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第ニ章 『出撃』 第7話 『実践』

主人公 大園(おおぞの) ひかり

天界の使者 アテナ=フォース=メルキオーネ

魔界の使者 エリィ

訓練初日


 エリィが体を診断をして問題無いと伝えて来たのでそれを聞いてアテナが気合を入れるように右手の握りこぶしを左手で受け止めながら威嚇するように言ってきた。

 それを聞いたひかりは初日に受けた強烈な一撃の事がフラッシュバックされ少し弱気に返事を返す


「お手柔らかにお願いします…」


 相手の弱気な返答を聞いた少女のペンダントを指差して先日に交わした約束事を問いかけてきた。


「まずは自分の機体に付ける名前は決めてきた?」


 来るであろうと待ち構えていた質問が飛んできたので、読んだらすぐに眠くなる辞典と睨めっこしながら二日間かけて考察した名前を伝える。


「うん、ウェンディにしようかと思うんだ」


 ひかりの口から出た名称は、よくある妖精のような名前だった。


「また可愛らしい名前ねえ」


 ありがちな名前を聞いて素直に感想を漏らす。


「知っている人の名前はダメだと言われたから、何となくだけど(ウインド)を彷彿させる妖精さんにあるような名前から考えて付けてみたんだけどね」


 アテナは右腕を肩まで上げて手のひらを上にして、まあいいわとでも言わんばかりの仕草で納得する様な仕草を見せ、


「それじゃあその名前で登録するわよ」


 管理者である少女がもう一人の機体に登録名称を声で命令した。


「機体ナンバーF-021 登録名をウェンディに変更」


『-機体名称の変更実施…完了、以後名称による呼び出し・命令が可能となります。』


 そこでアテナは何か胸元に忍ばせてあった500円硬貨大の薄い板を取り出す右手でひかりに手渡す


「一気に設定する事があるけど音声制御で登録するのは面倒くさいからコントロールカードを用意したわ、これをペンダントにかざして」


 指示されたに行動に素直に応じ差し出された謎の物体を自分のペンダントへと(かざ)す。

 するとICカードを読み取る自動改札のように電子音が何度か鳴り響き続ける、暫く待つと登録が終わったのか結果を伝えてくる。

 

『-128項目の各種制御システム設定、機関を解放します。』


 全ての準備が完了したのか次のステップに進もうとする。


「よし、事前準備は完了ね、次は機体の装着方法から、基本は音声コントロールだから自分の声で呼び出すのよ、先日教えた通りに呼び出して」


「う、うん…わかった」


 最終段階まで来たので緊張した面持ちになり、ひかりの表情が決意したように自身の機体を呼び出すよう大声で叫ぶ。


「ウェンディ、AWシステム起動!!」


『-システム起動、プロテクションアーマーを展開します。』


 初めて戦った時のように空中から鎧が現れ瞬時にひかりのアーマーを形作りはじめる。

 装着速度は前回機体を呼び出した時より明らかに高速だ。

 機体が準備出来た所で二日間勉強した内容を復習するような形で再度説明してきた。


「おさらいね、機体の操作に関しては音声命令でも動くけど基本は脳波感知で自動制御にしてあるから頭で考えた行動をウェンディが感知して各部系統を自動制御するからね。」


「ただ、初期段階では操縦者の脳波パターンを全く学習してないからとにかく反応が鈍くなるのでとにかく体を動かして学習させるのが一番ね」

「次におたがいの通信方法は直接会話ね、脳波会話はまだ無理だろうから直接話しましょう」


 アテナが言ったこの地球では存在しない珍しい技術にひかりが食いついて質問をする。


「脳波会話ってマンガとかアニメとかでよくある声を使わない会話みたいなのが使えるの?」


「そんな感じかしらね?頭で考えて話す機能だけど訓練されてない貴方にはまだ無理よ」


 平然とした顔で質問について答えるが、その言葉に興味津々でひかりは好奇心旺盛な表情でやってみたいという期待した瞳をアテナに向ける。キラキラ輝く瞳が変なプレッシャーを掛けてきた。

 まあ試してみれば解るかと考えて相手に妥協する。

 

