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ハル・クロフォードの場合  作者: まひる
夢魔
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11

「ハルには魅了など必要ないな。」


「何ですか、それ。まるで、俺がタラシみたいな言われ方じゃないですか。」


 アンディの言葉に、不本意そうに唇を(とが)らすハル。


「違うのか?10や20の年の差をものともせず、誰彼(だれかれ)構わず女性を(とりこ)にしていると(ちまた)の噂だぞ。エリン、ハルはやめておけ。いくら男運がないとは言え、コイツは一人のモノにはならんぞ。」


 散々な言われようであるハルだったが、エリンの方も()()無くアンディに(けな)されている。


 ただアンディは(けな)すつもりは全くなく、事実を告げただけなのだ。それが分かっているから、誰も彼を悪く言えないのである。


「とりあえず俺は、女性を食い物にしてないからね?本当だよ?ただ皆がとても親切で良くしてくれるだけで…。」


「何の見返りもなく、人は人に親切にはしないものだ。」


 ハルの自分を擁護(ようご)する言葉は、誰にも正しく伝わらない。


 事実はアンディの言う通りなのだ。


「む~っ。」


 ()ねてみせるハルだったが、年上のエリンにはそれすらも魅力的に映る。


 ハルは幼い頃に母親をなくしているからか、自分を甘えさせてくれる人物に対する本能的な判断は目敏(めざと)かった。


「まぁ、俺としてはどのような理由でも構わない。ただ、ギルド内でトラブルを起こさないでくれればそれで良い。」


「ぅわ~、マスター主体の考えだ!でも俺、今まで一度もトラブルを起こしてないもんね~。」


 淡々と告げたアンディに対して呆れたような、でもにこやかに訴えるハル。


「それは俺も不思議に思っている。だが、好ましい。」


「へへっ。俺に惚れないでくださいよ~?」


「問題ない。ところでエリン、いつまで固まっているつもりだ。」


 ハルの言葉遊びに付き合っていたアンディだが、不意にエリンへ視線を向ける。


「えっ?!…あ、その…。」


 エリンはハルの一挙一動を食い入るように見つめていた為、思わぬところでアンディに声をかけられ、慌てふためきワタワタと手を振り回してしまう。


「うきゃ!?」


「はい、危ないからね?」


 突然ハルにその手首を掴まれ、エリンは悲鳴に似た声をあげてしまった。


 でもそれはエリンが(いま)だに持っていた夢魔(むま)灰刺(かいし)が原因で、危うくカウンターの上に置いていたハルの手に当たるところだったのである。


「故意ではないにしろ…不注意だぞ、エリン。」


「す、すみません。」


 静かにハルの手に夢魔(むま)灰刺(かいし)を取り上げられ、アンディからは注意をうけてしまった。


 エリンは申し訳なさそうに肩を(すく)め、項垂れつつ謝罪する。


「良いよ、ハートリーさん。これからは気を付けてね?」


 それに対し、ハルはにっこりと微笑んで許すのだった。


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