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ハル・クロフォードの場合  作者: まひる
吸血鬼
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「…全く…ダメだな~、俺。…弱い…、弱すぎる…。これでBランクハンターとか、笑える。…目の前で人質を盾にされて狼狽(うろた)えて…、これだから単独行動(ソロ)しか出来ないんだって。仲間(パーティー)に信頼も置けないから邪魔でしかなくて、荷物としか感じないんだもんな。」


 ブツブツと独り言を呟くハル。


単独行動(ソロ)なら…、単独行動(ソロ)なりの戦い方があるってのっ。」


 (うつむ)いて呟いていたのだが、ガバッと顔を上げる。そうかと思うと、いつの間に手にしていたのか、体力回復薬(リカバー)Lを一息(ひといき)に飲んだ。


 攻撃のタイミングを狙っていたミノタウロスはそれを阻止する事が出来ず、結果的にハルの手の中で光の粒子となって消えていく体力回復薬(リカバー)Lの入れ物を見送るだけとなったのである。


「三分の二…ってところかな。」


 グリグリと左肩を回しながら、ハルはミノタウロスを見据えた。


 その左腕は先程のダメージを全く残していない。


「ジェフ、サポートしろ!」


 何処ともなく叫び、ハルは左腰の(さや)からレイピアを引き抜いた。


 そしてミノタウロス目掛け突進。ミノタウロスはそれを見計らい腕を振り上げるが、そのタイミングで一羽の鷲が邪魔するように頭へ舞い降りる。


 突然の事にミノタウロスは攻撃対象を見失い、その意識が()れた瞬間を狙ってハルがエスパダ・ロペラで腹部を貫いた。


 エスパダ・ロペラの特殊効果、麻痺が発動する。雷に打たれたかのようにビリビリと電気を放ちながら崩れ落ちるミノタウロス。


 それを最後まで見届ける前、既にハルはラングスイル目掛けて突進していた。


 真っ直ぐ走っていたハルは突然右側の壁へ進路を変える。ラングスイルが視線をハルに向けた瞬間、再びジェフはその頭へ舞い降りた。


 注意が鷲に向けられた一瞬の内に、ハルが壁を蹴り返してラングスイルの頸椎(けいつい)目掛けレイピアを突き刺す。


 ただエディーを盾に取っているだけのラングスイルは、自身の回避が遅れたのだ。


 グッと力を込め、ハルがその切っ先を限界まで突き刺す。骨を断つ音が酷く軽く響いた。


 崩れ落ちるラングスイル。力を失ったその腕からエディーを奪取し、ハルは少年と共に水路脇の砂利に着地する。


 そしてエディーをその場に残し、再びミノタウロスに飛び掛かった。まだ麻痺して動けない様子のミノタウロスの頸部(けいぶ)に、迷いなくレイピアを突き刺す。


 一際(ひときわ)大きく痙攣(けいれん)した身体だが、徐々にその力を失っていった。


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