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「まぁ、まぁ…。人それぞれ意見はあるだろうけど、今はそれより優先事項がありますから。ところでさっきから、商団とは別に周囲を動く気配があるんですけど?」
ハルは渦中の中心が自分である事を棚にあげ、皆の意識を依頼に戻させた。
「インセクトレイドが来たか。と言うか、何故お前はそれが分かる。手引きでもしているのか。」
ジャスティンが敵意のこもった言葉と視線をハルに向ける。
「…捜索魔法ですよ。」
溜め息をつきたくなるのを我慢しつつ、ハルは笑顔を向けた。
「その取り繕った笑みは気味が悪い。俺にその顔を見せるな。」
「ちょっと、ジャスティン?さっきから刺々しいわよっ。」
あまりのジャスティンの対応に、見かねたクラウディアが口を挟む。
「どうでも良いよ、クラウディア。それよりターゲットが移動を始めた。追うよ。」
だが、ハルはジャスティンの反応をどうでも良いと表した。
実際、ハル自身を見ていない人物の評価はどうでも良いものである。ハルは腰をあげ、クラウディアを含めた他の三人に声を掛けた。
一番先に外に出たハルは、襲われた商団をチラリと見る。
音を聞いていた事もあり、大した反抗をしていなかった事は分かっていた。酷く暴れない限り、インセクトレイドは危害を加えないと言う噂からでもあるだろう。
「これも一つの防衛か。」
本心は納得出来ないハルだが、戦う手段を持たない人々が少なくないと頭では分かっていた。
続いて他の三人がテントから出てくる。
「愚鈍な愚民共め。大人しくやられおって。」
商団を見て、吐き捨てるようにジャスティンが呟いた。
心底、貴族以外が嫌いなようである。抵抗もせずに大切な品を奪われた状態も、その嫌悪感に拍車を掛けていた。
「ここの結界は解除しました。これからは自身の能力を使ってターゲットを尾行してください。あ、くれぐれもこちらから攻撃を加えたりしないでくださいね。あくまでも、目的は巣の発見です。」
淡々と告げるハル。
これだけ個性のあるパーティーを取りまとめるのは大変である。年若い事も反感を買う理由だ。
「ハル。四人で行動すると目立つから、ここは二人一組になった方が効率が良いと思うよ。私はフラトンさんと行動するね。アンタはクラウディアを見なさい。」
最後にテントから出てきたジミーが提案する。
「分かりました、ヘイリーさん。でもこのパーティーのリーダーは俺なので。」
「…っ、悪かったね。だったら、言われる前に言いなさいよ。」
表情なくハルに返され、ジミーは少し圧倒されながらも言い返してきた。
彼なりにハルに気を使ったのであろう。
「ですよね。では、ヘイリー姉さんにはフラトンさんをお願いします。無茶をしないようにちゃんとお守りしてくださいね。」
ニコッといつもの笑みを浮かべ、ハルはジャスティンをジミーに託す。
元よりハルは、ジャスティンと二人きりなどストレス以外の何物でもないと思っていたので大賛成だった。




