員が

防護マスクなんかを付けて

あいつに殺虫スプレーをかけている姿を思い浮かべる

「君何かかおがわらっているけど気持ち悪いよ」

隣でいつのまにか長薯が言って

そのままどこかに行ってしまう

「・・・まあ僕も長薯君の話には同感だ

・・それでは今日のところは部活を終了するか

ではお疲れさま」

それはそう言うと

謎の文章と

謎の言葉を残して帰宅しようとするので

私はそれを引き留めた

「それでその木島礼子の話は」

「ああ、ちなみに隣の学校にそんな噂がないことから

きっと、誰かが噂を流したのかも知れない・・ただおも白いことが他にもう一つある」

「なによ」

「・・それはまたあしたー」

奴はそう言って勝手にとを開けて逃げようとするので

私は襟首をつかんだ

「・・・何なのよここで言いなさい」

「・・・この牛の首と言うのには」

「ちょっと待って

意味は分かるけどいきなりすぎて」

「意味が分かるなら良い

それでその首の話には実は原作がある

と言うよりも

その原作があって

後から誰かがその話の題名だけを怪談に仕立てたと言うこと

しかしその噂にもいささかおかしなところがある

たとえば

その噂が発表されるというか

流れた時期が

その噂よりかなり前だということ

それと

その小説の牛という漢字と

怪談の漢字は文字が違う

そして何が一番言いたいかというと

こんな話はどおでも良くて

今君に話した木島礼子という怪談は

君たちが生まれるよりもずーとまえ

江戸時代までその文献を戻さなければ行けない」

「・・・・・」

「そのころ、ここら一体では、木島家が主君であったが

他の農民もみなせいがあたえられ

木島であった

これは、この弱小の土地を攻められたとき

皆が戦って貰おうという

そう言う意味が込められていた

そんなときに流れたのが

この

木島礼子

と言う言葉だそうで

そうなってくると

この

木島礼子

果たしてこれは名前なのか

はたまた名前なのか

どちらにしてもおかしな話ではないとは思わないかい

明治の始め頃に現れた「牛の首」

江戸時代からある「木島礼子」

どう考えても

こちらの方が古くからある

しかし

その噂が広まっている場所は

このせまい学校のみ

この地域の学校圏内の住民は

皆知らないと言う

こういうことから

これは案外最近になってから伝わっているのかも知れないと思うようになった・・・君はこれをどこで知った」

「・・・先輩から」

「・・・その内容は」

私は促されるがままに

伝えられている怪談を話し始めた

この怪談は

他に色々とバージョンがあり

しかしだいたい全て同じだと言っても過言ではない


「その昔

決戦があった場所に

皆で遠足に来ることになった

そのとき隣にいたA子ちゃんが

いきなり妙なことを言い出した

「私ここでいいものみつけたの」

それだけなら別におかしなことでわなかったが

彼女はその後

「喋る石を見つけたの」と言った

そのとき皆思い思いに

歩きながら喋っていたので

たいしてその言動に気が付く人間は

隣にいた女の子以外知らなかったが

しかし

問題はその後にある

「何て喋ったの」

隣のB子ちゃんがそう言うと

「・・・」

その子は見たことがないほど怖い顔をして彼女を見た

それで怖くてそのまま彼女は

聞くことはなかった

それから数日後

皆無事に遠足から帰ってきて

土日を跨いだ月曜日

そのクラスに一人だけ欠席者がでた

それが・・」

「A子ちゃんと」

「・・・」

私は話の途中で言葉を入れてきた

その男をジト目でにらむが

しかしどこ吹く風で

男は悪びれず黙った

「・・そうなんです

しかしそこで不思議なことに

彼女のお墓には

A子ちゃんと書かれず、木島礼子と書かれたんです」

