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5人を見ても大きな怪我をしている人はいないが一応それぞれにハイヒールをしておく。
「ありがとう。助かったよ。君たちは冒険者かな」
鎧の男(顔が見えないけど多分風魔法使ってた人かな)が声をかけてくる。
この人が一番偉いんだろうか。
「はい。クアールの街からイダイの街に行く途中でした」
「そうか。君たちのおかけで仲間も死なず、俺たちの雇い主を助けることが出来たよ。本当にありがとう」
「困ってる時はお互い様ですから」
その雇い主とは馬車の中にいるのだろうか。戦いの最中も、終わってからも姿は見ていない。あのキメラを目の前にしても馬車から逃げなかったのは凄いな。
馬車も豪華には見えないようにされているが所々の装飾に使われている宝石などが高価なものだ。よほど地位の高い人達なんだろう。
「後日お礼がしたいと雇い主が言ってるからイダイの街についたらこのネックレスを門番に見せてくれ」
「え、お礼なんていりませんよ」
「いいや貰ってくれ。じゃ俺たちはもう出発するから」
倒れていた3人もなんとか立つことは出来ているようだ。どこかに隠しておいたのであろう馬を森の中からだして、俺に無理やりネックレスを握らせた鎧の男達は馬に乗り馬車を守るような形で走って行ってしまった。
「どうする?ソラ」
「どうするって言われてもネックレスも返さないといけないし…」
渡されたネックレスはプレートになっており、小さなダイヤが埋め込まれている。ダイヤの他には何かの模様が描かれているようだ。
「これ絶対にお高いやつだよね?」
「お高いやつだろうな」
「ですね」
思わずため息が出る。別に見返りが欲しくて助けたわけじゃないけど、さすがにこんな高価なものをそのまま持っておくことも出来ない。イダイの街についたら門番にこれを渡すだけ渡してあとは逃げればいいか。
「それにしても変なキメラでしたね。この辺りに出たという報告は1度もなかったはずです。それにあの大きさ、普通のキメラとは違いますね」
「確かに。俺がキースさんに習ったキメラは体長2m位であんなに大きくなかったはずだ。突然変異か?」
「確かに変わってたね。体力も3万程あったから変異種か、誰かが故意に作ったのかも」
「誰が?」
「俺が知るわけないだろ」
あの馬車を狙ったかのように突然現れたキメラ。ただの偶然にしては出来すぎている…が、これ以上突っ込むと引き返せない気がする。これ以上関わるのはよそう。
その後イダイの街に着くまでは他の魔物に出会うことはなかった。魔物だけではなく動物にも出会わなかった。もしかしてキメラがいたから遠くの場所に逃げているのかもしれないな。
遠くからみたイダイの街はクアールの街に負けず劣らず立派な街だ。中央に大きな建物がある。あんな大きな建物、端から端までら歩くのにどれくらいかかるんだろう。働く人も多そうだ。まぁ行くこともないだろうけど。
「はい、次ー」
「お願いします。あとこれを持ち主に返して欲しいんですけど」
「なんだなんだ。ここは落し物預かり所じゃないぞぉぉぉぉ!?」
門番に声をかけられ冒険者証と先程受け取ったネックレスを門番に見せる。少しだるそうにしていた門番が、プレートの絵を見た瞬間に青くなったのは気の所為だろうか。
「こここ、こちらでお待ちください」
「え、いや、返しておいてほしいんですけど…」
「そんなことを言わずに。さぁ、さぁ!お連れ様も!」
門番は話を聞かず、強引に俺たちを休憩所のような場所に連れていった。その間に何度も返しておいて欲しいことを伝えるも早口に話す相手には伝わらず。今は大人しく椅子に座りながら、だしてもらった紅茶とお菓子を食べているところだ。
「なんでこんなことに…」
「嫌なら門番にネックレス押し付けて逃げれば良かっただろ?」
「うっ…しようかと思ったけどあんな態度取られるとできないっていうか……」
「ソラさんは優しいですからね。私は無理だろうなと思っていましたが」
「俺も。真面目なソラには逃げる真似なんて出来ないと思ってた」
「それなら言ってよ!」
2人からそう言われてしまうと反論ができない。ため息をつきながら渡されたネックレスのプレートをみる。描かれている模様はどこか見たことがある気がする。なにか花みたいだな。何の花だったんだろうか……。
「お待たせしました。そのネックレスの持ち主の方をお呼びしました」
「2日振りですね」
「……どちら様?」
門番の声がして振り向くと、そこには門番と一緒に金髪碧眼のイケメンが立っていた。この間は皆鎧を着ていて顔なんか確認することは出来なかったからな。この人はあの6人の中の誰なんだろう。もしかしたら馬車の中にいた人という可能性も…。
「忘れたんですか?まぁみんな鎧を着ていましたからね。一応風魔法を使って、貴方にネックレスを渡したんですが」
やっぱりそうですよね。鎧をとったらこんなにイケメンでしたって乙女ゲームとかでありそうだな。あんまりやったことないけど。
金髪碧眼にイケメン。しかも高身長なんて絶滅危惧種だろ。
「いえ、忘れてません。お顔を知らなかったので驚いてるだけです」
「そうですか。それは良かった。では外に馬車を待たせています。雇い主の所まで行きますよ」
「あ、その事なんですが俺たち別にお礼なんていらな…「ん?何か言いました?」い、いえ。何でもアリマセン……」
あの目は有無を言わさない目だ。キースさんも時々していたけど、あの目には逆らったらダメだと叫んでる。むしろ優しい目なのになんでなんだろ。
諦めて先に行くイケメンの後をついて行こうと思ったら門番に小声で話しかけられる。
「アンタら何したんだ?あの方は…」
「サイクス!無駄なお喋りは禁止ですよ?」
「は、はい!失礼しました!」
イケメンに声をかけられビクッと肩を震わせたサイクスと呼ばれた兵士は、イケメンに深く頭を下げると脱兎のごとく部屋から出ていった。あの方ってなんだ。もしかしてイケメンはとても高貴な人なのか?
「はい。こちらに乗ってください」
俺達が乗ったのは4人で座っても少し余裕がありそうな大きな馬車だ。この間見たものとは違うが、お貴族様の持ち物だろと思うような装飾がされてある。馬車自体初めて乗ったのに初馬車がこれか…。思ったよりも狭く感じず、椅子もフワフワしていて、長時間座ってられそうだ。
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