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先程のポイゾナより強い光で女の子が包まれる。あまりに強い光に思わず目を瞑ってしまう。
数十秒程で光は消えていく。ゆっくりと目を開け目の前の女の子を見る。
「え…うそ…」
女の子の身体の青アザは消えており、座っていた女の子はゆっくりと立ち上がっている。
女の子も自分の体に起きたことが信じられないようだ。
「なにが起きたんだ」
「魔法で怪我を全部治したんだ」
「そんなことができるのか!?」
「俺なら出来るんだよ」
この世界のヒールは傷を癒すことはできるが、昔の傷を治すことはできないのだ。女の子の怪我がいつ出来たものかわからないが、ここ1週間の傷ではないだろうと思いパーフェクトヒールをかけた。
パーフェクトヒールは【消え去った魔法】にあった魔法の一つだ。どんな怪我でも、状態異常でも綺麗に治すことの出来る魔法だ。死んでさえいなければ例え身体の半身が無くなっても綺麗に治すことが出来る。この魔法が消えた理由は消費魔力が大きいからだ。1度の魔法で魔力が1000程消費される。俺は神様の加護もあり転生者なので魔力保有量も多いが、普通の人なら魔法を放つと死んでしまうだろう。
「あの…ありがとうございました」
気がつくと女の子が俺の後ろにいた。女の子は俺をみると頭を深く下げる。どう見ても俺よりも小さい。こんな小さな子がどうして奴隷になってたんだろう。
「いや、俺こそ勝手に治療してごめん。動かしにくいところある?」
「無いです。ちゃんと怪我する前に戻りました。貴方のおかげです」
「良かった」
女の子の言葉に笑顔で答える。俺の顔を見た女の子はどこか顔を赤らめているように見える…が、気の所為だろう。
「はいはい。青春はそこまでにして」
「なんだよ青春って」
って青春って言葉こっちにもあるんだな。俺なんて前世では青春のせの字もなかったからな。今世では頑張って青春したいな。
「2人して顔赤くして青春だろ?それよりこれからどうするんだ?あの子、えーっと名前教えてくれるか?」
「あ、私ネルです」
「俺はライド。ネルを助けたのがソラね。ネルは動けるようになった。けど周りはまだ毒の霧があって動くことが出来ない。俺たちは依頼で洞窟探索をしなきゃいけない。だからネルの選択肢は3つ。
1つ、ソラに毒の霧の中を歩けるタオルを作ってもらって1人で帰る
2つ、ここで俺たちの探索が終わるのを待つ
3つ、俺たちと一緒に探索に行く。
俺としては2つ目がオススメなんだけど」
「一緒に行かせてください!!」
ネルはライドの言葉を遮るように答えた。俺たちと一緒に行く。それは洞窟の中を進むということだ。どんな敵がいるか分からないし、毒に侵される危険がある。こんな小さなネルを連れていくのは危険だ。
「どんな事があるかわからないよ。危険だよ?」
「大丈夫です。私強いので。これでもライドさんよりも年上なんですからね」
「「は?」」
ネルの言葉に耳を疑う。慌てて鑑定をするとネルの言ったことが本当だったことがわかる。
名前:ネル=ファブリス
種族:ハイエルフ
年齢:60歳
体力:6000/6000
魔力量:1/1
魔法属性:風、土
スキル:アイテムボックスLv10、魔法強化Lv10、身体強化Lv10、弓術強化Lv10、感覚強化Lv10
加護:ヴァル神の加護、ティタ神の加護、エルタニア神の加護
称号:エルタニア神に愛されし子
弓術強化:弓をいる速度、攻撃力等が上がる
感覚強化:五感が鋭くなる。
先程鑑定した時は瀕死であることしか見ていなかったので分からなかったがネルはエルフ族だ。その中でも上位のハイエルフ族だった。年齢は60歳らしい。中でもスキルや加護もすごい。俺と同じ程の加護とスキルを持っている人なんて初めて見た。しかしスキルや加護が通常より薄くなっている。これは何故だろう。
「ほんとだ…。ん?エルタニア神って聞いたことないな」
「エルタニア神はエルフの神様です。ほとんどのエルフの民に加護を与えてくれてるんです」
そんな神様もいるんだな。今度ティリル神にあったら聞いてみよう。
「ネル…さんが強いのはわかったけど、魔力が全然ない」
「それはこれのせいです」
体力は俺の数倍あるネルだが、魔力に関しては0だ。エルフだから前世のイメージもあって魔法には強い種族だと思っていた。俺の言葉にネルは自分の首に付けられている枷を触った。
「これは奴隷商でつけられた服従の首輪です。これを付けられると魔力が感知できないし、魔法も使えません。それに主人には逆らえないようになります。逆らうと身体中に電流が走るようになってます」
「外せないの?」
俺の言葉にネルは数回首を振る。
「主人の持っている鍵を使うか、ある一定以上の魔力を流し込まないといけません。奴隷では魔力が0になって出来ませんし、奴隷を助けるために膨大な魔力を差し出す人もいないので」
ってことはこれに魔力を注ぎ込めば外せる可能性があるって事だよな。枷に手を伸ばすと鑑定で自分の魔力量を確認しながら少しずつ魔力をこめてみる。
100…200…まだ全然だな。400…500…少しヒビが入ってきたような。800…900…まだか、そろそろ俺の魔力量もヤバいぞ。
ギリギリまで魔力を注いでいると1000になった途端枷がボロボロに砕け散った。
「え、砕けた」
「よっしゃせいこーう!」
思いのほか魔力を使いすぎた俺はそのまま後ろに倒れた。残りの魔力量は12。魔力の自然回復があってよかったよ。
倒れた俺をライドが起こしてくれる。ネルはまだ信じられないという顔をして自分の首を触っていた。
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