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腐食のグーラ

 グーラは爪を尖らせた。この弱った人間を殺せば、今回の失態は不問になる。何て優しい条件なのだろうと、彼女は内心喜んでいた。そして爪をジャックに向けると、そのまま彼に向かって、一直線に走った。

「ゴーレム」

 ジャックの前にゴーレムが壁になった。そしてグーラと激突した。

「喰らええええええ」

 グーラはゴーレムの右腕に強烈な蹴りを喰らわせた。

「ぐむううう」

 ゴーレムの右腕にひびが入り、僅かに欠けた。そして彼は反撃とばかりに、左腕でグーラを薙ぎ払おうとしたが、すぐに避けられて、今度は足払いを掛けられて転んだ。


「変だわ。あんたの神獣を攻撃しているというのに、何故あんたは無傷なのよ」

「ゴーレムはちょっと変わっててな。オラとは肉体の一部を共有してないんだど」

 神獣は、人間と契約する際、契約者である人間と肉体の一部を共有する。そのため、神獣が傷付くと、契約者本人の肉体もダメージを負うのだ。しかしこのゴーレムにはそれが無かった。

「うおおおお」

 ゴーレムは立ち上がると、両手を組んで、それを足元のグーラ目掛けて振り下ろした。

 グーラはヒョイッと軽々避けると、ゴーレムはそのまま地面を破壊した。周りの土が舞い上がり、地面に穴が開いた。


「図体が大きいせいで、全然当たらないわよ」

 グーラはゴーレムの顔を、その強靭な足で蹴り、粉々に砕いた。頭部を失ったゴーレムはそのまま、地面に膝を突いて、積木が崩れるように、地面の上を転がるただの石ころになっていた。

「これでお前を守る壁も消えた」

 グーラはジャックの元へと走ると、右足を大きく上げて、強烈な蹴りを彼にお見舞いしようとした。

「ゴーレム」

 ジャックが叫ぶと、地面から岩が積み重なってできた壁が出現した。そして彼を守るようにグーラの前に立つと、彼女の蹴りを受け止めた。


「え、嘘・・・・?」

 グーラは後ろに跳んで、ゴーレムの成り損ねとも言える岩の壁から距離をとった。彼女が驚いたのは、ソレの頑丈さであった。先程はいともたやすく砕けた岩が、硬度を増しているのだ。

「驚いているようだな。オラのゴーレムは、その地形の岩によって造られているだ。つまり、そこの岩が頑丈であればあるほど、ゴーレムも硬くなっていく。どうやらここの岩はかなり頑丈なようだど」

 グーラはゴーレムの構成している岩を見た。そしてその中の一つに、黒い色の宝石のような物を発見して驚愕した。


 ジャックは気付いていないようだったが、ゴーレムの体の中に、先程の騎士が体に着けていた黒炎玉の一つが紛れ込んでいたのだ。どうやらゴーレムを再び召喚する際に、一緒に取り込んでしまったらしい。そしてそれは壁の真ん中で、きらりと光っている。グーラの顔が血の気を失っていた。

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