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心優しきゴーレム

 ジャックはガロの後を付いて行った。そして彼が立ち止まると同じように歩みを止めた。

「力が欲しいなら、あそこへ行け」

 ガロは砂漠を抜けた先にある草原を指した。そこには石造りの大きな神殿があった。

「あんたの家か?」

「悪いが違うな。あんな家には住めない。あそこにはゴーレムという神獣がいる。神獣と言うのは神様みたいなもんだ。あそこで試練を受けて、その神獣に認められれば、神獣と契約し、それ以降は好きな時に召喚できるようになる。契約者になるんだ。あそこにいるゴーレムの・・・・」

「強いのか?」

「強いかどうかはお前次第だ。それにゴーレムは力が弱くても、お前を護ってくれる最高のパートナーとなるだろう」


 ガロは水筒をジャックに手渡すと、そのまま砂漠の中に消えて行った。

「まるで蜃気楼みたいな男だど・・・・」

 ジャックは踵を返して、砂漠の出口にある神殿に向かった。


 神殿の中は涼しかった。ひんやりとしていて、さっきまでの熱砂地獄は何処へ行ったのか、とても快適な場所だった。

「ゴーレムいるか・・・・?」

 ジャックは大声で叫んだ。神殿内に彼の声だけが響いていた。そして奥に進んで行くと、ようやくそれらしき、岩で造られた玉座と、頭を抱えて震えている人型の岩がいた。

「おい」

 ジャックは手で岩を軽く叩いた。

「ひっ・・・・」

 人型の岩は突然立ち上がると、拳を振り回しながら壁を叩いた。

「うああああ。来ないでくれえええええ」

 無我夢中で壁を叩き壊していた。その姿を見てジャックは驚き、腰を抜かした。


「待ってくれ。俺はお前の友達だ」

 咄嗟に出た言葉が功を奏した。暴れていたゴーレムは友達という言葉に反応して暴れるのを辞めた。

「友達・・・・?」

「あ、おお友達だ」

「そうか。ふふふ、友達か・・・・」

 ゴーレムは嬉しそうに小躍りすると、小声で話し始めた。

「僕に友達と言ってくれたのは君が初めてだ。他の神獣は僕を馬鹿にするし、人間は寄り付きもしない」

 ゴーレムは寂しそうに土いじりしていた。ジャックは三角座りの姿勢で落ち込んでいるゴーレムに駆け寄った。


「な、なあオラと契約してくれないか?」

「契約・・・・」

 ゴーレムは立ち上がると玉座に座った。

「契約には試練が必要なんだろ。さっさと始めてくれ」

「試練は僕と友達になることだから、もう終わってるよ。さあ行こうか」

「ってことは?」

「ああ、契約成立だ」

 ゴーレムはニッコリと微笑んだ。ちなみに顔と言っても、岩に穴が開いているだけなので、笑っているかどうかも良く分からないのだが。

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