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「これで終わりかな」
それぞれの部屋と工房の家具を作り終わると、リビングの椅子に座る。
2人とも特に希望がなく机と椅子、ベッドとクローゼットだけのシンプルな部屋になった。小物はそれぞれで揃えるらしい。
工房の方も以前の住人が残していたもので事足りるようだ。一応ライドの家にあったものも全ての運び込んでいる。
家の間取りとしては工房と住居スペースに分けられる。
工房の広さは家一軒ぐらいの大きさで、2階は物置だ。1階部分は仕切られておらず、ひとつの大きな部屋となっている。
住居スペースはL字になっており、1階の手前はリビングで吹き抜けになっており横にはキッチンがある。奥には風呂やトイレ、お手伝いさん用の部屋が2部屋ある。
2階は全て個室になっており、向かいあわせで3部屋ずつの計6部屋ある。今は3部屋しか使っていないため、残りは物置だ。
「やっぱ改めて見ると広いな。しばらくはここを拠点にして頑張るか」
「そうだね。ライドは今日からここに住む?」
「荷物も持ってきてもらったからそのつもりだけどソラは違うのか?」
「俺は宿屋に明後日までの分払ってるからどうしようかな」
「私は6日ほど残っているので、来週ここに来ます」
3日間分で約束を金貨1枚…もったいないから宿屋に泊まろう。
俺たちはライドを残して宿屋へと帰った。
宿屋に帰るとマーサさんに家を借りたことを伝え、明後日には宿屋を出ることを伝えた。
「そっか。ソラは部屋を汚さないし、宿代もちゃんと払ってくれるいい客だったから寂しいよ」
「えっ!?ソラでていくの!?」
「うん。ちょっと遠いけど家を借りたからね」
先程まで居なかったサリアがマーサさんの後ろから顔をだした。その顔はどこか悲しそうに見える。
「もう…ここには来ないの?」
「ううん、来るよ。ここのご飯は美味しいからね。たまにご飯食べにくるよ」
「そっか…。それなら良かった」
先程まで悲しそうな顔をしていたサリアだったが、俺の返事を聞いて笑顔になっている。もしかしてサリアは……なんて事が頭によぎったが、こんな可愛い子がそんなわけないよな。
俺は頭の中に浮かんだ考えを振り払い、夕食を食べてから部屋に戻った。
その後は特にチームとしての行動もなく、個人で依頼を受けたり、武器を作ったりと各々過ごしていた。
2日後、俺は宿にあった荷物を全てアイテムボックスに収納し、家へと向かう。やはり家までは少し遠いが、安かった分仕方ない。
それにワープを使えば直ぐに着くのだが、どこに人目があるか分からない街で使うのは辞めた方がいいと思う。
俺は家に入るとすぐに工房の方に向かった。案の定ライドは工房にいた。2日前と比べ少し生活品が増えたようだ。
「やぁライド。ちゃんと休んでる?」
「お、ソラ。今はちゃんと休んでるよ。朝メシも食ったし夜も寝てる」
ライドが指さした方にはテーブルと椅子があり、屋台で買ったのであろうサンドイッチの袋があり、椅子には毛布がかかっていた。多分部屋に戻らずここで寝泊まりしていたのだろう。
「それならいいけど。変わったことは無かった?」
「何もねぇよ。ただ家が広すぎて落ち着かないぐらいだ」
「そりゃそうだろうね。部屋に荷物置いてくる」
「おー」
工房からでると俺は自分の部屋へと向かう。2階の1番奥だ。隣はライド、俺の部屋の目の前がネルの部屋になっている。
「よし。しばらくの拠点はここになるんだよな」
数ヶ月宿屋の部屋に寝泊まりしていたが自分の部屋とは思うことは無かった。けれど目の前にある部屋は、ものは無いものの自分の部屋という感じがする。
「これから何を増やしていこう」
村にいた頃は前世やグーフ神の知識を使いながら創った物を置いていた。今度もそうしようかな。けれどお店を見て回って自分好みの物を置いていくのも良さそうだ。この街の中心街にはたくさんのお店があるからな。依頼を受けてない日に見てまわろう。
「あとは…いつこの街をでるかだよな」
この世界を見てまわる…それが俺の夢で冒険者になった理由だ。本当はすぐに旅に出ることを考えたがもっと強くなりたいとも思ったし、ライドに鍛冶もしてもらいたかった。
だから修行するためにもこの家を借りたんだ。
俺の今のランクはEランク、せめてあと1年でBかCランクに上がりたいところだ。そこまでいけば旅に出てもすぐに死ぬことはないだろう。
せっかく神様に新しく貰った命だ。はやく死ぬのは勿体なさすぎる。
「そのためには依頼と修行頑張らないとな」
ランクはポイント制だ。Cランクに上がるのに100、Bランクに上がるのに150ポイントの合計250ポイント必要だ。Fランクの依頼で1ポイント、Eランクの依頼で2ポイントと1つずつあがり、Cランクの依頼では4ポイントだ。順調にいけばBランクに上がるだろう。
ただキースさん曰くBランク以上は依頼が難しくなるため、Bランクからは昇級試験があるそうだ。試験内容は教えて貰えなかったけど筆記テストだったらどうしよう。
「まぁ今悩んでも意味ないな。まだ先の話だ」
とりあえず今はDランクに上がることと、ネルのランク上げ、風と聖以外の魔法の練習をしていかなきゃだな
「そうと決まれば冒険者ギルドで依頼探してこようかな」
部屋から出ると工房にいるライドに声をかけ、ギルドへと走り出した。
次から章が変わるため、明日は1日お休みさせていただきます。
明後日からはまた毎日投稿になります。