「そんなにやってみたいなら、一回試しにやってみる?」


 目を輝かせ是非にとも言わんばかりに大声で返事をする。


「やってみたい!!」


 アテナが両方の機体に命令をする。


「アイリス、ウィンディ脳波会話を有効にして」


『-了解しました。』


 アイリスとひかりの機体が同時に返事を返しペンダントが薄く光る。

 アテナまずは、実践のように喋りかけるようにして頭で会話を始めてきた。


「さあ、やってみなさい」


 今まで体験したこともない近未来的な機能を体験して少女から驚きの声が出る。


「おおーー、すごいーーー!」

「続けて」


 最初の通信はうまく言ったが更に会話を続けるように促す。


「えーと…何を聞こうかなー」


 頭のなかで色々考えて機体の操縦のことでも聞こうかと順調に言っているように思えた。

 だが不意に変な言葉が漏れだす。


「アイスクリームが食べたいなあ」


 今日の帰りに買って食べようと思っていた自身の本音が漏れて焦って会話を切り替えようとする。


「あれ、あれそうじゃなくて!!えーっと機体の操縦についてだけど、ソフトクリームもいいなあ」


 話を切り替えようとしたが次々と自分のアイスクリームに対する欲求が強く反映されて変な声が混ざっり泥沼にはまっていく。

 その様子を見てアテナはほくそ笑んでいた。


「ちがう!ソフトクリームの話じゃなくて!! 機体の操縦についてやっぱりモンブランアイスが食べたい!」


 アテナが少しだけ呆れた顔をして呟く


「どんだけアイスクリーム好きなのよ…」


 会話が成立しないと思ったのかそこで機能を遮断するように命令する。


「脳波会話オフにして」


『-脳波会話終了しました。』


 今までの事項が何となく予想できたかのように詳細を解説して相手を納得させる言葉を続けた。


「脳って周囲の環境や視覚から入る情報を常に処理してるから会話をしようと思っても深層で色々な事項を思考してるから精神が統一されるように訓練された人じゃないと使えないのよ」

「だから現時点では、音声による会話が必要って事よ、お解り?」


 ひかりは顔を真赤にして手を前に組みモジモジしながら恥ずかしそうに小声で答える


「はぃ…解りました」


 恥辱に耐えるような少女の姿を見て、笑いそうになるのを少し我慢するように口元を引き締め平静を装いながら今日の目標について語りだす。


「会話に関しては追々鍛えるからとりあえず機体の動作に慣れないとね」


 事前準備を行うために自身のAIに対して命令を開始する。


「アイリス、移動訓練用フラッグを立てて」


『-了解しました。』


 地下室の至る所に光で投影され番号がついたポールのような物体が映し出される。

 01~20番まで様々な位置で配置されている。


「まずは、このフラッグを1番から順番に最後まで通過していって」


 用意された課題に俄然やる気を見せて自身の機体に呼びかける。


「解った!ウェンディ行くよ!」


『-動作パターン学習開始、何時でもどうぞ』


 ひかりが機体を操作して目標見向かって走りだす。

 1番を通過し2番を抜け3番ポールへと体を切り返そうとした所で不意にバランスが崩れた。

 、

「お、おっ、ちょっ」


 バランスを取り戻そうと変な声を出しながらズテーンという擬音が似合うように見事に転ぶ。

 その様子を見て疑問が浮かび各部機能が動作するかをウェンディに対して確認するため問いかける


「あの子の機体、オートバランサー効いてるのよね?」


『-問題なく動作しております。』


 アテナは右手で顔を抑え落胆の表情を見せながら、よくこんなので自分に勝てたなと内心思いつつもひかりの機体操縦について厳しく指導をして一日が更けた。


 訓練二日目

 昨日に引き続き機体操縦訓練


「今日は、ポールの位置がランダムに変化するわ、更に制限時間を決めて特訓するわよ」


 機体を動かし初めて少し慣れて来たかという所で動作効率を上げるために新条件を決めてきた。

 突如として出された厳しい訓練内容に愚痴っぽい言葉が漏れてしまう。

 

