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「もう、何でも良いわよ。」
遂にクラウディアが開き直ったようである。
プイッと顔を背け、横たえられている三名の女性達の傍へ歩み寄った。
「それで?どうやって彼女達を連れて帰るのよ。またハルの魔法?」
「そうだよ。フラトンさんはこの件では使えないし、クラウディアとヘイリー姉さんじゃ運べないでしょ。それに、彼女達を無事王都へ連れ帰る事までが仕事遂行条件だからね。って事で、…風翼。」
当たり前の様に、ハルは救出した女性達に飛行魔法を掛ける。
彼女達は未だに意識がないままだが、発見時よりは心なしか顔色が良い様に見えた。
「バカハル、私がか弱い様な言い方しないでくれる?私だって男なんだからねっ。」
「あ~…、それはそうでしょうけど。ハッキリ言いましょうか?160センチの身長で、しかもその細腕。何処に女性を抱き上げて王都まで歩く腕力と体力があるって言うんです?」
ムッと言い返してくるジミーだったが、ハルはそれに対して事実だけを突き付ける。
身長も体格も、女性であるクラウディアと男性であるジミーとで変わらないのだ。
「王都までは歩くと半日掛かりますよ?ここまで移動してきたんだから、知ってはいると思いますけど。」
「…本当にムカつく。」
言い返しようのない事実に、ジミーは隠しもせず不機嫌を態度に表す。
「俺、嘘も誇張も言ってません。」
ハルは淡々と告げた。
馬車でもあれば違うだろうが、ハル以外の移動手段は自らの足しかない。
「ハル。まさか、皆で飛んでいくとか言わないわよね?」
空中浮遊の恐怖を知っているクラウディアは、再度同じ目に遭うのかと戦々恐々としてるようだ。
「いや…、さすがに7名はキツいな。意識のないモノとあるモノとじゃ、必要な魔力が違うからね。やった事はないけど3名か4名か…でも、途中で落とす訳にもいかないしなぁ。」
腕組みをしながら考え込むハル。
「あ、試さなくて良いわよ?そんな実験台にはなりたくないもの。」
「そう?残念だな。俺も自分の魔力の限界を知らないからね。」
慌てて否定するクラウディアだったが、ハルはニッコリと微笑み返すだけ。
何気に魔力値が高い事を告げながら、である。
「自分の能力値を把握していないなど、笑止。」
ジャスティンがハルの言葉尻を取って鼻で笑った。
「女性の裸体に耐性がない人に言われたくはないですけど。もう一回鼻血噴いときます?」
笑顔を浮かべたままのハルは、布巻にしている女性の一人をジャスティンの目の前に突き出す。
「うっ…っ?!」
それだけでジャスティンは鼻を押さえた。
既に中身を知っている為、実態が見えなくとも刺激が強いらしい。それまでずっと、分かりやすい程に視線を反らしていた事が仇となったのだ。




