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転生先ではゆっくりと生きたい  作者: ひつじ
旅立ち
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2


次の日の朝、ライドとネルはリビングで突っ伏していた。どうやら二日酔いのようだ。


「頭痛てぇ…」

「世界が回ります…」

「飲み過ぎなんだよ」


俺は2人を置いて早めに寝たからいつまで飲んでいたのかは知らないが、朝リビングに来た時は寝る前より増えていたからあれからもずっと飲んでいたのだろう。


「まったく…ほら、これでも飲んで」


俺は貝のお味噌汁を2人にだした。地球では二日酔いにはシジミの味噌汁と聞いてたけどこの世界では何を飲むんだろうか。

朝ごはんは魚の干物と味噌汁、それにパンだ。このラインナップなら米を食べたいところだけど、この街で米を見たことがない。いつか見つけたいところだ。創ればすぐに食べられるのだけど、探す楽しみというのもあるからな。しばらくは我慢しよう。


「試験が今日じゃなくて良かった…」

「こうなるかもしれないと思ったんだよ」


ゆっくりとご飯を食べる2人を横目で見ながらササッと朝ごはんを食べ終える。


使った食器をシンクに持っていき部屋へと戻る。1年前までは殺風景な部屋だったが、今ではたくさんの物がある。魔法を勉強するために買った魔法書やいつか家に帰った時にアリシャに渡すつもりの人形、剣の練習をするための木の剣などだ。


「試験は明日だし、今日は何しようかなぁ」


魔法の練習や剣の練習は…明日に響くといけないから今日はやめておこう。それなら創造も…特に作りたいものもないな。


なんだかんだで何もしない1日は初めてかもしれない。いままで依頼や練習ばかりでまともに休んだことはなかった気がする。村にいた頃もスキルのレベル上げしてたから休んだりはしてなかったもんな。


「ちょっと2人に聞いてみよう」


2人はまたリビングにいた。少し復活したようだ。


「ねぇ2人とも」

「ん?どうした?」

「2人は休みの日は何してるの?」

「休みの日?俺は市場で武器や防具を見てまわってるかな。なんかアイデアがでるかもしれないし」

「私は本を読んでますね。本に集中するのもいいものですよ」


2人の休日の過ごし方が思い描いたもの通りですこし笑ってしまう。やっぱり各々ちゃんと休んでたんだな。


「ソラはどんな風にすごしてるんだ?」

「実は分からなくて…今までちゃんと休んだことがなかったから」

「そういえば何かしらしてたもんな。そうだな…可愛いねぇちゃんがいっぱいいる店に痛てぇ!!」

「ソラさんに変なことを教えないでください」


ライドが言い終わる前にネルがライドな頭を叩く。最初は畏まりすぎていたネルだけど、さすがに慣れてくれたようだ。敬語だけはやめてくれないけど。一応ネルが最年長なんだけどな。


「図書館に行かれてはどうです?」

「図書館?」


魔法の本を借りるために何度か行った事はあるけど、もう借りる魔法の本もなかったはずだけど…


「これからどこに行きたいか下調べするのもいいかもしれません。どんな国があるのか、どんな景色があるのか書いてある本があると思いますので」


そういえばこの街以外ほとんど知らないんだった。旅に出るなら他の国のことも知らないとだよな。


「ネルありがと。じゃあ図書館に行ってくる」

「行ってらっしゃいませ」

「おー」


善は急げと走って図書館へと向かう。そういえばいままで他の街のことなんて考えもしなかった。まぁ今の目標がBランクにあがることだったからな。それしか見えてなかった。


街の中心街にある図書館へと入る。現在のCランクではほとんどの本が見れるようになっている。AランクとSランクから閲覧できる本は厳重保管はされているらしく、この場にはないらしい。


「えーっと…世界地図がいいのかな」

「おや、ソラ君」

「あ、キースさん。こんな所で奇遇ですね」


そこには私服を着たキースさんが立っていた。普段は受付にいるキースさんが図書館内にいるのはなんか違和感がある。


「はい。ソラ君は何か探してるのかい?」

「他の街や国の事が書いてある本を探してて」

「ふむ…それならこの辺りがいいかもしれないね」


そういってキースさんは数冊本を取ると俺に渡してくる渡された本は【世界の国々】や【ここは押さえるべき!!世界の絶景百選】など書かれている。


「旅に出ることを考えているなら読んでおくと良いよ。オススメは一番下の本かな。じゃあ俺はもう行くね。また明日」


渡すだけ渡すとキースさんは行ってしまった。受付にいる時は俺たち以外に対応してなくて暇そうな感じがするけど、実は忙しい人なのかも。

俺は渡された本を持ったまま館内の読書スペースに座った。本を机に置き、何を渡されたのか確認する。


「【世界の国々】に【絶景百選】。【王族へのマナー】まである。他には…【人間と他種族】【奴隷の扱い方】?なんでこんなものまで…」


キースさんの言ってたオススメは奴隷の扱い方の本だろう。俺は奴隷の扱い方の本を手に取ると最初に読んだ。








「ふぅ。とりあえず渡されたのは全部読んだかな」


渡された本は意外とボリュームがあり、全て読むのに半日ほどかかってしまった。朝一に来たのにもう閉館時間だ。俺は慌てて本をあった場所に戻すと図書館から出た。


「さすがキースさんセレクト。ほんとタメになったな」


特に奴隷の本についてはとても良かった。どの国が奴隷売買ができるのか書いてあった。ということはその国に行く時は注意しなければいけないと言うことだ。


さすがに狙われる事はないと思うが、警戒するに越したことはないからな。


「うーん。ずっと座ってたから体が痛いな。少し走って帰るか」


ゆっくりと走りながら家へと向かう。

いよいよ明日は昇級試験だ。もしBランクに昇級することが出来たらこの景色を見るのもしばらくなくなるんだな。少し寂しくなるな。


「って、合格前提で考えてたな」


昇級試験がなんなのか分からない以上必ず合格するという確信なんかない。

とりあえは明日頑張るだけだ。


「夢への第一歩。頑張るぞ」



閲覧ありがとうございます。

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