「訓練初めてまだ2日目だよー?」


 しかし、反論は受け付けられない様子で理詰めで追い込んでくる。


「特訓の時間も限られてるして敵は待ってくれないのよ、のんびりやってたら何時まで経っても戦力にならないわ!」


 そう言って前日よりも厳しい特訓が始まる。

 ひかりの機体操縦に対しアテナは容赦なく問題点を大声で指摘してくる。


「機体の切り返しが遅い! 次の位置を予測して体動かす! ほらほら、よろめいてるバランスうまく取って! 残り時間10秒間に合わないわよ!」


 厳しい指導が続く中、そのまま特訓は夕方遅くまで続いた。


 訓練三日目


 今日は戦闘訓練である。

 アテナが下準備のため戦闘訓練用に床に沢山の可動オブジェクトを設置して下準備を始める。


「アイリス、対戦闘シミュレーションシステム動作」


『-了解、稼働オブジェクトを投影、各部実際の戦闘時のデータを利用してコントロールします。』


 目の前に沢山の敵と思われる物体が投影される。


「まず武器を抜いて現れた敵を倒しなさい、昨日の可動式オブジェクトと同じで動き回るからね」

「制限時間は1分、はじめっ!」


 昨日より更に指定時間が短くなり即スタートさせられる。


「やああぁぁーーー!!」


 ひかりは大声を上げ気合を入れて剣を振り敵を切り刻もうとする。

 だが敵はまるで火を付けたネズミ花火のように縦横無尽に動き回り振り下ろされた攻撃をかわす。 昨日練習した可動オブジェクトよりも更に動きが早くなっているのが解る。

 何度か攻撃をするが予想外の動きに体で付いて行くのがやっとだ。

 1体目に攻撃を当てたのは5回目の剣撃だった。

  

「遅い!!もっと早く!! 相手の動きを予測して次の攻撃を繰り出しなさい!!」


 前日よりも難しい訓練なのにアテナが行う指示は更に要求が高くなっている。

 容赦無い指導が飛び交いひかりはそれに答えようと体を動かすが追いつかなく何度もやり直しをさせられ一日が更ける。


 訓練四日目

 今日は午前中授業で、午後から飛行訓練の予定だったが、全員が地下に降りた所で突如として携帯電話の呼び出し音のような音が鳴り響き渡る。

 音声を発生したのはひかりのペンダントで、アイリスが現在の状況を皆にアナウンスする。


『-警告 監視塔にて遠方より接近する飛行物体を探知、機影からドール輸送機だと推測されます』


 迫り来る敵の存在を聞きアテナは残念な表情で語る。


「とうとう来たわね、飛行訓練までやる時間がなかったわ」


 全員の方を振り向き今からの目標についてまず語りだす。


「現地での戦闘と防衛が最優先、ひかりの飛行訓練は実践かねて現地でやるわよ」


「は、はいっ」


「エリィ、いくわよ」


 呼ばれた娘はコクリと頷き右手から自身のトレードマークでもある杖を取り出し装備を準備する。


「…我が姿を魔界の闘士として示しその身を包め」


 初めて見るその姿は魔界製なのか二人とは全く違う装着方式だ。

 地面に魔法陣のようなものが描かれ、九つの紋章から装備と思われる部品が現れる。

 次に全身が白いレオタードのような衣装に包まれ足元から脛当、股下、胴、腕と順番に装備が装着されていく。

 最後に魔術師のような帽子をかぶり背中に4枚の光る羽が現れ、姿は近未来的だが魔法使いを彷彿させるような装備をつくり上げる。

 アテナとひかりも同様に自身の甲冑を装着する。


「こっちも準備しないとね、アイリスAWシステム起動」


『-起動、展開します』


「ウェンディ、AWシステム起動!」


『了解、システム起動します』


 全員が自身の装備を身に纏い、出撃の準備は整った。


「直ぐ横に緊急出撃用の通路があるからそこから出撃するわよ」


 自動扉のように側面の壁が開き皆がそこへ走って向かう、内部は斜め一直線に繋がる通路が存在して上へと伸びている、入り込むと共に閉じられていたシャッターが次々と開き空が顔を見せる。


「よし、いくわよ!」


 アテナとエリィは空に浮かび上がり目的地に出発しようとしが不意に呼び止める声が聞こえた。


「ちょ、ちょっと待って!!」


 手を伸ばし何かを訴えかけようとする少女を見て突然何事だという表情をする。


「えーと、どうやって飛ぶの…?」


 愛想笑いとも申し訳無さような表情とも取れるような顔を見せ質問してくる少女に拍子抜けさせられ先ほどの真剣な顔から呆れたような表情に変わりそして少し怒り気味で答えた。