「なんかひどくややこしいね」

いつのまにか長薯がそんなことを言ってまたどこかに行った

きっと今度は、鞄をもって部室から出ていったところを見ると

帰ってこないだろう茶々を入れに

「・・・・まあそんなところです・・確かに長薯の言ったとおり

偽名のA子ちゃんの本名が、木島礼子かも知れないと言う疑惑は残りますが

他の話では

太郎君だったり、しますから、たいして気にする点ではないのかも知れないですけど」

しかし奴はその言葉を指で制した

「おかしなことがそこにある」

「なんですか」

いきなりそう言われて私は思う

「どうしてそこまでばらけているのだろう

私の調べたところでは、その数は十や二十ではない

まるで生徒の数だけとは言わないが、部活の数だけあるようだ」

「・・・・よく調べましたね、ちなみに私の場合二十六がさいこうでした

後ここでもう一つ、三十まで知ると死ぬらしいです」

「それも聞いたが、これではまるで、何かを隠すように

別の都市伝説をくっつけていっているようではないと思わないか」

「でもそう言う物何じゃないですか、何か怪しい物には

怪しい噂が煙のようにもくもくと」

「・・・・まあ、そう言う部だ」

「いやどういう部なんですかいきなり」

「・・・まあそう言うことだ、アディオス」

それはそう言って部室から出ていこうとしていた

部室はとっくに日が暮れて

夕日が部室を照らしている

いつのまにかその部室は私を最後に

あとは

今部室を出ようとしている

あの男いがい誰もいない


二日目

私はやることもなく部活のあるであろう部室にいた

そしてまさしくやることもない部員達が

上の断捨離部のように

やることもなくうろついていた

結局あの日断捨離部は

あの葡萄の手によって

自分で頼んだというのに

保安部により強制退場を強いられていた

実にあくどい

ここでリーチを

あの生徒会委員部に密告しても良いが

裏で暗躍しているという

幽霊クラブのもと部員だったこの男を前に

私はその行為を

先延ばしにしたわけであるが

「それで昨日はどうだったよ」

長薯がそんなことを隣のどこからか来ている断捨離部部長の彫塑壁 銅鑼

に言っている

「ああ、実に大変だった

あの白熱したバトルてんかい

私としてもあれは実に美味であった」

「ちなみに、彫塑壁は女である」

「何言ってるんだ、元部長殿」

「何であんたがここにいるの」

私が一人で喋っていると

隣にいつのまにか

顔色の悪い人間

葡萄がいた

「いや、一人で喋っている女性を労ろうと」

「だったら元部長とかいわんでほしいのだが」

「まあ無理なことはさておき」

「無理ですかそこ」

「昨日の続きですが、それでは続いて、コンパクトブンパクについて・・・」

かくして二日目の部活が始まったのであった

その日も良く分からない講座の後

私は一人一人で考え事をしていた

果たして

果たして私はこのままここにいるべきなのであろうか

と言うか何でここにいるのか

周りを見れば

過去の寄生部活がすべている

そして

一人のこらず

流されやすい性格が幸いしてか

ここに流れている

私はと言えば

その環境に

実に実に居ずらさを感じ得ない

この環境は

まえと殆ど変わらないではないか

と言うことは

私の居た場所は

こいつらにとっては

どこでも変わらないと言うことか

まあ、世の中たいして変わらないと言うのであれば

それもまたしかりであるが

どうしてこんなことになってしまうんだ

私はそう思った

奴がきてからと言うもの

皆からろくな評判を得ない

(あれはどんな部なんだ)

とか

(それで葡萄君って彼女居るのかな)

とか

(私もはいることできるのかなかな)

とか

(彼の住んでいるマンション、実は誰も知らないらしいよ)

