うさんくさいイケメン侯爵閣下、その名はオーランド
「リヴィ。次はなんの事業だと思いますか?私はやっぱり縫績工場と思うのですが。動力魔導石のおかげで機械化が進みましたし」
「だからなんで毎回私に聞くんですか、オーリー様…オーリー様の好きなように投資したらいいじゃないですか」
「私と君との仲でしょう。それに君の投資家としての才能も信頼しているんですよ」
「投資家の甘い言葉ほど、信用ならないものはないですね」
「ふくっ…君のそういう所も信頼のひとつなんですがね」
信用されませんねぇ、と仰るのは若き侯爵かつ事業仲間。
オーランド・ヴェルディナント侯爵閣下だちくせう。
そして現在、私が社交界で爪弾きになっている理由の一つである。
一見黒髪なのだけど、元は青なのか、光の具合によっては時折青く光るサラサラの髪。
すっと通った鼻筋。
切れ長のアイスブルーの瞳。
はい出ましたイケメン2号。
1号?私の中では兄が永遠の1号だよ!22歳になって色気垂れ流しだよ!
ただ世間評価ではもしかすると目の前の方が上かもしれない。
兄がタレ目の優しげ色気男子とすれば、目の前のオーリー様は目元涼しいクール系男子って感じだ。
御歳兄より上の26歳、私とは10歳差。
にも関わらず何をとち狂ったか、『交際申込』をしてきてらっしゃる。
これが私が社交界で嫌われる大きな理由だ。他のも本音だろうけど。
『金で侯爵様の関心を買った』『事業仲間と聞こえのいい言葉で擦り寄っている』
声を大にしていいたい。
いつでもこのポジション変わってやんよォ!!!動力エンジンの利益はゆずんないけどな!!!
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