「解らない事があったらウェンディに聞いときなさいといったでしょ!」


 少しだけ怒ったような言葉を聞き思い出したかのように自分の機体へと質問する。


「ウェンディ、飛びたいんだけどどうすればいい?」


『-飛行モードですね、どのように致しますか?』


「とりあえず、アテナ達の後ろに付いて行くような形で飛んで!」


 すると背中のユニットから戦闘機が離陸直前のような甲高いエンジン音に似た音を出熱気が溢れる

 と同時にひかりの機体が少しずつ空へと浮き上がる。


「それじゃあ今度こそ行くわよ!」


 二人が先行する形で飛行を開始するが物凄い初速で飛び出していく。

 それを追いかけるようにひかりの機体も同様に飛び出すが体にかかる重力加速が半端じゃない。

 Gが体全体にかかり頭がクラクラとして意識が飛びそうになる。

 アイリスがウェンディからの警告をリレーして状態を伝えようと報告する。


『-警告、パイロットの意識レベル低下、自動飛行モードに移行します。』


 いつもの調子で加速して飛び出したが後方から付いてくる人物がいる事をすっかり忘れていた。

 重力加速軽減緩衝薬(グラビティキャンセラー)を投薬しても体が慣れるまでには時間が掛かる。

  意識が朦朧(もうろう)とする中で、ヘルメットに内蔵されたスピーカーから呼びかける声がする


「ひかりっ?ひかり!大丈夫!?」


 呼びかけの声に反応して意識が戻ってくる、皆が空に浮かびながら目の前で呼びかけていた

 ハッと意識を取り戻した目の前の光景を見てすぐに思い出し率直な言葉を漏らした。


「びっくりしたー、すごい勢いで飛んで行くんだもん」


 アテナは舌をちろっと出し悪戯っぽく表情を見せながら自分の行動を謝った。


「ごめん、急ぐことに夢中であなたの事を忘れてたわ、速度を落として進んでいくからしっかりね」


「うん、わかった」


 全員が約3分ほど飛行するととある山脈の一角に到着した。

 そこは採石場にも似た切り立った岩肌に砂利が敷き詰められている。

 広さは学校のグラウンドを二回り程広くしたような面積で周りは樹木で覆われている。

 そこの一角だけが人工的に作られたようにも見える場所だった。

 前方を先行していた二人のうちアテナが着地に入り地上へと降下を始め広場の中心辺りに着地した

 対するエリィはそのまま空高く上昇を始めかなりの高度で止まった。

 そして、もう一人は同じく地上近くまでは来たが着地がよく解らず3メートルほど宙に浮いたままフラフラと空を漂う。


「わったたっ、これっどうやって着地するの!?」


 空中操作に不慣れな少女を見かねたアテナがひかりの機体へと命令する。


「ウェンディ、オートランディング」


『-オートランディング了解、適正な地形へ着地を実行します。』


 するとひかりの機体が地上に落下して着地寸前に風に乗って上昇するような紙飛行機のように少し浮き上がりゆっくりと地面に着地する。

 現在の操作について軽く説明を始めた。


「着地が難しい時はオートパイロット使うといいけど自力での着地に比べて降下が遅いから狙われやすくなるの、だからなるべく自力で操作出来る様になることね」


 説明を聞きながら頷く。


「さーて、あとは敵さんが到着するのを待つだけよ。」


 敵の接近を待ちながら、不意にアテナの機体と自分の機体を見比べると彼女の機体は何というか全体のバランスと各部のデザインが洗練されていて見た目にも美しくとても格好がいい、比べてこちらの機体は無骨な感じがしてあまり見た目にもスマートではなく対比について素直な感想を呟く。


