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女騎士は美少年を愛してる  作者: よっちゃん
三大国戦争編
36/121

時空を歪める力

 マロ達は階段を上り、転生の塔の半分、折り返し地点にまで来ていた。そしてその三人を嘲笑うかのように次の刺客が待ち受けていた。

「待っていたわ・・・・」

 メルシーは、白い布のような物を羽織っただけの、男性からしたら、とても刺激的な姿をしていた。しかしそれ以上に、彼女の額に付いている、二つの目玉がそれらの感情を全てかき消すほどに、不気味な姿をしていた。


「ここは僕が行くよ」

 マロはソルガとファムよりも前に出た。そしてウンディーネを召喚すると、メルシーと対峙した。彼女の能力は分からないが、考えている暇はない。マロは杖を掲げると彼女に向けた。

「ふふ・・・・」

 メルシーは静かに笑った。彼女の脳内にバレンタインの声が響いた。

「メルシーよ。奴の始末は任せたぞ。落ち着いて奴の攻撃を見切るのだ」

「はい・・・・」


 マロは床を蹴って、メルシーに向かって走った。そしてウンディーネの背後に立つと、魔法を詠唱した。

「ダイヤモンドミスト」

 白く冷たい空気から巨大な氷柱が形成される。そしてメルシーの周りを囲むように氷柱の先が彼女に向けられていた。マロが合図すれば、彼女を囲んでいる無数の氷柱は、一斉に彼女の柔らかそうな肉を串刺しにするのだろう。

 かつてのマロではここまでの氷柱を一気に出すことはできなかった。魔力が少なかったからだ。この短期間で彼が如何に成長したのか、ファムは不思議でならなかった。


「この氷の槍は、中々にヘビーね。しかし問題はない」

 メルシーの額の眼がクワッと開いた。そして部屋の空間がグニャグニャと歪み始めた。

「タイムリープ」

 メルシーの周囲を浮いていた氷柱が、ゆっくりと彼女の周りから離れると、ウンディーネの周囲に反対方向に飛んで行った。そしてそのまま消滅すると、今度はマロとウンディーネを包んでいた白く冷たい空気が消えた。マロとウンディーネはそのまま前を向いたまま、逆方向に少しずつ歩いて行った。


 何が起こっているのか。マロ達が気付くことはない。何故ならば彼らは体感することができないからだ。ジャバウォックの能力を一言で表すとしたら、それは時間の巻き戻しである。時間逆行とでも言うのだろう。時空魔法タイムリープは、時間をゆっくりと戻し、例えば、拳銃を撃った時には、飛び出した弾丸は、銃口の中に戻る。食事の途中であった際には、胃に入った食物が喉を通り、食べる前の状態で皿の上に置かれる。


 ジャバウォックが巻き戻せる時間は数秒だけだ。しかしその数秒こそが生死を分けるのである。この巻き戻っている時間、マロ達は意識がなく何が起こっているのかも知ることはないが、ジャバウォックとメルシーだけは、その時間を自由に動くことができる。そして、マロが最初の定位置に戻ると、時間の逆行が自動的に終了した。


「え・・・・?」

 マロは口をあんぐりと開けたまま、ファムとソルガの隣に立っていた。この部屋に入った時と同じ状態に戻っていた。



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