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破天荒な旅の始まり
満月の夜に出逢ったきみ。
----無表情の下に見えた怯えた表情と噛みしめた唇に、笑わせたいと思った。この世界はこんなにも面白いんだって、見せてあげたくなったんだ。
----怖いはずなのに、なぜか不思議とその手を掴んだ。だって、そんな風に楽しそうに笑うんだもの。
なにもかもが違うのに、惹かれていくのはなにもかもが違うから。
----死んだって構わねえさ、お前を捕まえられるなら。
----どうしようもないくらい、惹かれてしまったんですよ。
破天荒な風が吹く----。