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「もう大丈夫。痛くないよ。ほら」
俺は右腕をグルグルと回して見せた。痛みもなければ引き攣った様子もない。怪我をしていたなんて嘘のようだ。怪我は俺の勘違いだったのか?いや、あの痛みは本物だった。今でもオオカミの爪が肩にくい込んできた感触を覚えている。
「そう。良かったわ。家に帰ってきた時はビックリしたのよ。肩から血を流してるし熱もあるし。心臓が止まるかと思ったわ」
「ご、ごめん」
昨日のことを思い出しているのだろう。涙を浮かべながら話す母さんを見ると、慌てて謝る。前世とは違い俺を心配してくれて、死んだら悲しんでくれる人がいる。俺はなんて軽率な事をしたんだろう。
けれど自分の行いを間違っているとは思わないし、あの場面ではどちらかが囮にならないと2人とも助からないと思ったのは本当だ。
結果良ければ全て良しということではないが、今回は俺が囮になるのが最善策だったと思ってる。
「そのあと金色の光がソラを包んでね。そうしたら傷も塞がったし熱も下がったのよ。今考えるとあれは聖の治癒魔法だったのね」
指で涙を拭いながら話を続けている。金色の光は俺が森で見たやつと同じだろうか。治癒魔法か。だから魔力が減っていたんだな。
当然だけど魔法を使えば魔力が消費されるんだよな。これも練習しなきゃだな。治癒魔法なら家の中でも簡単に練習出来そうだ。でもその前に…
「母さん。心配させて本当にごめんなさい。次からは危ないことはしません」
しっかりと頭を下げる。最善策だったとはいえ母さんにも迷惑をかけたんだ。しっかりと謝らなければいけない。俺の言葉を聞いた母さんはいつものように優しく微笑むと優しく抱きしめてくれた。
「約束よ。ソラ。決して1人で危ないことをしないって。必ず父さんか母さんに相談すること。いい?」
「絶対に約束する。危ないことはしない」
そのあと少し母さんと話したが、母さんは直ぐに部屋から出ていった。
「さっきの言い方だと1人じゃなきゃ危ないことしても良いって聞こえるよな……ダメだダメだ。もう母さんたちを悲しませないようにしなきゃ」
俺を愛してくれるあの人たちの悲しそうな顔を見るのはもう嫌だ。自分で自分の身を守れるようになるまでは無茶はしないぞ。
「とりあえずはスキルのレベルアップからだ。出来るところまでやってみよう」
今日から特訓スタートだ!!
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ステータスカードを貰ってから半年。俺はいつの間にか6歳の誕生日を迎えていた。この世界では6歳は魔法を使うことが許されるため半人前扱いになる。そのため親の仕事の手伝いを始めるのも6歳からだ。俺も例に漏れず誕生日を過ぎた頃から父さんの仕事についてまわっている。
といっても流石に森の中は危ないからと村の周りに置いてある柵が壊れていないか点検したり、村の人のお手伝いをしている。それもない時は父さん直々に稽古もつけてもらっている。




