表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハル・クロフォードの場合  作者: まひる
昆虫人
66/322

66

「大丈夫なんじゃない?彼女達、貴族の間で流行っている香水をつけているもの。私も何度か、プレゼントにってお願いされた物だから覚えてるの。」


 何故かジミーが自信ありげに答える。


 貴族の間で流行っている香水を彼が詳しいのは、彼いわく女性達からせがまれるからのようだ。


「良く分かるわね、ジミー。って言うか、あなたがねだるんじゃなくて?」


「ちょっと、どういう意味?私は男なの。何で私が香水を欲しがらなきゃならないの。」


 素直に思った事を口に出すクラウディアは、ジミーを男性と分かってはいる筈なのだが。


 それに対し、すぐに目くじらを立てるジミー。


「からかわれているって分かっていても、ヘイリー姉さんは噛み付かずにはいられないんですよねぇ?」


 ハルはクスクスと、楽しそうに笑うだけだった。


「何故、皆はヘイリー殿にそのような言い方をするんだ。」


「あ~…、フラトンさんには分からない世界もあるんですよ。っと、それより俺はこれから女王を討伐してきます。フラトンさんはクラウディアとここに残って、彼女達の護衛をお願いしますね。」


 怪訝な表情を見せるジャスティンを軽く(かわ)し、ハルはにっこりと最終討伐を告げる。


「その言い方なら、私と行く事になるのね。」


「そうです。パーティーは解散しないですから、フラトンさんにもクラウディアにも経験が付与されます。問題ないですよね?」


 ジミーの問いに答えつつも、ハルはパーティーメンバーを見回した。


 不満そうなのはクラウディアくらいだが、(さら)われていた女性が三名戻ってきている。意識のない女性をこのまま…何もしないだろうが、男性だけの前に放置は出来ない。()してや、衣類を身に(まと)っていないのなら尚更。


 そこまで考えた上、クラウディアは文句を呑み込んだのだろう。


「んじゃ、ヘイリー姉さん。行きましょうか。あ、念の為に…風壁(シールド)。ここに防御魔法をかけておきます。」


 背を向けようとして、思い出したように防御魔法を唱えた。


 恐らくジミーの出した物だろう。いつの間にか簡素な敷物が敷いてあるので、その上に三人の女性を横たわらせた。


「私は仕方なく行ってあげるだけだからね。」


「それで良いですよ。このまま女王を単体で残しておく訳にもいきませんし、奥までまだ確認していませんから戦闘員が残っているかもしれませんからね。」


 ジミーは顔を(そむ)けるが、それを見てでも楽しそうな笑みを見せたハル。


 討伐が楽しくて仕方がないといった、いつものハルの表情だった。


 ここでクラウディア、ジャスティンとは別行動となる。


 (うら)めしそうなクラウディアの視線を感じながらも、ハルとジミーの二人はインセクトレイドの巣穴に再び向かっていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