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シュールナンセンス掌編集

冬のかき氷

作者: 藍上央理
掲載日:2014/08/10

「冬のかき氷」



 寒い日だ。

 布団にくるまろう。

 フワフワの羽毛の掛け布団にくるまって、人間オムレットになろう。

 そういや、ハムレットとはなんだ? このあいだ、友人が言っていた。

 ハムをはさんだオムレツの名前だっけ?

 何もしゃれを言うつもりなんかない。

 私はいつだってまじめなのだ。

 うつつに夢とたわごとの積み木を重ねていく。

 かき氷を愛している。

 その横にちんまりと正座するあずきも。

 べつに二股をかけているのではない。

 たまたまいっしょくたに押しかけてきたのだ。

 いやいや、今は真冬で、私は布団の中だ。

 そして、そのうえにかけてある宇治シロップの正直さ。

 私は舌を巻く。いや、なめる? 舌なめずりするだったね。

 羽毛布団の蒸し暑さを跳ね飛ばした。

 暑い!


 いやいや、冬だった。

 私の夢うつつはやけにリアルだ。

 寝てしまえ!

 羽毛布団のページをめくって、童話を読んであげよう。三匹のくまの話はどうだ?

 赤ずきんが出てきたっけか? いや、ずうずうしい小娘が不法侵入する話だったね。

 眠気に正気がKOだ。

 いやいや、1ラウンドのゴングが鳴り、ハイレグの女性がリングを巡る。

 そうだった。かき氷だった。食べる?

 雲をシロップに空に浮かべれば……いや、それではあずきはどこにおくつもりなんだ。

 冗談はもうやめろ!

 寒い。

 思い出した。

 私はもう眠らなくてはならなかったんだ。

 こういうときには宇治金時のことを考えよう。

 布団にくるまって、羽毛布団が柵を飛び越えていく。

 鮮やかな黄緑の牧場。


 一匹、二匹、三匹、四匹……

 そういえば、金時って金太郎のことだったね? 

 あずきではなくて、金太郎が私の愛するかき氷に正座する。

 かき氷のうえに、氷の女王が宇治シロップといつわって眠っているではないか!

 その顔にかき氷をぶちまけろ!

 おや? 我慢しているけれど、まぶたが引くついてるぜ。

 眠れない。

 寒い日だ。

 夜になると手足が冷えて、ドウドウがわたしをついばむ。

 それも集団でやってきて、絶滅の復讐を私にするのだ。

そんなことがないように、2ラウンドKOしろ。

 それともしてくれ、と頼むべきか?


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