いじめのない教室
新学期の始業式の日。
新しい担任の加藤先生が家にやってきた。
僕は加藤先生と玄関で話すことになった。
「川合君は去年から学校を休んでいるそうだね」
「うん」
「それはクラスの子が原因かな?」
「…………」
僕は下を向いて黙り込む。
その反応で察したのか、加藤先生は真剣な顔で言った。
「先生は決していじめを許さない。一週間だけ待ってほしい。それまでに全部解決するから」
「そんなこと無理だよ」
「大丈夫、信じてくれ。必ず君が楽しく学校に通えるようにしてみせる」
一週間後、加藤先生はまた家にやってきた。
前回と違って、加藤先生はとても明るい顔だった。
「川合君、おはよう! 約束通り、いじめ問題を解決したんだ。一緒に学校へ行こう!」
「う、嘘だ……」
「本当だよ! もし嘘だったらすぐに帰ってもいい! さあ、行こう!」
僕は加藤先生の車に乗って学校へ向かう。
教室に到着すると、変な臭いがした。
僕は思わず立ち止まったけど、加藤先生は気にせず扉を開ける。
教室には誰もいなかった。
並んだ机の上には、血みどろの花が瓶に入れて飾ってあった。
加藤先生は教室を見回して微笑む。
「いじめがクラスぐるみだと判明してね。みんなには反省してもらったんだ」
いつの間にか、加藤先生の手には斧が握られていた。
刃には赤黒い汚れが染みついている。
加藤先生が何をしたのか理解した瞬間、僕は腰を抜かした。
動けない僕に対し、加藤先生は優しく言う。
「これでいじめ問題は解決したね。じゃあ、授業を始めようか」




