MY HOME
ボクらはここで生まれ ここで育った
「先住民族」って言葉があるなら まさしくボクらはそういうヤツだ
段々と過ごしにくい世の中になったモンさ
けれど ボクらはここで繁栄し ここで息絶えていく
たまに聞こえる子供達の笑い声に 捕まらないように急いで逃げ回って
ヘトヘトに疲れた後には それでも「楽しかったな」って笑う
ボクらの笑い声はキミの耳に届いているはず
過去も未来も ボクらは君らに追いかけ回され そしてヘトヘトになる
天敵と呼ばれる者はきっと君らのことだと思う
けれど それはきっと『好敵手』ってコトで ホントは楽しくて
未来永劫 受け継がれるモノだとボクらは思ってた
段々と仲間が減って そのたびに送別会をするよ
「昔は良かったな」って ボクらだって思うことがある
いつかボクらの変わりに何かが誕生しても
ボクらのように幸せな暮らしを過ごすことは出来ないだろう
たまに草の影から覗いてるよ 君らに踏まれないように
「追いかけておいで」ってわざと飛び出しても 追いかけてくれない
ボクらはいつから 君らの好敵手でなくなってしまったんだろう?
過去も未来も ボクらは君らと共に生き 共にヘトヘトに疲れるものだと
そう思っていたのは ボクらの勝手な都合
君らはボクらのことを忘れ ボクらの存在をなくしてしまう
君らに背を向けてさよならを告げるのも ボクらの勝手な都合?
刈り立てられる草の中を逃げ惑いながら
どこに行けばいいんだろうって戸惑っているボクらを笑う君らはいない
君らはボクらを忘れてしまったから
過去も未来も ボクらは君らの笑顔といたずらに向き合い続けヘトヘトになる
君らがいるからボクらも ずっとそこにいた
けれど それはきっと昔話し 遺伝子を書き換えなくちゃね
ボクらの本当の天敵は この時代なんだって