とかとか

どうして今まで私がしていたころは

誰も興味を示さないこの部活が

あいつになったとたんこれほどにも注目を集めるのか

これは一体どういうことか

文芸部の神様に

質問をしたい

しかしだ

奴はどうして五時という時間を選ぶのか

五時となると

実質もどうもこうもああもないのだが

六時に閉門するので

どうやっても

一時間以内の部活になる

そこまで少ない時間にする意味はいかに

ちなみに、なのだが

その五時からの部活以前ならここは私物を置かないことを規定に

居ても良いことになっている

そしてこれはつい先日所か今日

奴ら女子が聞いてきたことの一つに

「あのなのですが、更衣室を一週間お借りしたい」

と言う内容のことが言われた

しかし私としてははったりばったりしっとりと意味がどこまでも不明であるが故に

それについていかなる答えの正しくはもっていなかったがために

「・・人違いでは」

と言ったが

言ってしまったのだが

「あれ、あの場所昼間更衣室として

一週間千円でかすって」

つまりそれがどういうことかいきさつを知るにはさほど時間はかからなかった

と言うのも

言った彼女が聞いた彼女の話に寄れば

あの部室のとのまえにでかでかと綺麗な習字で

「更衣室が壊れてお困りのみなさま

一週間千円で貸します(夕方五時よりはしよう不可)幽霊部部長葡萄

なお、詳しくは、三年一組廊下から三列、前から五番目二十六番 

豌豆奏まで」

私のばん号まで書かれていた

しかもどこかの住所のようないちまで

私はため息混じりに

その彼女の千円を取ることを少し考えさせてくれと

急いで葡萄のいる

教室を探そうとしたが

果たしてあいつがどの組の何年かを知らないことに今更ながらにきがつき

散々さがしているときに

チャイムが鳴って急いで走るも遅刻扱いにされた恨みがある

本当に恨みしかない私は

結局皆のように

ただ木の床しかない場所で

各の持ち込み部活用品で色々としているしか無く

私の場合はいわずんばのあれであり

隣で長薯が、剣道部の部長と(長髪の女で、こいつの妹である)

