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ハル・クロフォードの場合  作者: まひる
隠れ里
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■□■


 翌朝、ハルは朝食後の盆を下げにきたダンに連れられ、初めてトイレとは反対側の廊下を歩く。


 既に支えられずとも真っ直ぐ歩けるし、これくらいの闇の中でも視界に問題は全くなかった。


「外、…(まぶ)しいかも。」


 ダンから、少しだけ緊張が伝わってくる。


 それを不思議に思いながらも、ハルは閉ざされた扉を見つめて頷いた。


 キイッ…、と扉が開かれる。


 (あふ)れんばかりの緑と共に入ってきた光に、ハルは(わず)かに目を細めたものの、閉じる事はなかった。それより、視界に映ったものが信じられなくて…徐々に瞳が開かれていく。


 扉を開けている男…ダンは、ハルに背を向けていた。


 だが風に(ゆる)やかに(なび)く髪は腰まで届く程長く、そしてハルと同じく黒。肩まである毛皮のようなフサフサした服も黒く、そこから見える肌は褐色(かっしょく)で、身長はハルよりも10センチ程高い。


 そして振り向いた瞳は…、綺麗な金色だった。


「ダ…ン?」


 この時ハルは初めて男の名を呼んだのだが、その瞬間フワリと細められた瞳に既視感を感じる。


 この男を知っている、とハルは頭ではなく、心で感じたのだ。


「うん。」


 表情は浮かばないものの、何故だか嬉しそうに見えるのが不思議で。


 ハルは己の感覚に違和感を感じ、眉根を寄せる。幻覚でも見せられているのか、と(いぶか)しくも思った。


「…ここ、何処だ?…パクストンの森?」


 とりあえず、混乱の(もと)である目の前の男は置いておいて、現在地を確認する。


 見たところ周囲には木々しかなく、空は抜けるように青かった。


「教えては、ダメなんだって。」


 またしても、聞き(づて)の言葉。


「何で?…俺がハンターだから?」


 心臓が妙な動きをしているのを感じながら、ハルはその金色の瞳を真っ直ぐ見つめる。


 けれど、その問いに対しての返答はなかった。


 代わりに、周囲に突然多くの気配が(あらわ)れる。


「…どういう、事…?」


 今度はダンが動揺していた。


 周囲に視線を(めぐ)らし、特定の目標を探しているようにも見える。


「何で…、どうして?」


 問い掛ける相手を見つけたのか、ダンは(つたな)い質問を繰り返した。


 そしてその視線の先から出てきた、ダンと同じような容姿の老人。こちらは白色に少し茶色が()じった髪と、それと同色の毛皮っぽい服を(まと)っている。


 合わせて次から次へと出てくる、髪と同色の服を(まと)った者達。老若男女いるが、何故か全て成人以上…幼い子供だけがいなかった。


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