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女騎士は美少年を愛してる  作者: よっちゃん
新世界創造編
100/121

煉獄へ・・・・

 アインは童心に戻って、フカフカのベッドの上で、まるでトランポリンに乗っているかのように、ピョンピョンと楽しそうに跳ねていた。

「こんなに快適な牢獄なら、後10年はいられるぜ」

「無期懲役よ。私達・・・・」

 アンジェリカは椅子に座り読書をしながら、アインにとって、いや寧ろ二人にとって耳痛い言葉を投げかけた。するとアインの顔が見る見るうちに不機嫌になっていった。

「分かってんだよ。しかもよ、何で植物の出た部屋なんだよ。別のもっと豪華な部屋をよこせよな」

 アイン達が新たに入った部屋は、確かに約束通りのフカフカベッドと、椅子、そして見晴らしの良い窓が付いていたが、床には穴が開いているし、植物の葉が床に散らばっており、気味が悪かった。


「ところでファムは?」

「・・・・」

 アンジェリカはアインを無視して、読書を再開すると、本を上からアインに奪われた。

「ねえ、返してよ」

「ダメだ。俺の質問に答えろ」

「あそこ・・・・」

 アンジェリカはテーブルに置かれている、一枚の紙を指した。アインはそれを慌てて取ると、書かれている文字を見て驚いた。


「おい、マジかよ・・・・」

「うん、朝起きたら既にいなかった。それで手紙だけ一枚ここに」

「煉獄に行って来るので、遅くなりますってな。遅くなるどころか、永遠に帰って来れないんじゃないか」

「でも、今頃はもう到着してるよ」

「そうだな。だけどよ、何か気になるよな。俺らも行くか?」

 煉獄行きを猛反対していたアインらしくない発言に、アンジェリカは猫のように、瞳を三日月の形にして、意地悪く笑った。

「行っても見殺しにする気満々だったくせに。ひょっとして、ファムのことが好きなのかな?」

「馬鹿か。違うし」


 アインの真っ赤な顔を見て、アンジェリカは納得した。自分の推測は当たると得意になったのだ。

「で、どうする?」

「少し怖いけど、ファムは仲間だしね。私も行っちゃうよ」

「決まりだな」

 二人はそそくさと部屋を出ると、別館を出て監獄へと向かった。


 二人が別館から出た頃、ファムはようやく煉獄の扉に手をかけていたところだった。

(わざわざ無実でここに来たんだ。もう覚悟はできている)

 ファムは鉄の扉を後ろに引いて、サッと部屋の中に入った。

「監獄・・・・」

 ファムは目の前にある看板を読んだ。どうやらここが監獄で正解らしい。屋根の近くには、無数の鉄パイプが繋がっており、部屋内には蒸気のようなものが吹き荒れていて、とにかく蒸し暑かった。まるで何処かの工場のように、石炭の燃えている音やら、カンカンと鉄を打ちつける音で、耳がおかしくなりそうだった。


「待っててね。マロ、そしてマロのお父さん」

 ファムは煉獄の奥へと足を踏み入れた。

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