と、今日の夕食をかけたオセロ五番勝負している

そのとなりでは

一人演劇部

人出が、一人本を読んでいる

そのとなりでは

特別式特撮研究クラブの面々が

イヤホンを付けて

なにやらいかがわしい物を見ていたりする

こんな部活を見ていると

果たしてこの場所は一体前とどこが違うのだろうと思い

はなはだ

私という存在は

実はたいして人間に影響を及ぼさないのではないかと思えてくる

このことにおいて

落ち込むかどうかと言うなれば

落ち込むが

まあそれを含んでもこの環境は実にすがすがしいか

または

居心地のいいものであり

ある物語で

キノコの胞子が飛ぶ

キノコの森の住人は

そのキノコにより

やがてネンキン化するという恐怖を抱えながらも

他の土地に行くと

その胞子がないため

息苦しくなり結局戻ってきてしまうという

そう言うことが

ここでもいささか関連性が出てくると思わずには居られないが

どちらにしても時間は四時を回ろうとしていた

そして隣のバトルは半ば長薯の負けが込んできているようであり

妹の馬鈴薯もその追い詰めはじつに厳しい物があり

剣道部に行かずにここで何をやっているのかとつっもみたいのであるが

ここら辺では(白黒の馬鈴薯)と呼ばれるほど

裏表のある奇っ怪な剣裁きで有名らしく

長薯が自分のことのように自慢していた

そんな妹相手にしているリバーシブルのよこでは

いつのまにか

全国はさみ将棋王者

我慢惰 登志郎がいた

殆ど顔を見せなかった彼であるが

最近部活にある

年代物の「フ」を取りにてんてこ舞いであり

実に良き見る顔に最近なっていたが

どこがどうなったのか

積将棋クイーンこと

長沢 花蓮嬢と花札をしていた

この花札は

ただしきれば

たしか

さすらいの転校生

青猫と言う謎の転校生が

我が部に二日間入部したときに

おいていったものであり

結局誰の所有物か決まっていないまま

なぜか私がもっていなくて

それをあの人がもっていたという感じなのだろう

どちらにしてももおり上がりは恐ろしく

明日の夕食までかけているくらいであり

果たして夕飯を召し上がりに行くほどの中なのかと

少しこの進展に驚きを隠せないが

あの花札の名前が「恋するお多福娘」

と言う

何ともいかがわしい感じのする感じが

どうもあの花札風であるが

至ってその名前以外は

かの「殿様」をしのぐとも劣らない高級品である

私はそのよこで

お昼寝部

なる

至極まっとうな道からはずれた

通称

(逃亡部)のすがたを見ていた

彼らは投稿日程をぎりぎりまで調整して

ギリギリ学校に行っているが

さらに

さらになのだ

あらゆる手を使って

授業を抜け出すことに

誠意を尽くす恐るべき軍団である

その軍団はと言うと

昼間の疲れを癒すかのごとく

僅かな日差し(夕日)に照らされながら

傷を負った兵士のように

その持参したプラスチック偽畳をひいておのおのに寝ていた

ちなみにこの畳は

一枚一万円もする

ほぼ普通の畳と変わらない値段がする代物であるが

しかし

その性能は折り紙付きであり

仕舞えば身長の半分以下

手裏剣を投げられれば全てを防ぎ

さらには

畳と同じ感触を味わえるのに

プラスチックせいだという

恐ろしさ

さらに言うのであれば

この畳の入手先は現在をもって不明であり

プラスチック偽畳探索愛好会部

と言う

愛好会なのか

クラブなのか分からない

非公式クラブがあり

現在をもって

それがクラブかどうか

不定期に議論する

プラスチック偽畳愛好会部哲学部

なる

これまた非公開すぎて

本当にあるのか無いのか分からない噂の部があり

さらにその噂の真相を暴こうとする

隣のおばちゃん情報局部

と言う

なかば、幽霊クラブ並の

情報力を有する

由緒正しきクラブもあり

これだけ見ると

実にその脈々と回る輪は

輪廻のようにどこまでも続いていきそうであり

実に興味深かったりもしなくもないのであるが

どちらにしてももう少しで五時になる

そして我が部の生い立ちというのが

そんなことを考えていると

五時少し前に

あの葡萄が扉を開けて中にはいると

扉をしてめこう言った

「それではプリントを配ります」と

果たして今日も今日とて良く分からない文章におぼれ

もう少しで本の海に溺死させられようかと言うとき

いつもはもうこんな時間かと

にくたらしいほど嫌みたらしく言うアナウンス部の声が

天使とも思える響きを得る声に聞こえた

私はそれを聞くといの一番に鞄をもって

その髪を鞄に押し込み

「それではお疲れさま」と言うよりも早く

奴は一言

「では今日より野外授業を開始する」

「なんですかそれ」

私の隣で本とにらめあいっこしていた

長沢さんがそう言う

「書いてあるますよほら」

そう言うのは

いつのまにか起きて身支度を始めている

通称(逃亡部)の面々であり

彼らはこの数式としか思えない文字の列から何を読みとったというのか

「ほらここの色

この文章は

色ではなく

文字を読もうとするから失敗するのだ」

彼らはそう言うと

鞄をもって外にでようとした

もちろん

その背中には

入学して

入部した物のみが

持つことを許される

プラスチック偽畳が

身長の半分以下の大きさになり

背中に張られている

一人はひもで

一人はマジックテープであるが

もう一人は不明である

まず無いとは思いたいが

もしかしたらじかに張ってあるのか

どちらにしても彼らは立ったまま何をするわけでもなく

幽霊クラブ部長

葡萄と同じように立っていた

「・・・なに、帰らないの」

「・・・いや実は彼と鬼ごっこをして負けたので

・・・まあそれで・・・それに少しながらおもしろそうだと」

いつも全てがめんどくさいと

どこか悟った何かを感じさえ得ない

物達が

そんなことを言っている・・って

さっき気になることを言っていた

山の中で

マタギと共に二、三日山でこもって

熊を狩ることが入部の最重要課題の

あの

あの昼寝部の面々が

そのことについておもしろいと

私はろくなことにならないとそのとき確信していた

と言うのも

授業に意味を見いだせない癖して

学年ではその成績は

測定不能とまでいわしめるその学力

果たして彼らは何をしたいのかと聞かれれば

きっと私では答えられない感性なのは容易に想像が付くのであった

どちらにしてもそれは

普通ではないと言うことは容易に想像は付く

そして散々色々言っては来たが

結局人間なんて言う物は

たいして他人との壁というか

差はないものでもある

と言うことはどういうことなのかと言葉を置き換えたとき

私は半ばイヤだと思う反面

一体夜中にどこに行くのだろうと

勝手に幽霊クラブという名前からの推察で

夜中の活動を想像するも

今の私は正直なところ

もし三年前の私ならいわずんばなのであるが

今の私は少々で無精であり

だいたい小説を書かなくてはならない

時間を削って苦労することも

もはや終わった

後は心をいかに落ち着かせて

そのバネで平常心を得ながら

異常きてれつな青春物を書き上げなければなるまい

どちらにしても色々言っても行くけれど

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