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女騎士は美少年を愛してる  作者: よっちゃん
ブラスト家当主継承編
23/121

二つの激闘

 いよいよ大会も大詰め、準決勝戦が始まった。最初はカイザーとパンデモニウムとの試合である。

「ふん、お前もさっきの便所野郎と同じ結末を迎えるのだ」

「悪いが、パンデモニウム、私は同じ騎士として君を恥ずかしく思うよ。何故、対戦相手を殺す必要があるのだ?」

「知れたこと、弱者は言葉を持たない。負けた者に生きる資格などないからだ」

 パンデモニウムの両手から銀色の爪を伸ばした。同じくカイザーも剣を抜いて、臨戦態勢に入った。実力者同士の白熱の試合に、会場の熱気は高まっていた。

「覚悟しろ」

 パンデモニウムは爪を突き立てて、カイザーに襲い掛かった。

「当たるか」


 カイザーは攻撃を避けるが、パンデモニウムはそれを狙っていたのか、素早く彼の背後に回り込み羽交い絞めにした。

「馬鹿め、この時を待っていたぞ」

 パンデモニウムは、カイザーの体を真上に放り投げた。そして空から落下してくるカイザーを見て、パンデモニウムは笑った。

「見てろよ。貴様を倒すために編み出した必殺技を」

 カイザーの体に向かって、パンデモニウムは口から白い冷気を吐き出した。そしてカイザーの鎧が凍りついていく。

「カイザー、覚悟しろ。この地獄巡りは第4弾まであるぞ。まずは最初の極寒地獄だ」


 パンデモニウムは氷漬けになったカイザーを抱えると、再び上空に投げ飛ばした。

「お次は黒縄地獄だ」

 パンデモニウムの腕から黒い縄が伸びて、カイザーの腰に巻き付いた。そしてそのまま彼を拘束すると、口から、今度は高熱のガスを吐き出した。

「灼熱地獄だ」

 カイザーの氷漬けの体が溶けていく。そして黒縄が燃えて、彼の体を火だるまに変えた。

「最後は衆合地獄だ」

 パンデモニウムは再び銀色の爪を両手から伸ばすと、その場で大きく跳躍し、落下してくるカイザーの体を串刺しにしようとした。


「甘いな」

 カイザーは空中で軌道をずらした。そしてそのままパンデモニウムの爪を避けて着地した。

「何だと・・・・」

 パンデモニウムも着地した。

「何故、無事なんだ・・・・?」

「悪いが今の攻撃では私は殺せない。だがおかげで鎧がボロボロだ。もう使い物にはならないだろう」

 カイザーは兜を外した。金髪の髪をした端正な顔立ちが白日の下に晒された。彼は剣を抜くと、地面を蹴って、パンデモニウムの元に走った。

「来るか。だが俺の鎧は、そう簡単には傷付けられないぞ」


 カイザーはパンデモニウムの前に立つと、剣で素早く、彼の体を横向きに薙ぎ払った。

「ぐむ・・・・」

 パンデモニウムの体が後方に倒れた。しかし彼の鎧は傷一つ付いていない。しかし鎧の隙間からは、彼の鮮血が流れ出ている。恐るべきことにカイザーの斬撃は、彼の鎧をすり抜けて、直接に彼の肉体を斬ったのである。

「終わりだ。君は死んだ」

 パンデモニウムは、カイザーの言葉通りに動かなくなった。試合はカイザーの圧勝だった。

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