「あの時はじっくり見る機会がなかったけど…アテナの機体かっこいいね」


 賛辞の言葉を聞き右手を腰に当てて胸を張り誇らしげに自分の鎧についての説明をする。


「そりゃあ、私の機体はカスタム機でデザインも自分で考えたものだからね」


 対するもう一つの機体に指をさして解説を続けた。


「ひかりの機体は量産機そのままで最低限のデザインで考えられた姿だからあんまり格好よくないよの」


『-報告、レーダーに敵を探知、機影から輸送型攻撃機40機、陸戦型40機を搭載しているものと思われます』


「前回より多いわわね」


 アイリスからの報告を聞き以前より増えた敵の数に対して素直な感想を漏らす。

 敵の状況についてある程度事前に説明は受けていたが復唱するような形でもう一度説明する。


「陸戦型ドールは右腕に遠距離攻撃のエネルギー兵器を搭載してるわ、左腕は接近攻撃用ね」

「エネルギー兵器は体に多少当たってもアーマーのシールドである程度は防げるわ」

「だけど防御に使えるエネルギーも無限じゃないから出来るだけ避けて攻撃すること」

「武器も一応防御に使えるけど、面積は大きくないから過信しないように」

「機体の状況はウェンディからアナウンスされるからそれを目安にして頂戴」


 一気に説明が続きまずは自分自身がカバーするような形で戦闘陣形を取るように説明


「まずは、初戦だからひかりは私の後方位置から追尾するような形で移動して」

「攻撃を漏らした別の機体を援護の形で攻撃ね?」


「わかった」


 不意にエリィが会話に割り込んできた。


「…敵が陸戦型を切り離した、先に先行する」


 空に浮かんでいたエリィが物凄い速度で飛び出し、空を飛行している輸送機との戦闘が始まる。

どうやら輸送機と言っても攻撃能力もあるようで近づいてきた相手を識別し激しい攻撃が開始される

 エリィが華麗に敵の攻撃を避けながら杖から放つビームのような攻撃で次々と敵を撃墜する。


「そろそろこちらも来るわよ」


 警告の声とともに目の前からホバークラフトのように少し宙に浮いた状態で陸戦型接近してくる。

 初めて見たその姿は全長が3メートル程度、頭と胴体が一体化した体を持ち肩から腕まで蛇腹のような腕が伸びている、両足は大型な体を浮かせるためか腕よりも更に二回りほど巨大だ

 だが徒歩移動は得意そうではなさそうだ。

 アテナが剣を構え戦闘体制に入る。

 その様子を見ながらひかりも自身が装備していた剣を抜き準備するが何かを思い出し命令を行う。


「ウェンディ、ウェポンモードをブレードモードに変更」


『-了解。武器をブレードモードへと移行します。』


 その声とともにひかりが持っていた剣が黄金色に輝き始める。

 ひかりの体が少し震え体が高揚する。


『-心拍、血圧上昇。通常時より高いレベルで推移しています問題ありませんか?』


「大丈夫、武者震いだよ!!」


「いくわよ!付いてきなさい」


 まずは、アテナが巨大な盾を構え敵に対して先行する。 

 敵からの集中砲火が二人に浴びせられるが彼女が使用している盾は防御範囲が広く後ろには殆ど攻撃が飛んでこない。右手の剣を器用に使い敵を1体、2体と次々と切断して倒していく。

 左側に敵が集中しているのに注意を取られアテナがそちらを倒しに向かう。


 そこで右側に1体だけ離れた敵が突っ込んできた。

 ひかりはドールから放たれる遠距離攻撃を左右に向かって大きく交しながら右斜め正面の懐に飛び込み両手で剣を振り下ろす。

 勢いをつけた剣が振り下ろされ敵が真っ二つに切れたと思った。

 だがドールが腕で剣を掴み攻撃を止め相手を切り裂く前に止められてしまう。


「えっ!?」


 ひかりが戸惑う、アテナがドールをほぼ一撃で切断してるのと対称に自分の攻撃では切断できない、切断(ブレード)モードなのに何故?

 一瞬の隙を突いて目の前のドールが巨大な腕をボディーブローのように下から突き上げひかりの胴体に強力な一撃を直撃させる。

 攻撃がクリーンヒットして機体が宙に舞い上がり約20メートルほど後方に受け身も取れずに吹き飛ばされてその場に倒れこむ。


「ひかりっ!?」


 アテナの叫び呼ぶ声が一体に響き渡る。

直接的表現が多すぎて気づいたら原稿用紙17枚分

思ったより難産でした…


次回予告 第二章『出撃』第8話 『逃亡』です。

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