寒々しい出立の日
凡ミスをしました。
先に行ったのはフランテ王国のため、その辺を修正させて頂きました。
申し訳ありません。
どうしてこうなった。
「まずどこに行くんですか?」
「うぇっ?!えーっと…ふ、フランテ王国、かにゃぁ…?」
「なんですかその馬鹿みたいな口調。只でさえ貴族の気品の欠片もない風体なんですから、口調くらいちゃんとしてくださいよ」
「…あ、あうう…」
「……」
「…で、そこの片隅に隠れたようで隠れてないのはダルタニアン家令息とお見受けしますが?」
「うっ!」
「この度はどのようなご用件で?まさかとは思いますが、今更婚約の打診でも?それともまさか婚約者でもないというのに、フランテ王国までご一緒なさるおつもりで?婚約者でもないのに」
「あ、あはは…ひ、久しぶりだね、アレン・ローズバーグ殿……いやあ!ちょっと友人の見送りにね!来たんだよね!」
「そうですか。婚約者でもないのにお心遣いありがとうございます。婚約者でもないのに」
ダラダラと冷や汗を垂れ流し続けるエイベル。
(ちょっとあんた!!フランテ王国一緒に行くんじゃなかったの?!)
(ばっか!俺は自分の命が惜しいわ!見てみろあの憎しみの篭もった目を!!『一緒に汽船乗っていいかな?』なんて言った日にゃ刺されるわ!!!)
(あんたも毛織物とワインみたいって言ってたくせにいぃぃ!この裏切り者ぉぉぉぉ!!絶対紹介してやんねーかんなぁああ!!)
(おまっ!それは卑怯だろ?!)
以上全て目での会話である。
これが成り立っていると知り合いに言った際には、『え…それもう婚約したらいいんじゃ?』と言われたもののお互いゴメンである。
なおこの話を根性無しにした際には、えずかれた。コイツいつか処す。
「姉上」
「ひゃい!」
「…はぁ…しっかりして下さい。そろそろ出立するのでしょう」
「はは…はぁい…ていうか…」
「何ですか」
「……ほ、ほんとにアルも来るの…?」
「…行きますよ。言いましたよね?姉上のことは認めたくないけど、姉上のやろうとしていることも理解できないけど、その意義を僕には見極める必要があるって。付いていきますよ、了承したでしょう」
じっとりとした目で見つめる我が弟。
しばらく見ない間にますます美少年に磨きがきって…と思いつ、身内の、この絶対零度の目線はつらい。
どうして。
「さ、早くダルタニアン家令息にお別れを。わざわざ来てくれたんですから。ええ婚約者でもないというのに。妙齢の貴族男子が。わざわざ。妙齢の貴族令嬢の見送りに。婚約者でもないというのに!」
「「あ、ううううう……!」」
どうしてこんな、胃の痛い出立をすることになったのか!
それは侯爵との会談直後に遡るー………
久々更新失礼します!
ゆっくりですが、再開致します。
エイベルが出る話は書きやすい…
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