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Episode8 哀しい身代わり11

 



「舞花、終わったよ。もう、あの子は一人じゃないから早く戻ってきてよ」


 シロは眠っている舞花の手を握って声をかける。


「舞花……」


 シロは未だ眠り続けている舞花を見つめ続ける。


「舞花、僕を一人にしないでよ……」


 ポロっとシロの瞳から落ちた滴が舞花の手を濡らした瞬間、彼女の睫毛がふるふると震えたかと思うと、ゆっくりとゆっくりとその瞳が開かれた。


「舞花!」


 武瑠の声に俯いていたシロはがばっと顔をあげる。


「舞花、舞花! わかる? 僕だよ!」


(……シロ。どうして泣いてるの?)


 舞花はシロの手をぎゅっと握る。


(何か哀しいことでもあった?)


「ううん、何にもない。僕、泣いてないし……グスッ……」


(そう……)


 舞花は体を起こそうとモゾモゾと動き出すが中々起き上がることが難しいらしい。


(あれ? なんで……?)


「舞花、寝過ぎて体の動かし方忘れちゃったんじゃねーの?」


 武瑠はそう言いながらも舞花に近づき、起き上がるのを手伝う。


(何それ。私、そんなに寝てた?)


「一週間な」


(ああ、どおりで。シロ、ごめんね)


「だから、泣いてないって」


「いや、舞花は何も言ってねーぞ」


「うるさい、武瑠のくせに!」


「お前な……」


(フフ、悟みたいになってる)


 武瑠は呆れながらも微笑んでいる舞花を見て、ふっと口許を緩めた。


(シロ、お願いがあるの)


「なーに?」


(ぎゅーしてくれる?)


 舞花は手を広げてシロの反応を待つ。


「もちろん!」


 シロは舞花をぎゅーっと抱き締めた。




 武瑠が呼んだ警察によって、あの施設の園庭からは複数の骨が見つけられた。


 そして、押し入れからも一人分の子どもの骨が見つかった。


 ここの施設長はあの男の子の姉だけではなく、何人も同じように手にかけていたようだ。


 警察の調べにより、犯行が公になった施設長は速やかに逮捕された。




 一週間後。


 武瑠はいつも通り古びた喫茶店でいつものカウンター席に座っている。


「マスター、今日のメニュー何?」


 なんて言いながら、四にゃんこと戯れていると、、カランカランとベルを鳴らして同じく常連のあの二人がやってきた。


「マスターいつものより多めによろしくねー」


 シロがいつも通りゆるーく注文すると畏まりました、と言ってマスターもいつも通り対応する。


「舞花さん、お久しぶりです。お元気そうで何より。今日は私の奢りですから好きなだけ食べて行ってください」


 マスターの言葉にいち早く反応したのは舞花ではなく、武瑠だった。


「え!? 舞花だけズルくね? マスター、俺も!」


「武瑠、器ちっちゃーい!」


「はぁ? 俺だって常連なんだからたまにはサービスしてもらったっていいだろーが」


「舞花は特別なの! 武瑠と一緒にしないでよ」


「シロ、お前のシスコン度合いやばいからな!」


「何とでも言えば良いよ~。僕は舞花大好きだもーん」


 武瑠とシロが言い合いをしている間にも舞花は気にすることなく、次々と運ばれてくるスイーツに手を伸ばし静かに食べ始める。


 先程まで武瑠と戯れていた四にゃんこはしれっと舞花のまわりに集まり、ピタリとくっついた座っている。


「皆さん、相変わらず仲良しですねぇ」


「「仲良くない!!」」


 マスターの言葉に武瑠とシロが仲良くハモった。








【Episode8 哀しい身代わり・・・おわり】


 ・・・But this story is not over yet.


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